リーグ・アンとは?

リーグ・アンは1932年に発足したフランスのプロサッカーリーグのトップディビジョン。世界5大リーグのひとつです。
以前は「ディヴィジオン・アン」という名称でしたが、2002−2023シーズンから「リーグ・アン」と改称されました。
2025年現在、リーグ・アンは18クラブで構成されており、パリ・サンジェルマンやASモナコなどの名門クラブが名を連ねています。
フランス代表のスター選手をはじめ各国の選手が活躍するリーグとしても有名です。
リーグ・アンは才能ある若手育成が得意なプロサッカーリーグ
リーグ・アンは、世界的に見てもレベルの高いプロリーグですが、5大リーグの中では評価が低いようです。
その理由は、UEFAチャンピオンズリーグで結果を出せておらず、UEFAリーグランキングで毎年5位……
欧州にはイングランドのプレミアリーグ、スペインのラ・リーガ、イタリアのセリエA、ドイツのブンデスリーガという4つのリーグが存在しますが、この4つをまとめて「欧州4大リーグ」と表現されることもあります。
しかしながら、リーグ・アンが「世界5大リーグ」とされる理由は、以下3つにあります。
- 若手選手の登竜門
- 魅力的なチームと選手たち
- エンターテイメント性の高さ
若手選手の登竜門
リーグ・アンは若手選手の育成に力を入れているリーグで、多くの若手選手がここでキャリアをスタートさせています。
一部のサッカーファンから「才能の温床」とも言われるほどで、フランス国内だけでなくアフリカ諸国などからも才能ある選手が集まっています。世界中の才能がリーグ・アンで経験を積み、世界に羽ばたいていくのです。
たとえば、現在ラ・リーガのレアル・マドリードに所属しているキリアン・ムバッペは、モナコ時代にリーグ・アンでデビュー。その後パリ・サンジェルマンで大活躍しました。
魅力的なチームと選手たち
リーグ・アンには、世界的に有名なクラブが多数存在します。
特に注目すべきは、パリ・サンジェルマン。
パリ・サンジェルマンは、ネイマールやムバッペといったスーパースターを輩出したクラブで、攻撃的なスタイルで知られています。試合で見られる華麗なパスワークやドリブル突破には、サッカーに詳しくなくても魅了されるはず。
ほかにも、オリンピック・マルセイユやオリンピック・リヨン、ASモナコなど、歴史あるクラブが競い合っています。
これらのクラブによって毎試合白熱した戦いが展開されるため、世界のサッカーファンにとっては見逃せないリーグなのです。
エンターテインメント性の高さ
先述のとおり、リーグ・アンの試合は攻撃的で華やかなプレースタイルが特徴です。
試合展開が速く、ゴールラッシュが頻繁に起こるため、サッカーの試合を見慣れていない人でも楽しめるのではないでしょうか。
特にパリ・サンジェルマンなど強豪チーム同士の試合となると、世界的なスター選手同士の白熱したプレーに思わず釘付けになるはず。サッカーにさほど詳しくなくても、一度観戦するとその凄さに圧倒されるでしょう。
リーグ・アンでプレーする日本人選手【2024-2025】

2024-2025シーズン、リーグ・アンでプレーする選手は5名です。
それぞれの選手の経歴やリーグ・アンでの成績を紹介します。
南野拓実|ASモナコ
南野拓実選手はASモナコ所属のミッドフィールダー、フォワード。
セレッソ大阪やプレミアリーグのリヴァプールなどを経て、2022年6月にASモナコに完全移籍しました。
攻撃のキープレイヤーとして期待され、2023-2024シーズンはリーグ戦で9得点6アシストを記録しています。
2024-2025シーズンも活躍を続け、UEFAチャンピオンズリーグで日本人選手歴代最多得点記録(5得点)を樹立しました。
伊東純也|スタッド・ランス
伊東純也選手はスタッド・ランス所属のフォワード。
ヴァンフォーレ甲府や柏レイソルで活躍後、ジュピラー・プロ・リーグのKRCヘンクでプレーしました。
2022年7月にスタッド・ランスに移籍し、リーグ・アンでもスピードを活かしたドリブル突破とアシスト能力で活躍を見せています。
中村敬斗|スタッド・ランス
2023年8月にスタッド・ランスに加入した中村敬斗選手は、日本代表にも選出されている若手フォワードです。
オランダやオーストリアでの経験を活かし、リーグ・アンでも活躍しています。
2024年10月には欧州主要リーグで日本人初の5試合連続ゴールを決め、国内外から大きな注目を集めました。
関根大輝|スタッド・ランス
関根大輝選手はスタッド・ランス所属のディフェンダー。拓殖大学在学中に柏レイソルへの加入が内定し、1年前倒しでプロデビューを果たした注目の若手選手です。
2025年1月にスタッド・ランスへ完全移籍し、パリ・サンジェルマンとの試合で初出場を果たしました。
フィジカルと戦術理解を武器に、今後の活躍が期待されています。
オナイウ阿道|AJオセール
オナイウ阿道選手は、AJオーセル所属のフォワードです。浦和レッズや横浜F・マリノスで経験を積み、2021年7月にトゥールーズFCへと移籍しました。
2023年8月にはAJオセールへと移籍し、リーグ戦15得点を記録。
リーグ・アンでのさらなる活躍が期待されます。
かつてリーグアンでプレーしていた歴代日本人選手

