この記事では、バスケットボールコートの各ライン・エリアの構造と役割を、観戦初心者向けに図解でわかりやすく解説しています。観戦に足を運ぶ前に、ぜひご一読ください。

バスケットボールのコートとは

バスケットボールのコートは「バスケコート」と呼ばれることもありますが、正式名称は「プレーイングコート」です。

オリンピックやワールドカップなどの国際試合やBリーグで使用するコートはFIBA(国際バスケットボール連盟)の規定に沿ったもの、NBA(北米の男子バスケットボールリーグ)では独自の規定に従って設計されたものを使用します。

まずは、バスケットボールのコートとはどういったものなのか、特徴をチェックしていきましょう。

完全な左右対称の設計になっている

ほかの競技のフィールドやコートも左右対称ではありますが、バスケのコートは「物理的に完全対称」が前提。

バスケのコートは、障害物のない水平で硬い表面にバスケットゴールが2つ設置されています。水平かつ左右対称にすることで攻守の切り替えが素早く行えるため、スピード感あるプレーができるのです。

また、左右対称であることで前半と後半で攻守交代して試合の公平性も維持できます。

ユニバーサルデザインを取り入れている

バスケのコートは、フロアの素材も日々進化しています。

反射を抑えたマット仕様のウッドコートやガラスLED床の導入によって、観戦していても「誰が・どこで・何をしているか」が非常にわかりやすくなりました。

車いすが滑りづらいコーティング剤を使用する、エリアごとに色分けして視認性を高めるなど、他の球技と比較してユニバーサルデザインが積極的に取り入れられる点も、バスケットボールのコートの特徴といえるでしょう。

バスケではコートを半分にわけて考える

バスケットボールでは、コートを半分に分けて考えます。

フロントコートとバックコートの覚えておくことで、試合展開が分かりやすくなるはず。

この章では、バスケのフロントコートとバックコートの違いを解説します。

フロントコート

バスケ フロントコート

フロントコートは、攻撃チームが攻めるコートの半面を指します。つまり、自分たちが攻めるゴールがある側です。

センターラインを越えた側は、オフェンスが展開される主戦場。24秒以内に攻撃を完了させなければならないため、スピーディな展開が求められます。

バックコート

バスケ バックコート

バックコートは、守備側チームのゴールがある側。守っている側のコートです。

または攻撃チームがボールを持った状態でまだセンターラインを越えていない側を指し、センターラインもバックコートに含まれます。

攻撃チームが一度フロントコートに進んだ後にバックコートにボールを戻すと、バックコートバイオレーションとなり反則です。

バスケコートの「ライン」とは?

バスケットボールコートには、幅5cmのラインが複数引かれており、これが境界線やルールの基準となります。

しかし、ただ観戦しているだけでは、なんのために引かれた線なのか分からないでしょう。

ここでは、より興味深くバスケを観戦するために、バスケットボールコートにおける各ラインの名称と役割を解説します。

エンドライン

バスケ エンドライン

エンドラインは、コートの短辺(ゴール裏側)に引かれたラインで、長さは15m。

ゴールの裏側にあるこのエンドラインは、攻防の境界として非常に重要です。

エンドラインを越えるとアウト・オブ・バウンズ(コート外)となり、相手チームのスローインで試合が再開されます。

サイドライン

サイドラインはコートの長辺に引かれる線で、長さは28m。

エンドラインと同様に、サイドラインを越えたボールはアウトとなります。

選手がラインを踏んだり越えたりしてボールを扱った場合も反則となるため、注意が必要です。

チーム関係者はサイドラインから2m以上離れなくてはいけません。

センターライン

バスケ センターライン

センターラインはコートの中央を横断するラインで、長さは15m。

センターラインは、攻守の切り替えに関わる重要な基準となり、24秒ルールや8秒ルールにも影響します。

たとえば、攻撃側チームは8秒以内にセンターラインを越えてフロントコートにボールを運ばなくてはなりません。

フリースローライン

バスケ フリースローライン

フリースローラインは、リングから4.2mの距離に引かれたライン。

ゴールから4.225m離れた位置にあり、フリースローの際に選手が立つ位置を示します。

フリースローを与えられた選手は、審判からボールをもらって5秒以内にシュートを打たなくてはなりません。

なお、ミニバスの場合のフリースローラインは3.6mに設定されています。

スリーポイントライン

バスケ フリースローライン

スリーポイントラインは、ゴールから一定距離を空けて描かれた弧状のライン。

スリーポイントラインの外側から成功したシュートは3点としてカウントされます。

FIBAとNBAではスリーポイントラインのゴールからの距離に違いがあり、FIBAでは6.75m、NBAでは7.24mです。

バスケコートの「エリア」とは?

