野球の用語
野球について説明するにあたり、基本用語について説明します。
野球は1845年に海外発祥スポーツで、日本に伝来したのは1872年です。そのため日本と海外では異なる呼び方が存在します。今回はそれぞれの呼び方を記載しましたので、ぜひ両方覚えていただけると嬉しいです。
投手(ピッチャー)
守備側の選手で球を投げる役割です。
打者(バッター)
攻撃側の選手で投手の球を打つ役割です。
塁(ベース)
頂点に4つのを持つ菱形の区画のことです。
表と裏
野球では攻撃の先行を表、後行を裏と呼びます。
ストライク
投手が投げたボールが、打者の膝から胸の間のストライクゾーンと呼ばれるエリアを通過したときに「ストライク」となります。
ボール
投手が投げたボールがストライクゾーンを外れ、打者がそれを振らなかった場合に「ボール」となります。
アウト
打者などが特定のプレーによって「アウト」になると、攻撃側にとっては不利な状況が生まれます。1回の攻撃で3つのアウトが発生すると、攻撃と守備が交代します。
ヒット
投手の球を打つことです。
走者 ランナー
ヒットを打った選手が塁上に止まると走者と呼ばれます。
野球の基本ルール
野球は2つのチームが攻撃と守備を交代しながら点数を競い合うスポーツです。
攻撃側はバットという道具で守備側が投げた球を打ち返し、塁に出ることで得点を狙います。守備側は球を打たれないようにするか、打たれても攻撃側より先に所定の塁に球を返送することで、攻撃阻止ができます。このような攻防を交互に繰り返し行います。
試合に出場できる人数
野球の試合では各チーム9人ずつが「スターティングメンバー(スタメン)」としてフィールドに出場します。その他にも「ベンチ入り」できる選手がおり、この選手たちは交代要員として試合途中から状況に応じて出場します。
試合時間
野球はサッカーのように所定の時間内に点数を競い合う球技ではなく、攻守を9回ずつ交互に行い勝敗を決めます。基本的に時間制限がありません。
コールドゲーム
条件により、9回未満で試合が終了することもあります。
雨天コールドゲーム
雨や雪、雷などの悪天候、あるいは設備の故障などにより試合続行が不可になった場合、試合が途中で終了することがあります。
得点差によるコールドゲーム
主に学生大会の地区予選で適用されるルール。5回終了以降に10点差がついている場合、もしくは7回終了以降に7点差がついている場合は、その場で試合終了となります。
延長戦
9回までに両チーム点差が同じ場合、勝敗が決まるまで追加のイニングを行います。
延長戦における最大追加回数はそれぞれ異なり、日本プロ野球では12回(12回でも勝敗が付かなければ引き分け)、高校野球では15回(15回でも勝敗が付かなければ後日再試合)、アメリカプロ野球では勝敗が決まるまで繰り返し行うなど、カテゴリーによりルールが異なります。
野球の試合の流れ
攻撃側
攻撃側は、アウトを3回奪われるまで攻撃できます。つまりアウトにならない限り、延々と一方の攻撃が続きます。
打者は投手から球を打ち、一塁から順に本塁へ進みます。走者または打者が一塁から順に各塁を回り、最後に本塁を踏むことで得点が入るルール。バットで球を一定の観客席エリアまで飛ばすことで直接得点が入る「ホームラン」は、花形の得点方法です。
守備側
守備はアウトを3回獲得することで攻守交代ができます。
投手が1人の打者に対し3回ストライクをする事で1アウト獲得できます。他には守備側の選手が打者や走者より先に、球を塁に届けた場合は1アウトになります。
野球のポジション
野球では、攻撃時には打者と走者の2つの役割を9人で順番に回していきますが、守備時にはグランドに9人全員がそれぞれ守備のポジションが割り当てられるのも特徴の一つです。
大きく「投手」「捕手」「内野」「外野」に分けられます。
ここではそれぞれのポジションで異なる役割を、簡単に説明します。
投手(ピッチャー)
投手は打者に向けてボールを投げ、ストライクを獲得することや、バッターが打ちにくいボールを投げることでアウトを狙います。
捕手(キャッチャー)
捕手は投手の投球を受け、打者や走者の動きを見ながら配球指示などを出します。
一塁手(ファースト)
一塁手は一塁ベースを守る内野手で、守備側の他の選手が送球してきたボールを受け取って打者や走者をアウトにします。
二塁手(セカンド)
二塁手は二塁ベース付近を守る内野手で、素早い動きでゴロやライナーを処理し、二塁や一塁に送球してアウトを取ります。
三塁手(サード)
三塁手は三塁ベースを守る内野手で、速い打球やバントを処理する機会が多いです。
遊撃手(ショート)
遊撃手は二塁と三塁の間を守る内野手で、守備範囲が広く、内野の中でも運動量が多いポジションです。
左翼手(レフト)
