バスケのファウルとは

ファウルとは、プレーヤー同士での接触によるものや、スポーツマンらしくない言動があった場合の反則のこと。

ファウルは、「パーソナルファウル」と「テクニカルファウル」の2つに分けられます。

パーソナルファウルとテクニカルファウルの違い

  • パーソナルファウル:コート上の選手同士で不当な接触によって起きるファウル
  • テクニカルファウル:身体の接触がない場面で、スポーツマンらしくない言動があった場合のファウル。コート上にいる選手以外にも監督、ベンチに居る選手全員が対象

バスケのファウル11種類を解説

バスケットボールのファウルは、全部で11種類あります。

ファウルの種類によっては、コートでプレーしている選手だけでなく、監督やベンチにいる選手も対象になることも。

ここからはそれぞれのファウルについて、ルールやシチュエーションも交えて解説していきます。

5ファウル

5ファウルとは、1人の選手は5回ファウルをしてはいけないというルール。1試合中に5回ファウルをしてしまった場合は退場となり、その試合には出られなくなります。

個人のファウルは、パーソナルファウルやテクニカルファウルのどちらも加算されるため、できるだけファウルを避けるのが良いでしょう。

しかしあまりにファウルを恐れてしまうと、タイトなディフェンスもできず、オフェンスに抜かれかねません。

ファウルの基準を見極め「このくらいならファウルにならない」というラインを見つけましょう。

チームファウル

チームファウルとは、パーソナルファウルやテクニカルファウルがチームに加算されたファウルのことです。

個人ファウルとは異なり、各クォーターでリセットされるのが特徴。

  • チームファウル4回目まで:シュートモーションでファウルした場合、相手チームにフリースローが与えられる
  • 5回目以降:どんなファウルであっても、相手チームにフリースローが与えられる

