バスケットボールの選手交代に関するルールとは

一般的なバスケットボールの試合では、各チーム5人のメンバーがコート上でプレーします。
1試合につき選手交代は何人まで可能なのか、また選手交代に関する基本ルールを解説します。
何人でも交代可能
バスケットボールでは、交代できる選手の人数や回数に制限はありません。
試合中に何回でも交代が可能であり、同じ選手が何度もコートを出たり入ったりできます。
極端な話をすると、コート上にいる5人の選手を一気に交代させることも可能です。
サッカーのように交代枠を設けず自由に交代できる理由のひとつに、プレー人数が少なさが挙げられます。
一般的なバスケットボールの試合では、各チーム5人しかコートに立てません。一人ひとりに異なるポジションが振り分けられており役割分担が明確なため、選手が1人でも欠けると、試合に大きな影響が出てしまいます。
また、バスケットボールは激しい運動量やプレー時間の短さも、無制限に交代できる理由のひとつ。選手の体力を温存し、戦略的に試合を進めるためにも交代は積極的に活用されます。
試合進行が止まったタイミングで交代する
バスケットボールは交代が自由なスポーツですが、いつでも好きなタイミングで交代できるわけではありません。
選手交代は、原則として試合の流れが止まったタイミング(死球時)にのみ許可されます。具体的には次のような場面で選手交代を行います。
- ハーフタイムや各クォーターの間(インターバル)
- ボールが外に出てタイマーが止まったとき
- ファウルによってタイマーが止まったとき
- タイムアウト時
- 負傷者が出たとき
たとえば、Bリーグ(日本のプロリーグ)では、試合を1Q(クォーター)10分間として4回行います。
1Qと2Q、3Qと4Qの間には2分間のインターバル、2Qと3Qの間には15〜20分のハーフタイムが設定されており、これが選手交代に最適なタイミングです。
ハーフタイムやインターバル時はもちろん、それ以外でもタイムアウト時やタイマーが止ったタイミングで選手交代が可能です。
交代はプレーヤー自身が伝える
タイムアウトやハーフタイムを除くタイミングで交代を申し出る場合、交代要員は自分がゲームに加わることをTO(テーブルオフィシャルズ)に伝えます。
TOとは、バスケットボールの試合において審判員を補佐する係員のこと。具体的には、タイマーで時間を計ったり得点やファウルを記録する仕事を担っています。
交代要員は、TOに向かって体の前で腕をクロスさせる交代のジェスチャー、もしくは、オフィシャルズテーブルにて口頭ではっきりと交代の旨を伝えます。
選手が直接TOに伝えることが原則ですので、選手の代わりにコーチが交代を伝えることはできません。
フリースローのシューターが交代する際のルール

バスケットボールの試合では、まれにフリースローの局面でシューターが交代することがあります。
フリースローとは、相手チームに反則があった際に相手に邪魔されることなく打てるシュート。ペナルティーの種類によって、1投から3投までの間でフリースローが与えられます。
フリースローのシューターは原則として交代できませんが、以下の場合は審判の判断によって交代可能です。
- 5個目のファウルを宣告されたとき
- 失格や退場になったとき
- 怪我をしたとき
つまりフリースローシューターの交代は、その選手が打てない特別な理由があるときだけ。
代わりに打つ選手は、フリースローを得るきっかけとなったファウルがあった時点にコートにいた選手の中から選びます。コーチの指示で決定する場合が多いです。
フリースローの最後の1本前には、シューター以外の選手であれば交代可能。
最後の1本が終わって試合再開前、フリースローが終わった直後のタイミングであれば、シューターをつとめた選手も選手交代できるようになります。この瞬間の選手交代は、戦術として実施されることが多いです。
年齢とリーグによる選手交代ルールの違い

バスケットボールは国や団体によってルールが異なる部分もありますが、選手交代に関しては共通。人数も回数も無制限です。
ただし、ロースター(登録可能選手)やベンチ入り可能な人数には、多少の違いがあります。
中学生バスケ | 高校生バスケ | Bリーグ | NBA | |
コート上の人数 | 5人 | 5人 | 5人 | 5人 |
ロースター(登録可能選手) | 15人 | 15人 | 13人 | 15人 |
ベンチ入り人数(試合出場可能選手) | 10人 | 12人 | 13人 | 13人 |
上記のようにベンチ入り人数が異なるため、交代人数や交代のタイミングに多少の違いが出ることも。
交代する人数は、どのカテゴリやリーグでも1試合につき5〜7人程度が交代するケースが多いようです。
なお、小学生がプレーするミニバスケットは、選手のプレイ機会を増やす目的で1チーム8人以上の選手が出場しなくてはいけないルール。そのため、選手交代はもっと頻繁に行われます。
バスケの選手交代に関するQ&A

最後に、バスケットボールの選手交代に関するよくある質問に回答します。
Q1.なぜ交代した選手がすぐ戻ってくることがあるの?
A.体力温存やファウルトラブルの回避を目的とした交代だったためです。
バスケットボールの選手交代は無制限でおこなえるため、その局面が回避できたらすぐコートに戻ってくるケースも少なくありません。
バスケットボールの試合ではよく見られる光景なのですが、交代回数に制限のあるサッカーやラグビーに慣れていると驚く光景かもしれません。
Q2.タイムアウト中に選手交代できる?
A.タイムアウト中にも選手交代は可能です。
タイムアウトは作戦指示や選手の状態確認のための時間ですが、選手交代も認められています。
選手を入れ替えて流れを変えるために、タイムアウト明けの選手交代が行われることはよくあります。
Q3.怪我や退場で交代選手がおらず、5人未満になってしまったら?
A.4人以下になっても試合続行は可能ですが、相手チームの同意が必要です。
怪我や退場により交代できる選手がおらず、コート上に立てる選手が5人未満になってしまう可能性はゼロではありません。
そのため、いくらバスケットボールの選手交代が無制限といっても、監督やコーチは各選手のコンディションを考慮してベンチ入りリストを考えています。
ちなみに、コート上に立てる選手が2人以下になった場合は没収試合となります。
バスケの交代ルールがわかると、観戦がもっと楽しくなる
バスケットボールは選手交代が自由で、試合中に何人でも選手を入れ替えられます。
選手交代が自由な主な理由は、競技時間が短く、ハードなプレーを要求されるためです。
柔軟に選手を入れ替えることで、選手の体力を温存しつつ高いパフォーマンスを持続できます。
選手交代のルールを理解することで、今まで以上に観戦の楽しさも増すはずです。
「なぜこのタイミングで交代したのか」と想像することで、コーチの意図や戦術が見えてくるかもしれません。
バスケットボールの人数に関するルールは、こちらの記事でもまとめてご紹介しています。ぜひご一読ください。