欧州サッカーの頂点を決める戦い、それがUEFAチャンピオンズリーグ。欧州各国のトップクラブがしのぎを削り、最高の栄誉を目指して戦います。本記事では、UEFAチャンピオンズリーグの概要や歴史をくわしく解説します。

UEFAチャンピオンズリーグとは?

UEFAチャンピオンズリーグ(UCL)は、欧州サッカー連盟(UEFA)が主催するサッカーにおける世界最高峰の大会です。

UCLは、選手やサッカーファンにとっての夢舞台。欧州のトップリーグを代表するクラブが国の垣根を超えて覇権を争う大会です。

シーズンを通じて繰り広げられるハイレベルな戦いは、世界中のサッカーファンを魅了してやみません。

UEFAチャンピオンズリーグの歴史

UCLは、1955年に「ヨーロピアン・チャンピオン・クラブズ・カップ」という名称でスタートしました。

当初は各国リーグの王者のみが参加できる大会でしたが、1990年代に入ると参加クラブ数と資格が拡大されていきます。

1991-1992シーズンから4クラブ×2グループのリーグ戦が導入され、1992-1993シーズンから大会名がヨーロッパチャンピオンズリーグに変更されました。

大会名が現在のUEFAチャンピオンズリーグに変更されたのは、1996-1997シーズンからです。

UEFAチャンピオンズリーグの基本情報

UEFAチャンピオンズリーグの概要や歴史がわかったところで、ここからはさらに知識を深めていきましょう。

大会のシステム

UCLは、毎年予選が6月頃〜8月頃、本戦は9月から翌年5月頃まで以下のステージ構成で進行します。

  1. 予選…6月〜8月
  2. リーグフェーズ…9月〜12月
  3. ノックアウトフェーズ…2月〜5月

予選|6月〜8月

UCLの予選は、ヨーロッパの中・小規模なリーグの代表チームが、本大会(リーグフェーズ)への出場権を争うステージ。

UEFAランキング中・下位国(スイス、ノルウェー、セルビアなど)の優勝チームが争うチャンピオンズ・パスと、UEFAランキング上位国(イングランド、スイス、ポルトガル)で上位ではあるものの、優勝していないチームが争うリーグ・パスの2つに分かれて行います。

予選はホーム&アウェイ形式なのは共通ですが、各パスでリーグフェーズに進出できるチーム数が異なります。リーグフェーズでは合計4チーム、リーグパスは1チームだけがリーグフェーズに進出できるシステムです。

リーグフェーズ|9月〜12月

リーグフェーズは、2024-25シーズンから導入された新方式。出場36クラブが1つのリーグテーブルで競い合うステージで、各チームが8試合ずつプレーし、順位を決めます。

出場クラブの大半は、主要リーグで好成績をおさめたチーム。UEFAの国別ランキングに応じて、出場枠が決まります。

出場枠
イングランド、スペイン、ドイツ、イタリア各4チームプレミア上位4クラブなど
フランス3チームPSGなど
オランダ、ポルトガルなど2〜3チーム

このように選出されたクラブと、予選から勝ち抜いてきた5つのクラブが戦うのです。

これらのクラブは勝敗で得られた「勝ち点」で、1位〜36位まで順位が決定最後に順位が振り分けられるシステムとなっています。

順位ごとの結果は、下表のとおりです。

順位結果
1〜8位そのまま「ベスト16」進出
9〜24位プレーオフ(1発勝負ではなくホーム&アウェイ)へ
25位以下ここで敗退(大会終了)

ノックアウトフェーズ|2月〜5月

ノックアウトフェーズは予選の上位8位クラブと、ノックアウトフェーズプレーオフで勝利した8クラブの計16クラブが参加します。

準決勝まではホーム&アウェイ方式による2試合を行い、合計得点数の多いチームが次のラウンドに進出する仕組みです。

決勝は1試合のみが行われ、90分間で決着がつかないときは延長戦もしくはPKで勝敗を決めます。

フォーマットの変遷

UCLの大会フォーマットは、時代の流れとともに度々変更されてきました。

2024-25シーズンより出場クラブ数が32から36に拡大しています。

さらに、前シーズンまでのグループステージ・ノックアウトステージ制が廃止され、リーグフェーズ・ノックアウトフェーズプレーオフ制が導入されているのも大きな変更点です。

