クライマックスシリーズとは、プロ野球の日本シリーズ出場チームを決めるプレーオフ制度。試合形式やルール、導入の背景から歴代優勝チームまで、2025年最新版の情報をわかりやすく解説します。 本記事では、日本プロ野球におけるクライマックスシリーズの形式やルールを解説します。導入理由や歴代優勝チーム、よくある質問も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

クライマックスシリーズが導入された理由

日本シリーズへの切符をかけた短期決戦で、ドラマチックな展開が多いのもクライマックスシリーズの魅力です。

クライマックスシリーズが導入されるまでの経緯をまとめました。

ペナントレースで日本シリーズへの進出が決まらない理由について、わかりやすく解説しましょう。

 消化試合の削減と興行の活性化

以前はペナントレースで優勝したチームが、日本シリーズに出場していました。しかし、2004年から2006年(3シーズン)に、パ・リーグ(パシフィック・リーグ)でシーズン上位3球団対象のプレーオフ制度を実施することに。

当時の仮称は「ポストシーズンゲーム(PSG)」。リーグ優勝・日本選手権シリーズ進出決定後の消化試合を削減し、観客動員数やテレビ視聴率を向上させることが目的です。

パ・リーグでの成功をうけてセ・リーグにも導入

パ・リーグでポストシーズンゲームが興行的成功を収めたことで、セ・リーグ(セントラル・リーグ)でも正式に導入が決定されました。ファンからの一般公募で決定した「クライマックスシリーズ」に、名称が変更されています。

2004年から2006年までに行われたパ・リーグのポストシーズンゲームは、その結果によりペナントレースの最終順位が決定する形式でした。

しかし、クライマックスシリーズへの変更後は、ペナントレースの順位決定の要素は廃止に。以前と同じように、ペナントレースの順位はペナントレース単体で決定する形式になりました。

クライマックスシリーズまでの流れ

クライマックスシリーズまでの流れと、その後について紹介。日本プロ野球(NPB)におけるシーズンの仕組みを、わかりやすく解説します。

ペナントレース(レギュラーシーズン)

オープン戦後にレギュラーシーズンが開幕。4月~10月まで総当たり形式のリーグ戦(ペナントレース)を行います。2025年度のシーズンにおける試合数は、1球団あたり143試合です。

6月にはペナントレースの一部として、セ・パ交流戦を行います。それぞれのリーグに属しているチームと、1回ずつ総当りする形式です。ペナントレースの勝率により、クライマックスシリーズの出場チームが決定します。

クライマックスシリーズ(ポストシーズン)

10月中旬からポストシーズンが開幕して、クライマックスシリーズが始まります。ペナントレースの勝率をもとに、各リーグそれぞれの上位3チームが対戦する形式です。

クライマックスシリーズの結果から、セ・リーグとパ・リーグの各代表チームが決定。それぞれの優勝チームが、日本シリーズに進出できます。

日本シリーズ

10月下旬~11月上旬から、日本一決定戦である日本シリーズが開幕します。

クライマックスで優勝した、セ・リーグとパ・リーグの各優勝チームが対戦。7試合制で先に4勝したチームが優勝となり、シーズンの日本一が決定します。

野球におけるクライマックスシリーズの形式

ステージ対戦カード試合数勝ち抜け条件開催地
ファーストステージ2位 vs 3位3試合制2勝先取2位チームの本拠地
ファイナルステージ1位 vs 勝者6試合制
(1勝アドバンテージ)
4勝先取1位チームの本拠地

野球のクライマックスシリーズは、2ステージの勝ち抜き制。まずはファーストステージを行い、その次にファイナルステージを行います。

ファーストステージ

ファーストステージでは、各リーグでレギュラーシーズン2位球団VS3位球団で対戦します。2位球団の本拠地で対戦。レギュラーシーズン1位(リーグ優勝)の球団は、ファーストステージには参加しません。

3試合制で先に2勝したほうが勝者となり、ファイナルステージに進出できます。引き分けで同じ勝敗数になったときは、レギュラーシーズン2位の球団を勝者とするルールです。

ファイナルステージ

各リーグのファーストステージ勝者VSレギュラーシーズン1位で対戦。場所は優勝球団の本拠地です。6試合制で、レギュラーシーズン1位の球団に1勝のアドバンテージがつきます。

アドバンテージの1勝を含め、先に4勝した球団が勝者です。クライマックスシリーズ優勝球団として、日本シリーズに進出。引き分けで同じ勝敗数になった場合は、レギュラーシーズン1位の球団が勝者になります。

