サッカー観戦では、サポーターもユニフォームを着用することがあります。選手と同じユニフォームを着用して応援すれば、一体感を味わえるはずです。 本記事では、サッカー観戦用のユニフォームの種類を紹介します。サッカーチームのカッコいいユニフォームやよくあるQ&Aとあわせてまとめたので、ぜひ参考にしてください。

サッカーのユニフォームはチームの「顔」

サッカーユニフォームとは、選手が試合時に着用する公式なウェアのこと。チームの象徴であり、単なる着衣ではありません。

戦術やルールにも影響するだけでなく、サポーターとの絆を表す重要な要素でもあります。

まず最初に、サッカーのユニフォームに関する基礎知識をチェックしていきましょう。

ユニフォームは3つの着衣で構成されている

サッカーでのユニフォームを次の3つで構成すると定めています。

  • シャツ(上着)
  • パンツ(短パン)
  • ソックス(靴下)

これに背番号や選手名、スポンサーロゴ、国やクラブのエンブレムなどをデザインすることで、チームや選手の個性と機能が両立したデザインとなっています。

ユニフォームはシャツだけを購入して着用する人が多いのですが、実は一般人も各メーカーや各チームの公式サイトからフルセットで購入可能。推しの選手のユニフォーム一式を買い揃えると、より一層観戦に熱が入ることでしょう。

選手が着用するユニフォームは3種類ある

サッカー選手が着用するユニフォームには、以下の3種類があります。

  • ホームユニフォーム:チームの伝統カラー。ホームゲームで着用
  • アウェイユニフォーム:対戦相手との色被りを回避するための第2カラー。アウェイゲームで着用
  • サードユニフォーム:特別なケースで着用

サードユニフォームは、ホームとアウェイの補助的な意味合いがあり、特別な試合やイベントの際に作成されることも。その際には、公式ショップなどでの限定販売もあります。

サッカーのユニフォームの歴史

先述の通り、サッカーのユニフォームは「チームの顔」です。ではいつからチームの顔として定着したのでしょうか?

この章ではユニフォームの始まりとその歴史をご紹介します。

19世紀、区別するための目印として誕生

19世紀、サッカーのルールが整理され始めたころ、まだユニフォームは統一されておらず、普通のシャツやズボンでプレーされていました。

しかし、だんだんとチーム対抗の試合が増えてくると「誰がどのチームなのか一目でわからないと困る!」という状況に……。

そこで、それぞれのチームが同じ色やデザインのシャツを着用するようになったのが、ユニフォームの始まりと言われています。

背番号の誕生は20世紀

今では当たり前の「背番号」も、最初からあったわけではありません。

背番号は、試合を観る人が選手を見分ける工夫として、1930年代ごろから本格的に導入されたといわれています。

背番号が誕生した当時は「1番がキーパー」「9番がエース」など、ポジションごとに番号が決められていたそうです。

現在のユニフォームは「チームの誇り」

時代が進むにつれ、チームカラーやロゴが入るようになり、ユニフォームは選手やサポーターにとって「チームらしさ」を象徴するアイテムになっていきます。

たとえば、日本代表の「サムライブルー」は、勝負強さと冷静さの象徴。FCバルセロナの赤×青の縦縞は、クラブの伝統そのもの。マンチェスター・ユナイテッドの赤いシャツは“赤い悪魔”の象徴です。

現在ユニフォームはただの着衣ではなく「どんなチームか」「どんな歴史を歩んできたか」を語るストーリーにもなっています。だからこそ、ファンは毎年発表される新しいユニフォームを楽しみにしていますし、観戦に行くときにそれを着て“チームの一員”として応援する気持ちになれるのです。

「そんな意味があるの?」と思った方も、ユニフォームを1枚持ってみると、その特別さがきっとわかってくるのではないでしょうか。

サッカー観戦用のユニフォームを選ぶポイント

サッカーを観戦する際は、応援するクラブのユニフォームを着用するのもいいでしょう。

サポーターや観客がおそろいのユニフォームを着ることで、周囲との一体感や連帯感が生まれます。

また、自分が応援しているクラブの”戦闘服”を身につけることで、自宅での観戦であっても応援のモチベーショも高まります。

この章では、サッカー観戦用のユニフォームの選び方を解説します。ぜひ購入前の参考にしてみてください。

目的にあった種類を選ぶ

種類特徴
オーセンティック・選手とほとんど同じ仕様
・機能性重視で価格は高め
・生地がデリケートなので、手入れにも注意
レプリカ・公式メーカー製造
・素材が簡略化されており価格もリーズナブル
・耐久性が高く、手入れがしやすい
コンフィットシャツ・ユニフォームのデザインを模したTシャツ
・レプリカよりさらに安価
・普段づかいもしやすい