ファウルが重なると相手に得点チャンスを与えるだけでなく、ディフェンスでプレッシャーをかける際に接触を気にしなければいけません。

5ファウルでも述べたように、ファウルにならないさじ加減を見つけ出すのが良いでしょう。

チャージング

チャージングとは、オフェンスがボール保持の有無に関係なく、ディフェンスに対して体を当てたり、手で押したりする際にとられるファウル。

ディフェンスが正当な位置で構えているところに、無理に突っ込んでいくとチャージングを取られます。

突っ込むのではなく肩をぶつけるように、身体をずらしてドライブにいきましょう。

ちなみにゴール真下のノーチャージセミサークルエリアでは、オフェンスに対するチャージングは適用されません。

ブロッキング

ブロッキングとは、体を使って相手の進行を邪魔した際に取られるファウル。

このファウルは、ボール保持の有無に関係なく、相手の進行を妨げた際に取られるディフェンス側のファウルです。

相手のシリンダー(プレーヤー自身に権利のある空間)に不当に入ることもブロッキングとみなされます。

ディフェンスする際には、体の真正面でオフェンスを止めましょう。

ホールディング

ホールディングとは、相手の腕を掴んだり、相手を抱き抱える状態になったりする際にとられるファウル。

ボール保持の有無は関係なく、オフェンスを止めようと腰などに手を巻いてしまうと取られます。

まずはオフェンスに抜かれないようなディフェンスをすること、そして抜かれてしまっても手を出さないよう気をつけましょう。

プッシング

プッシングとは、その名の通り「押す」行為に対してとられるファウル。

手や体を使って相手を押したりした場合はもちろん、お腹や肩を使った場合に適用されます。こちらもボール保持の有無は関係ありません。

よくあるシチュエーションとしては、ゴール周辺での激しいポジション取りで多く見られます。

プッシングを取られないためにも、ポジション取りの際はディフェンス同様、重心を低く保つことが大切です。

ダブルファウル

ダブルファウルとは、両チームの選手がほぼ同時にパーソナルファウルをした状態のことです。

ダブルファウルが適用された場合、ボールを保持していたチームから攻撃がスタート。もしボールを持っていない場合は、ポゼッションアローの向きに従います。

また個人のファウルとしてはカウントされますが、フリースローの権利はどちらにも与えられません。

しかしダブルファウルと判断された瞬間にシュートが入れば、得点は有効になり、シュートを入れられたチームのスローインからゲームが再開されます。

アンスポーツマンライクファウル

アンスポーツマンライクファウルとは、相手が怪我をしかねないファウルや、悪質なファウルのこと。省略して、「アンスポ」とも呼ばれます。

アンスポーツマンライフファウルをとられてしまった場合は、相手チームにフリースローとスローインの権利が与えられます。

アンスポと判断されやすいのは、オフェンスが攻めようとした際、故意に腕を掴んでしまう場面。

オフェンスが攻めると思ったら、相手を掴んだりぶつかったりせずに、ディフェンスをしましょう。

さらにアンスポーツマンライクファウルを2回取られた選手は、5ファウルにかかわらず退場になるため、注意が必要です。

ディスクォリファイングファウル

ディスクォリファイングファウルとは、最も悪質でスポーツマンらしくない行為に対して適用されるファウル。

たとえば、審判に対する攻撃的な抗議や暴言など、アンスポーツマンライクファウルよりも悪質と判断された場合に取られます。

ディスクォリファイングファウルと判断された場合、失格および退場となり、試合が終わるまではロッカールームや建物から立ち去らなければいけません。

コート上の選手だけでなく、監督やベンチにいる選手にも適用されるルールのため、相手や審判などへの苛立ちや不満などは決して他人にぶつけないようにしてください。

イリーガルスクリーン

イリーガルスクリーンとは、スクリーンをした際、足や上半身が動いてしまい、正しくスクリーンをかけられなかった場合のファウル。

スクリーンをかけようとしたもののうまく行かず、スクリーンにかかるように上半身をずらしてしまうと取られます。

スクリーンをかける際は、胸の前で腕をクロスしたり、下腹部の前で両手を握って立たったり、最初の位置から体を動かさないようにしましょう。

審判に対して、「手は使っていない」「上半身はぶれていない」とアピールするためにも、上記のような上半身の使い方を覚えておいてください。

イリーガルユーズオブハンズ

イリーガルユーズオブハンズとは、相手を手で叩いたり、掴んだりした際に取られるファウル。手で叩く行為のことを、別名「ハッキング」とも呼んでいます。

イリーガルユーズオブハンズは、プレーヤーがボール保持をしていないところで、相手のユニフォームを引っ張るなどの行為をした場合に取られます。

リバウンドの瞬間にユニフォームを引っ張る選手も見かけますが、反則を取られるばかりか相手に不快な思いをさせてしまうため、このような行為は行わないようにしましょう。

ファウルと合わせて覚えておきたいルール

ここからはファウル以外のルールについて、紹介していきます。

現役プレイヤーのみならず、バスケ観戦が好きな方も覚えておくと役立つ知識のため、ぜひ参考にしてください。

バイオレーション

バイオレーションとは、ファウル以外の反則ルールのこと。

チームに与えられた時間に超過したり、ラインから出てしまったりした場合などが挙げられます。

たとえば、ダブルドリブルやトラベリングなどがバイオレーションの一部です。

ヘルドボール

ヘルドボールとは、両チームの選手がボールを取り合う状態になり、どちらのボールでもない状態のこと。

ヘルドボールとジャッジされ試合が中断した場合、ポゼッションアローの向きによってゲームが再開されます。

このポゼッションアローはヘルドボールのたび、向きが変わる仕組みになっています。

タイムアウト

タイムアウトとは、試合を中断してベンチに戻り、作戦を伝えたり選手を休憩させるための時間のこと。

前半(第1・2クォーター)で2回、後半(第3・4クォーター)で3回、計5回が各チームに与えられています。

前半に使いきれなかったタイムアウトは、後半へ持ち越せないため、計画的に使うようにしましょう。

ちなみに延長戦になった場合のタイムアウトは、各チーム1回ずつ与えられています。

ゼロステップ

ゼロステップは、「ボールをキャッチするのと同時に踏んだ足を0歩目として数える」というルール。

ボール保持と同時に足を地面につけば、その足は0歩目となり、そこからさらに2歩歩けるようになっています。

JBA(日本バスケットボール協会)で、2018年4月よりトラベリングのルールが改正され、ゼロステップが新たに追加されました。

バスケのファウルまとめ

今回は、バスケットボールのファウルについて紹介しました。ファウルを簡単にまとめると、以下の通りです。

  • パーソナルファウル:コート上の選手同士で不当な接触によって起きるファウル
  • テクニカルファウル:スポーツマンらしくない言動があった場合、コート上の選手や監督、ベンチにいる選手も対象のファウル

バスケットボールにはファウル以外にも、多くのルールが存在しています。

バスケットボールのルールを覚えておくことで、実践や試合観戦時にも役立ちますので、ぜひ理解を深めて、バスケットボールを楽しみましょう。