左翼手は外野の左側を守る外野手で、特に左打者の打球を処理する場面が多いです。
中堅手(センター)
中堅手は外野の中央を守る外野手で、外野の中で最も広い範囲をカバーする重要なポジションです。
右翼手(ライト)
右翼手は外野の右側を守る外野手で、強い肩を持つ選手が担当することが多いポジションです。
ファールゾーンとフェアゾーン
打者が球を打った際には、ヒットになるゾーンとヒットにならないゾーンが存在します。
ファールゾーン
ファールゾーンは、本塁から一塁および三塁に向かって延びる2本の「ファウルライン」の外側に広がるエリアです。打球がファールゾーンに落ちると「ファールボール」となり、打者には1ストライクがカウントされます。
ただし2ストライクがカウントされている打者の場合は、ファールが続いても追加のストライクにはなりません。しかしその場合でも、打球が守備側の選手が空中でキャッチすれば「ファウルフライ」としてアウトになります。
フェアゾーン
フェアゾーンとは、野球のグラウンド内で、打球が有効とされるエリアです。打球がフェアゾーンに落ちると、そのプレーが「フェア」とみなされ、バッターやランナーが塁を進むことが可能になります。
また外野まで飛んで直接フェンス触れた場合もフェアボールとなり、打者や走者が進塁できます。
野球の選手交代ルール
野球の試合では両チーム9人のスタメンの他に交代要員の選手が登録されています。ピンチを打開したいときに堅実な選手を起用したり、得点チャンスで勝負に強い選手を起用したりするなど、交代も野球の戦略であり醍醐味の一つです。
1試合におけるチームの登録人数
どのカテゴリーでも控え要員の最大人数は規則により定められています。日本プロ野球では25名、高校野球は15名となります。
交代できるタイミング
両チームが選手を交代できるタイミングは共通で決められており、試合が中断している(ボールデッド)ときのみ可能です。さまざまなシチュエーションがありますが、特に頻度が高いのは、審判がタイムを宣告した場合や攻守交代時などです。
交代のルール
野球はバスケットボールのように試合中に一度出場した選手を再び試合に出場させることはできません。また投手の場合は交代後の投手は、少なくとも一人の打者に対して投球を完了する必要があります(ヒットまたはアウトになるまで)。
※だだし投球中に怪我をした場合は例外で選手交代が可能になります。
なお日本の野球規則では、怪我などで試合出場可能な選手が9人以下になってしまった場合は「強制敗退」になります。
野球の戦術的なルール
これまでは主にプレイヤー側のルールを紹介してきましたが、ここでは監督が行える権利について説明します。
チャレンジ
チャレンジは日本プロ野球で2018年から実施されたルールで、1試合のうちに2回だけ使えるよう権利が付与されています。監督が審判の判定に申し立てる行為でリプレイ確認がおこなわれます。
抗議
抗議は監督が審判の判定やルール解釈に異議を申し立てる行為で、リプレイによる確認はおこなわれません。抗議は審判の判断を求めるためのもので、ルール違反や解釈の誤りが疑われる場合におこなわれます。
野球における反則行為
野球にはさまざまな反則行為が定められており、反則があった場合にはプレーが無効化されます。
守備妨害
打者がスイングや打撃動作の際に捕手に触れる、または捕手の動きを妨げると「守備妨害」となります。妨害が発生すると、打者は打者はアウトになります。
走塁妨害
走者が故意に守備側の選手を妨害すると、「走塁妨害」となります。守備側の選手が送球や捕球しようとする動作を意図的に妨害した場合に適用され、走者はアウトになります。
ボーク
投手が投球中に不正な動作を行うと「ボーク」が宣告されます。たとえば、セットポジションで停止しなかったり、投球途中で動きを止めたりする行為が該当します。ボークが宣告されると、走者は1つの塁に進むことが許されます。
死球(デッドボール)
投手の投球が打者に直接当たった場合、「デッドボール」として打者は一塁に進むことができます。故意であってもなくても、打者が避けられなかった場合に適用されます。場合によっては警告や退場処分も課せられます。
攻撃妨害
守備側の選手が走塁の進路を妨害する行為を「攻撃妨害」といいます。たとえば、守備に関与していない内野手が走塁の進路に入って進塁を妨害した場合など該当します。
野球観戦はプレーも戦術も見どころ!
野球観戦は、一人ひとりのプレイヤーのバッティングやピッチング、守備なども魅力ですが、全体を通した戦術について語るのも楽しさの一つです。
またピッチ外ではドラフト会議やFA宣言などもあり、どの選手がどのチームに入るのかといったイベントも楽しみになります。
ルールを理解すればもっともっと観戦が面白くなりますので、ぜひ色々と覚えていってください。