観戦用のユニフォームは、上表の3種類あります。それぞれ特性や価格帯がことなるため、自分の目的にあったものを購入しましょう。

オーセンティックは選手が着用するものとほぼ同じ仕様です。推しの選手との一体感を味わいたい人におすすめします。

レプリカは、オーセンティックより安価ですが、耐久性に優れています。洗濯もしやすいため、スタジアムに頻繁に足を運ぶ人におすすめです。

サッカー観戦初心者は、まずはコンフィットシャツから購入するといいでしょう。親子や友達同士のリンクコーデもしやすいため、SNSの投稿や思い出づくりにも最適です。

応援したいチームや選手のユニフォームを選ぶ

お気に入りのチームや選手のものを選ぶといいでしょう。

応援している選手がいない場合や移籍の可能性を考えている場合は、背番号がないものを選ぶのがおすすめ。

また、サポーター用の番号である12番を選ぶという手もあります。

ゆったりめのサイズを選ぶ

ユニフォームを購入する際は、普段着よりもワンサイズ大きいものがおすすめです。

夏はゆったりと着用することで風通しが良くなります。そして、冬は下に長袖インナーなど重ね着しやすいでしょう。

また、製造メーカーによってサイズが異なる場合があるため、慎重に選びたいのであれば、公式ショップで直接手にとって選ぶといいかもしれません。

海外・日本国内の人気チームのユニフォームとは

日本国内と海外のクラブチームのユニフォームのデザインの特徴をご紹介します。

Jリーグ

日本のクラブのなかでもカッコいいと人気の高いユニフォームをまとめてご紹介します。

今回ご紹介するのは、2025年のユニフォームデザイン。その年度によって異なるデザインが発表されますので、ぜひお気に入りの一枚を見つけてみてください。

鹿島アントラーズ

ホームタウン茨城県/鹿嶋市・潮来市・神栖市・行方市・鉾田市
クラブカラーディープレッド
エンブレム鹿の枝角

ディープレッドにダークネイビー、さらに差し色にチャレンジレッドを取り入れた、ダイナミックかつアグレッシブなデザインが特徴です。

シャツとショーツのサイドパネルの切り込みは、一体感と連動性を表しています。

FC東京

ホームタウン東京都
クラブカラーブルー&レッド
エンブレム継承と革新

ナイトゲームのときに印象に残る花火をモチーフとした、ユニフォームです。

深いブルーを基調として、センターのストライプを赤いポイントでデザイン。襟や袖には夜をイメージさせる黒い縁取りが施されています。

川崎フロンターレ

ホームタウン神奈川県/川崎市
クラブカラーサックスブルー&ブラック&ホワイト
エンブレムイルカ&つつじ

チームカラーのブルーとブラックをメインに配色しています。

川崎市のクラブゆかりの場所の座標コードを使い、トーナルカラーのストライプ柄に。ホームタウンとのつながりを、レトロクラシックに表現しています。

海外人気チームのユニフォーム

次は、海外のサッカーチームのユニフォームにも注目してみまましょう。

海外チームのユニフォームは、ストリートファッションとしても人気が高いです。個性的かつおしゃれなデザインをぜひチェックしてみてください。

パリ・サンジェルマンFC

ホームタウンフランス/パリ
クラブカラーネイビー&レッド
エンブレムエッフェル塔&フルール・ド・リス

クラブの会長を務めたファッションデザイナーが考案した、通称ヘクターストライプを採用。

紺色を基調としていて、太い赤ストライプが中央に通っています。パリ・サンジェルマンFCを象徴する王道のデザインです。

レアル・マドリード

ホームタウンスペイン/マドリード
クラブカラーホワイト&ネイビー
エンブレム王冠&斜めのたすき

白い巨人と呼ばれるレアル・マドリードを象徴する、純白のユニフォームが特徴です。

クラブの伝統と新時代の到来を象徴。シンプルかつ上品なデザインは、高いファッション性を感じられます。

ドルトムント

ホームタウンドイツ/ドルトムント
クラブカラーブラック&イエロー
エンブレムBVB(球技・クラブ・プロイセン)