クライマックスシリーズの主なルール

クライマックスシリーズの基本的なルールを紹介します。試合観戦の予備知識として、延長戦や指名打者などの形式について確認しておきましょう。

延長戦は12回まで

クライマックスシリーズの延長戦は12回までが限度とし、12回が終了しても同点なら引き分けになります。再試合は行いません。

引き分けを除いた勝利数で勝者を決定します。引き分けを除いた勝利数が同じ場合は、レギュラーシーズンで上位だった球団を勝ち抜けとするルールです。

指名打者制(DH制)はパ・リーグのみ

クライマックスシリーズでは、指名打者制はパ・リーグのみ。指名打者制(DH制)とは、ピッチャーの代わりに打席に立つ攻撃専門の選手を指名できる制度のことです。

日本プロ野球ではパ・リーグのみで採用されていて、セ・リーグでは導入されていません(2027シーズンから導入決定)。そのためクライマックスシリーズでは、パ・リーグが全試合で指名打者制を採用し、セ・リーグは9人制で戦います。

中止・ノーゲームは翌日以降

クライマックスシリーズには、予備日が設けられています。悪天候などで中止・ノーゲームになったときは、翌日以降に伸ばすルールです。

予備日を含めて全試合が開催できなかった場合は、打ち切りに。レギュラーシーズンの順位で上位のチームが、勝者になります。

クライマックスシリーズの歴代優勝チーム

クライマックスシリーズの歴代優勝チームを、一覧でまとめました。

セ・リーグパ・リーグ
2015年東京ヤクルトスワローズ福岡ソフトバンクホークス
2016年広島東洋カープ北海道日本ハムファイターズ
2017年横浜DeNAベイスターズ福岡ソフトバンクホークス
2018年広島東洋カープ福岡ソフトバンクホークス
2019年読売ジャイアンツ福岡ソフトバンクホークス
2020年開催中止福岡ソフトバンクホークス
2021年東京ヤクルトスワローズオリックス・バファローズ
2022年東京ヤクルトスワローズオリックス・バファローズ
2023年阪神タイガースオリックス・バファローズ
2024年横浜DeNAベイスターズ福岡ソフトバンクホークス

2007年から始まったクライマックスシリーズにおいて、セ・リーグで一番優勝回数が多いのは読売ジャイアンツの3回(2024年時点)。

パ・リーグでは福岡ソフトバンクホークスの8回です。

クライマックスシリーズについてよくある質問

クライマックスシリーズについて、よくある質問をまとめました。

疑問を解消するために、ぜひ役立ててください。

Q1.クライマックスシリーズ不要論とは?

クライマックスシリーズの結果によっては、レギュラーシーズンでリーグ優勝したチームが日本シリーズに出場できない可能性があります。

リーグ優勝チームへの不利益になり「公平性にかけるのではないか?」との声も。リーグ優勝の価値が低下するとの懸念から、クライマックスシリーズ不要論が唱えられています。

Q2.クライマックスシリーズの大番狂わせは?

2010年の千葉ロッテマリーンズは、レギュラーシーズン3位からのスタートでした。クライマックスシリーズではファーストステージを勝ち上がり、ファイナルステージで1勝3敗の状態から3勝。さらに進出した日本シリーズで、日本一になりました。

Q3.テレビやネットでの中継はある?

クライマックスシリーズは、各ローカル局のテレビ放送を中心に、NHKや無料BS放送で生中継が行われます。球団によっては無料ネット配信も。

楽天TVパ・リーグSpecial(パ・リーグのみ)では、無料でダイジェストが見られます。

有料ではDAZN(全試合配信予定)やU-NEXT(初月無料)、ベースボールLIVE(初月無料)などで配信しています。

クライマックスシリーズを視聴したい場合は、契約を検討しましょう。配信サービスによって視聴できる試合は異なるので、あらかじめ確認しておくと安心です。

クライマックスシリーズの結果を見届けよう

クライマックスシリーズは、リーグ優勝を決めるプレーオフ制度です。各リーグのレギュラーシーズンの上位3チームが、ファーストステージとファイナルステージで戦います。

勝ち抜いたチームは、そのシーズンの日本一を決める日本シリーズに進出。クライマックスシリーズの結果を、野球場やテレビ観戦でぜひ見届けましょう。

ENSPORTS fanでは、野球観戦をたくさんの方々に楽しんでいただくために、観戦マナーや観戦初心者のためのルール解説記事なども公開中。そちらぜひチェックしてみてください。