バスケットボールのコートにおける「エリア」とは、ルール上の機能や役割が決まっている場所のこと。

コートに線が引かれていたり、色分けがされていたりするため、観戦時に明確にわかるように配慮されています。

この章では、バスケットボールのコートのエリアについて解説します。

ペイントエリア(制限区域)

バスケ ペイントエリア

ペイントエリア(制限区域)は、ゴール下にある長方形のゾーンで、フィジカルな攻防が繰り広げられる重要なエリアです。

オフェンスのプレーヤーが制限区域に3秒以上とどまることはできません。この3秒ルールを違反することはバイオレーションにあたります。

NBAでは、ディフェンスプレーヤーにもディフェンス3秒ルールがあります。

センターサークル

センターサークルは、センターラインと2つのゴールを結ぶ線の交わる点を中心に描かれた円のこと。

直径は3.6mで、試合開始時のジャンプボールが行われる場所です。

ゲーム開始時のジャンプボールの際にサークル内に立つのは各チーム1人ずつのみ。他の選手は円の外側でスタートを待機します。

ノーチャージセミサークルエリア

ノーチャージ・セミサークル・エリアは、主にゴール下に描かれている半円のこと。

ゴールの真下、ペイントエリア(制限区域)の中に、リングの中心から半径1.25メートル(FIBAルールの場合)の半円が床に描かれています。

このゴール下の半円の中では、ディフェンスはオフェンスにぶつかられてもチャージングをもらえません。

バスケのリーグと年齢によるコートの違い

バスケットボールコートのサイズは、カテゴリによって多少異なります。

ここでは、通常、ミニバスケ、中学校バスケの3つに分けてバスケットボールコートのサイズを解説します。

FIBA|国際大会や高校・大学・中学バスケの基準サイズ

バスケットボールの公式コートサイズは、FIBA規格において縦28m、横15m。

コートには5cm幅の白いラインが引かれており、コートの大きさはラインの内側で計測されます。

上記サイズは国際大会や高校・大学バスケの試合でも共通です。

中学バスケのコートサイズもFIBA規格に準ずるものとなっていますが、中学校の体育館の構造や設計により十分な広さが確保できないケースもあります。

NBA|FIBAよりやや大きめ

NBAの公式サイズは縦28.65m、横15.24mとFIBAよりやや大きめとなっています。

素人からするとほんの僅かな差ではありますが、NBAの選手が国際大会に出ると「狭く感じてプレーしづらい」と感想を述べたこともあります。

一方で、FIBAのコートサイズに慣れた選手がNBAに挑戦すると、距離やスペースの広さ、守備の間合いの違いに戸惑うこともあるそうです。

ミニバスケ|子どもの体格にあったサイズ

小学生向けのミニバスケットボール(ミニバス)では、コートのサイズも子どもに合わせて縮小されます。

ミニバスのコートサイズは縦22m〜28m、横12m〜15mが標準です。

また、ゴールの高さは通常の305cmから260cmに下げられ、小学生でも無理なくシュートができるよう工夫されています。

3✕3|FIBAフルコートの半分+α

3×3のコートサイズは、FIBAフルコートの正確な半分ではありません。

FIBAの公式ルールでは縦15m 、横11mがと横幅は少し狭め。

また、ハーフコートを使用するためゴールは1つ、スリーポイントラインは「2点ライン」になります。

車いすバスケ|通常のバスケと同じ

車いすバスケのコートは、通常のバスケとまったく同じサイズです。

車いすを使用したプレーであること、そして選手の動き方やスペースの使い方が異なるため、観戦していると通常のバスケよりコートが狭く感じるかもしれません。

ちなみにゴールの高さも通常のバスケと一緒。そのため通常のバスケより3ポイントシュートが特に難しいと言われています。

バスケットボールコートに関するよくある質問

最後に、バスケットボールコートに関するよくある質問に回答します。

Q1.FIBAとNBAのコートでサイズが違う部分は他にもある?

A.スリーポイントラインの距離やフリースローサークルのサイズにも差があります。

国際大会とNBAではプレイの感覚が異なるため、選手はそれぞれの環境に適応しなくてはいけません。

Q2,スリーポイントラインの距離はどれくらい?

A.FIBAでは6.75m、NBAでは7.24mと規定されています。

国際大会や日本のBリーグはFIBAルールが採用されているため、6.75メートルが基準です。

Q3.バスケットボールのコートネームって何?

A.コート内で選手同士が呼び合う愛称です。

これは日本女子チーム特有の文化で、海外や男子チームではほぼ見られません。

コートネームの由来はさまざまで、本名やプレースタイルなどから付けるケースが多いようです。

バスケットコートに関する知識を深めよう

バスケットボールコートのサイズは、FIBA規格において縦28m、横15mです。

コートに引かれたライン1本1本に意味があり、エリアごとに異なる役割があることで、スピーディで戦略的なバスケットボールが成立しています。

コートの基本構造を理解すると、試合をより深く楽しめるはずです。

バスケ観戦初心者の方も、まずはコートの基礎から知識を深めてみてはいかがでしょうか。

また、ENSPORTS fanではバスケットボールの基本ルール観戦マナーについての記事も公開中。そちらもあわせてチェックしてみてください。