クラブカラーである黒と黄色が鮮やかなユニフォームです。ピンストライプのデザインと組み合わせて、過去から未来に続くドルトムントの歴史を表現しています。

選手とサポーターによって形作られた文化を感じられるはずです。

サッカーのユニフォームに関するルール

この章では、サッカーのユニフォームに関する、規定やルールをまとめてご紹介します。

これらのルールと照らし合わせてユニフォームをチェックしてみると、よりサッカー観戦が楽しめるかもしれません。

デザインに関する決まりがある

JFA(日本サッカー協会)では、サッカーのユニフォームデザインに関する規定を以下のように定めています。

  • 審判員と明確に判別できるものにする(黒色、濃い色禁止)
  • シャツの前面と背面のメインカラーを統一する
  • チーム名、エンブレム、選手番号などの位置や大きさ、レイアウトを守る
  • 広告を提示する場合は申請と承認を必要とする
  • 政治的・宗教的・個人的なメッセージは表示できない

これらの規定を守らなければ、試合を行うことができません。

また海外では、ユニフォームのデザインに関する独自規定を設けているリーグもあります。

代表的なものとしては、イタリアのセリエA。テレビ放送でデジタル広告を移したとき、グラフィックが歪むとの理由から、放送局の意向で緑色のユニフォームを禁止しています。

ゴールキーパーのユニフォームには独自ルールがある

サッカーでは、ゴールキーパーとフィールドプレーヤーのユニフォームの色がはっきり区別されていなければなりません。これは、日本国内でも国際基準に準じて厳格に定められています。

JFAの規定によると、ゴールキーパーのユニフォームは「両チームのフィールドプレーヤー、相手のゴールキーパー、そして審判員とも明確に異なる色でなければならない」とされています。

このルールによって、プレー中に誰がどのポジションの選手なのかを瞬時に判断しやすくなっているのです。

GKは手を使える唯一のポジションですので、視覚的に他の選手と明確に区別される必要があります。

もしユニフォームの色が重複してしまった場合、ゴールキーパーがビブスや異なるシャツを着用することで調整し対処するのが一般的です。

サッカー観戦のユニフォームに関するQ&A

サッカー観戦のユニフォームに関する、よくある質問をまとめました。サッカー観戦の前に、疑問を解消しておきましょう。

Q1.なぜ選手同士でユニフォームを交換するの?

A.お互いの健闘を称えて感謝の気持ちを伝えるためです。

1931年のフランスvsイングランドの試合で、フランス側の選手がイングランド選手のユニフォームを欲しがったことが起源とされます。

ユニフォームの交換は、試合後のフィールドや控室で行われるのが一般的。なかには、交換したユニフォームをコレクションしている選手もいます。

Q2.なぜユニフォームのデザインが頻繁に変わるの?

A.1年に1回デザイン変更がある理由は、3つあります。

まずはマーケティングの一環として1年に1回のデザイン変更が慣例化されていること。ファンに向けた話題作りのために、1年に1回デザインの見直しが行われています。

また、ユニフォームにプリントされるスポンサー企業の変更に伴って、デザインも調整されることが多いです。

そして、吸汗速乾性の向上、通気性や軽量化、環境に配慮したリサイクル素材の使用など、スポーツウェアの進化は日進月歩。デザインだけでなく、選手のパフォーマンスをサポートするための技術進化もこめられています。

Q3.前シーズンのユニフォームを着てスタジアムに行ってもいい?

A.前シーズンのユニフォームを着用しても問題ありません。

もっと古いデザインのユニフォームを着用してもよいので、いちいち買い替えなくてもOKです。

あなたのお気に入りの一枚を着ていきましょう。

Q4.ユニフォームを着ていかなければダメ?

A.ユニフォームを着用する必要はないため、普段着のままでOKです。

チームの色をファッションに取り入れるだけでも、一体感を味わえます。ただし、敵チームのクラブカラーは歓迎されないため、なるべく避けてください。

サッカー観戦では各チームのユニフォームにも注目しよう

サッカーのユニフォームはおしゃれなデザインが多く、見どころの一つといえます。シーズンごとの変更やそれぞれの選手の着こなしに注目すれば、サッカー観戦がより楽しめるはずです。

さらにユニフォームを着用して応援すれば、選手や周りのサポーターとの一体感を味わえます。同行者と一緒に応援しているチームのユニフォームを着て、スタジアムに足を運んでみてはいかがでしょうか。

また、ENSPORTS fanではサッカー観戦初心者のために観戦時の季節や天候にあわせた服装全般を解説している記事やサッカーの基本的なルールを解説している記事も公開中。そちらもぜひご一読を。