バスケットボールにおける「スタッツ」とは?

はじめに、バスケットボールにおける「スタッツ」の基礎知識を解説します。
スタッツとは何なのか、そしてなぜ重要なのかを見ていきましょう。
スタッツの定義
スタッツ(Stats)とは、Statistics(統計)の略です。
バスケットボールにおいては、試合中に起こるすべてのプレーを数値で記録したもので、選手のパフォーマンスを客観的に評価できます。
得点やアシストなどのわかりやすい数値のみでなく、ターンオーバーやファウルのようなミスも含めてプレーの全体像をデータとして残します。
なぜスタッツが重要なのか
スタッツは、感覚では見えない「試合の流れ」や「選手の貢献度」を明確にします。
たとえば、得点が少なくてもリバウンドやディフェンスで試合を支える選手は多くいます。
また、コーチにとってもスタッツは戦術分析の基礎です。
スタッツを分析することで、次の試合に向けた課題が見えてくることも少なくありません。
観戦者においてもスタッツを知ることで「この選手がなぜ起用されているのか」や「どこが勝負の分かれ目か」などを理解できるようになります。
スタッツの基本項目と意味

ここでは、スタッツの基本項目とそれぞれの意味を解説します。
紹介する項目は、「シュートや得点」「リバウンド」「アシスト」「ディフェンス」「貢献度」の5つです。
シュートや得点に関するスタッツ
シュートや得点に関する主なスタッツには、次のようなものがあります。
- PTS(Points):得点数
- FGA(Field Goals Attempts):フィールドゴールを打った本数
- FGM(Field Goal Made):フィールドゴールの本数
- FG%(Field Goals Percentage):フィールドゴールの成功率
- FTA(Free Throw Attempts):フリースローを打った本数
- FTM(Free Throw Made):フリースローの成功回数
- FT%(Free Throw Percentage):フリースローの成功率
得点のみでなく、どのくらい確実に点を取れているかを見るのがポイントです。
リバウンドに関するスタッツ
リバウンドに関する主なスタッツには、次のようなものがあります。
- OR(Offensive Rebounds):オフェンスリバウンド数
- DR(Defensive Rebounds):ディフェンスリバウンド数
- TR(Total Rebounds):トータルリバウンド数
リバウンドは、試合の支配力を表すスタッツです。
オフェンスリバウンドを多く取る選手は、得点チャンスを何度も作り出しています。
アシストに関するスタッツ
アシストに関する主なスタッツには、次のようなものがあります。
- AS/AST(Assists):アシストの本数
- APG(Assists Per Game):1試合あたりの平均アシスト数
- TO(Turnovers):ターンオーバーの本数
高いアシスト数は、チームの司令塔である証拠です。
ディフェンスに関するスタッツ
ディフェンスに関する主なスタッツには、次のようなものがあります。
- STL(Steals):スティール
- BS/BLK(Blocks):ブロックショットの回数
- BSR(Blocked Shots Received):ブロックショットを受けた回数
ディフェンススタッツは、数字以上にチームの勢いを左右します。
スティールやブロックが決まる瞬間は、試合の流れを一気に変えるタイミングです。
貢献度に関するスタッツ
貢献度に関する主なスタッツには、次のようなものがあります。
- EFF(Efficiency):総合的な貢献度
- POSS(Possession):攻撃回数
- +/-:選手がコートにいる間の得失点差
得点のみでは測れないチームへの貢献度を可視化するのがEFFや+/−です。
代表的なスタッツの略称・英語表記まとめ(初心者向け早見表)
| 略称 | 英語表記 | 意味 |
|---|---|---|
| PTS | Points | 得点数 |
| FGA | Field Goals Attempts | フィールドゴールを打った本数 |
| FGM | Field Goal Made | フィールドゴールの本数 |
| FG% | Field Goals Percentage | フィールドゴールの成功率 |
| FTA | Free Throw Attempts | フリースローを打った本数 |
| FTM | Free Throw Made | フリースローの成功回数 |
| FT% | Free Throw Percentage | フリースローの成功率 |
| OR | Offensive Rebounds | オフェンスリバウンド数 |
| DR | Defensive Rebounds | ディフェンスリバウンド数 |
| TR | Total Rebounds | トータルリバウンド数 |
| AS/AST | Assists | アシストの本数 |
| APG | Assists Per Game | 1試合あたりの平均アシスト数 |
| TO | Turnovers | ターンオーバーの本数 |
| STL | Steals | スティール |
| BS/BLK | Blocks | ブロックショットの回数 |
| BSR | Blocked Shots Received | ブロックショットを受けた回数 |
| EFF | Efficiency | 総合的な貢献度 |
| POSS | Possession | 攻撃回数 |
| +/- | – | 選手がコートにいる間の得失点差 |
スタッツからわかる選手のタイプ・役割
スタッツを見比べると、選手ごとのプレースタイルがくっきり浮かび上がります。
- スコアラー:PTSが高く、FGMやFG%も高い
- リバウンダー:OR、DR、TRが目立つ
- プレイメイカー:AS/ASTが多く、TOが少ない
- ディフェンダー:STLやBS/BLKが多い
スタッツを見ると、誰がどのような役割を担っているのかが一目でわかります。
試合前に選手のスタッツをチェックしておくと、観戦がより楽しくなるはずです。
観戦時に注目したいスタッツの見方

つづいては、観客側の立場に立ってスタッツの見方を解説します。
観戦時に注目したいスタッツの見方は次の3つです。
試合の流れとスタッツの関係
観戦時は得点差のみでなく、FG%や各リバウンド数に注目すると、どちらのチームが流れをつかんでいるかが見えてきます。
とくに第3クォーターのFG%は、勢いの変化を読み取るポイントです。
得点以外の貢献度
観戦時は、POSSやEFFなどの貢献度にも注目しましょう。
スタッツを確認することで、チームを支えている選手が見えてきます。
あまり目立たない選手でも、実はチームに大きく貢献しているケースは少なくありません。
チームの強み
スタッツを眺めると、チームごとの強みがはっきりと見えてきます。
たとえば、リバウンド数が多いチームはフィジカルが強く、ゴール下で粘り強いのが特徴です。
アシスト数が多いチームは、パスワークを重視するチームバスケ型といえます。
バスケットボールのスタッツはどこで確認できる?

Bリーグ公式サイトでは、各選手ごとに成績詳細やスタッツレポートを確認できます。
スポーツニュースアプリは速報性が高く、観戦中のチェックにも便利です。
NBAのスタッツを知りたい場合は、NBA公式アプリをおすすめします。
NBA公式アプリでは、試合結果や選手の詳細なスタッツをリアルタイムで確認できます。
スタッツを理解するとバスケットボールが何倍も面白くなる
スタッツを理解すると、バスケットボール観戦は一気に深みを増します。
リバウンドやアシストなどの数字から、選手の役割やチーム戦略が見えてくるためです。
目立たないプレーの貢献度もスタッツから読み取れます。
スタッツは、試合の裏にあるドラマを映す“もうひとつのスコアボード”です。
次回の観戦時には、ぜひスタッツにも注目してみてください。
ENSPORTS fanでは、バスケットボール観戦をたくさんの方々に楽しんでいただくために、バスケの観戦マナーや観戦初心者のためのルール解説記事なども公開中。そちらぜひチェックしてみてください。