これまで数々の日本人選手がリーグ・アンに挑戦してきました。
続いては、かつてリーグ・アンでプレーしていた歴代日本人選手を紹介します。
廣山望
日本人選手として初めてリーグ・アンに挑戦した廣山望選手は、2003年夏にモンペリエへ加入しました。
開幕戦から4試合連続で出場しましたが、故障をきっかけに定位置を失います。
リーグ・アンでの出場は、リーグ戦7試合、カップ戦1試合の出場にとどまりました。
松井大輔
松井大輔選手は京都パープルサンガで活躍後、2004年9月にル・マンへレンタル移籍しました。
翌年にはル・マンに完全移籍し、2006年1月には日本人初となる月間MVPを受賞。
その後もフランスのクラブを渡り歩き、日本人としてリーグ・アンで成功を収めた選手の1人として知られています。
中田浩二
鹿島アントラーズで中盤を担い、クラブの多くのタイトル獲得に貢献した中田浩二選手。
2005年1月、元日本代表監督のフィリップ・トルシエが監督をしていたマルセイユに加入しました。
移籍当初は出場機会があったものの、次第に出場機会を失い、リーグ・アンでは期待されたほどの結果は残せませんでした。
伊藤翔
伊藤翔選手は高校卒業後、2部リーグのグルノーブル・フット38に加入しました。
日本のクラブを経由せずに直接海外クラブとプロ契約したのは、伊藤選手が初めてのケースです。
在籍中にクラブは1部リーグに昇格しますが、出場機会に恵まれないままフランスを離れました。
稲本潤一
3大会連続でFIFAワールドカップに出場し、2002年大会では2得点を挙げた稲本潤一選手。
ガンバ大阪やプレミアムリーグで活躍後、2009年6月にスタッド・レンヌへ移籍しました。
しかし、出場機会に恵まれず、翌年にJリーグに復帰しました。
昌子源
は鹿島アントラーズで活躍後、2018年12月にトゥールーズFCへ完全移籍しました。
シーズン1年目は活躍を見せますが、翌シーズンからは怪我に悩まされました。
2020年にはJリーグに復帰し、2025年現在はFC町田ゼルビアでプレーしています。
川島永嗣
川島永嗣選手は、日本代表のゴールキーパーとして長年活躍した選手です。
Jリーグやベルギーリーグで活躍後、2016年夏にFCメスへ移籍しました。
当初は第3GKとして加入しましたが、最終的にはチームの第1GKに昇格します。
その後RCストラスブールでもプレーし、リーグ・アンに爪痕を残しました。
酒井宏樹
酒井宏樹選手は柏レイソルやハノーファー96でプレーした後、2016年6月にオリンピック・マルセイユへ移籍しました。
移籍1年目からレギュラーとして起用され、GKを除くクラブ出場時間最多となる35試合(計3012分)に出場。
2016年から2021年まで5年間プレーし、チームの勝利に貢献しました。
長友佑都
長友佑都選手はFC東京で活躍後、セリエAやトルコプロリーグで経験を積みました。
2020年夏にオリンピック・マルセイユへ加入し、約1年間プレーしました。
その後はFC東京に復帰し、2025年現在も現役を続けています。
植田直通
植田直通選手は鹿島アントラーズやサークル・ブルッヘ(ベルギー1部リーグ)で活躍後、2021年1月にニーム・オリンピックへ移籍しました。
しかし、出場機会に恵まれず、2022年11月より鹿島アントラーズに復帰しています。
鈴木唯人
鈴木唯人選手は清水エスパルスでプレーした後、2023年1月にRCストラスブールへ期限付きで移籍しました。
同年7月に清水エスパルスへの復帰が発表されますが、翌月にはデンマーク・スーペルリーガのブレンビーIFへの移籍が公式発表されました。
リーグ・アンで活躍する日本人選手を応援しよう
リーグ・アンは欧州5大リーグの中では評価が低いものの、世界トップクラスのリーグであることは間違いありません。
近年では日本人選手の活躍も増え、今後さらなる飛躍が期待されます。
日本からも彼らの活躍を応援し、リーグ・アンを楽しみましょう。