出場条件

UCLに参加できるのは、UEFAに加盟する各国地域内において前年度リーグ戦の上位クラブです。

出場枠はUEFAランキングのカントリーランキングで決まり、たとえばUEFAランキング1位から5位の国は上位4クラブが出場可能。

さらに、前シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ優勝クラブや前シーズンのUEFAヨーロッパリーグ優勝クラブにも参加資格が与えられています。

優勝するメリット

UCLの優勝は、名誉のみでなく莫大な収入源も手にすることになります。

優勝賞金は2500万ユーロですが、賞金はラウンド進出ごとに加算されるのも、UCLの特徴といえるでしょう。

リーグフェーズで全勝して優勝した場合の総額賞金は、1億1082万ユーロ。さらに、加えて総額8億5300万ユーロが独自のランキングに基づき配分されます。(いずれも2024-2025シーズンの場合)

歴代優勝クラブ

UCLの歴代優勝クラブには、欧州各国の名門クラブがずらりと並びます。

歴代優勝回数の多いクラブベスト5は次のとおりです。

  • レアル・マドリード(スペイン):15回
  • バイエルン・ミュンヘン(ドイツ):11回
  • ACミラン(イタリア):9回
  • マンチェスター・シティ(イングランド):8回
  • パリ・サンジェルマン(フランス):8回

UEFAチャンピオンズリーグとUEFAヨーロッパリーグの違い

チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグはいずれもUEFAが主催する大会ですが、その格や規模には明確な違いがあります。

UEFAチャンピオンズリーグは、UEFAが主催する世界最高峰のクラブサッカートーナメントです。

よって、UEFAチャンピオンズリーグには各国の上位クラブが出場します。

一方のUEFAヨーロッパリーグは、UEFAチャンピオンズリーグの下位大会に位置付けられています。

参加クラブは各国の中位から下位クラブが中心で、UEFAチャンピオンズリーグほどレベルは高くありません。

UEFAチャンピオンズリーグの見どころ

本記事を読んでUCLに関心を持った方のために、見どころを3つのポイントに絞って紹介します。

世界最高峰のクラブが集結する

UCLには、欧州各国を代表するトップクラブが名を連ねます。

レアル・マドリードやバイエルン・ミュンヘンなど、一流クラブ同士の対決はサッカーファンにとって見逃せません。

スター選手たちのパフォーマンス

UCLは、普段は各国でプレーする一流選手たちを一度に見れる豪華な舞台です。

欧州各国のトップクラブに所属する、世界的スター選手たちの華麗なプレーを堪能できるのは大きな魅力といえます。

劇的な試合展開

UCLは劇的な試合展開が生まれるケースが多く、世界中のサッカーファンの心を掴んで離しません。

たとえば、2004-05シーズンの決勝では、リヴァプールがACミランに対して3-0から逆転勝利を収めました。

本試合はリヴァプールのサポーターから、開催地にちなんで「イスタンブールの奇跡」と呼ばれています。

UEFAチャンピオンズリーグは日本でも視聴可能

UEFAチャンピオンズリーグは日本でも視聴できます。

2024-25シーズンの試合をフル視聴できる配信サービスは以下のとおり。

  • ABEMA de WOWSPO
  • WOWOW
  • WOWOWオンデマンド

残念ながら2024-25シーズンの地上波での放送予定はありません。

これらの配信サービスに加入して、ぜひ熱戦を応援してください。

UEFAチャンピオンズリーグは世界最高峰のクラブサッカーリーグ

UEFAチャンピオンズリーグ(UCL)は、世界最高峰のクラブサッカートーナメントです。

サッカーの魅力を凝縮したような試合の数々、スター選手の輝き、そして数えきれないほどのドラマ。

欧州サッカーを深く楽しむためには、本大会を知らずして語ることはできないでしょう。

新フォーマットの導入でさらなる進化を遂げるUCLから、今後も目が離せません。