バスケットボールとは

バスケットボールとは、各チームの5人がコート上にあるバスケットリングにボールを入れて点数を決めていくスポーツ。

シュートを狙うオフェンス、そのシュートが入らないようにゴールを守るディフェンスで成り立っています。

勝敗は、相手より1点でも多く点数を決めたチームが勝ちというシンプルなルール。

まずはバスケットボールの基本に触れて、どんなスポーツなのかを理解していきましょう。

バスケットボールの基本ルール

はじめに、バスケットボール初心者が知っておくべき基本ルールからご紹介します。

バスケットボールは1試合に出場できる人数や試合時間、クォーターの時間などルールが多数。「ルールが多くて覚えられない」という方は、この基本ルールだけでも押さえておくと良いでしょう。

それでは、どのような基本ルールのうえで試合が行われるのか見ていきましょう。

試合に出場できる人数

バスケットボールの試合でコートに立てる人数は、各チーム5人ずつ。状況に応じてメンバー交代もできるため、多くの選手に出場機会が与えられています。

また大会に登録できるメンバーは「10名〜15名」が基本。登録メンバーの人数は、大会主催者の考えにより変更できるルールの一つになっています。

例えば日本のプロリーグ「B.LEAGUE」の登録メンバーは10名〜12名。試合ごとにエントリーする選手が異なってくるため、応援する選手がエントリーされるかチェックしながら楽しみましょう。

試合時間

高校生以上のバスケットボールの試合は、1クォーター(1Q)10分を4回行う構成になっています。

1試合の構成と試合時間

・第1Q(10分)
・休憩(2分)
・第2Q(10分)
・ハーフタイム(15分)
・第3Q(10分)
・休憩(2分)
・第4Q(10分)

クォーターの合間には「インターバル」があり、選手の休憩や監督から選手へ作戦を伝える時間として設けられています。

さらに第2・第3クォーターの間にあるインターバルは「ハーフタイム」とも呼ばれており、プロリーグではチアリーディングなどのパフォーマンスが行われているのが特徴。

1試合の構成が変わることはありませんが、1クォーターの時間のみ年齢によって異なってきます。

年齢1クォーターの時間
小学生6分
中学生8分
高校生以上(B.LEAGUE含む)10分

バスケットボールを楽しむ一つの知識として、ぜひ覚えておいてください。

延長ルール

第4Qが終わっても同点で勝敗がつかなかった場合は、5分の延長戦に入ります。

延長戦でも勝敗がつかなかった場合は「休憩2分→試合5分」の再延長戦を、勝敗がつくまで繰り返すことになります。

なおこれはあくまで「第4Qの延長」という扱いになるため、チームファウルのカウントは第4Qのものを引き継ぎます。

バスケットボールのポジション

バスケットボールでは、選手の特性を表すものとしてポジションが割り振られているのも特徴的。

ポジションはチームの戦術や試合状況によって、自由に配置できます。

それぞれのポジションにどのような役割が与えられているのか、わかりやすくまとめてみました。

PG ポイントガード

チームメイトに指示を出す、司令塔の役割。チームメイトの動きを見てパスを出したり、状況判断をしたりといったゲームコントロールがメインです。

ポイントガードという呼び名以外にも「1番」と呼ばれることもあります。

SG シューティングガード

スリーポイントシュートなどの長距離シュートを積極的に狙う役割。得点を取るだけでなく、ポイントガードのサポートとしても動く必要があるポジションです。

またシューティングガードのほかに、「2番」と呼ばれることもあります。

SF スモールフォワード

長距離のシュートやゴールに向かってドリブルで攻める役割。コートを広く動くことから体力があるのはもちろん、得点力も持ち合わせている選手が多いです。

PF パワーフォワード

ゴール近くで点を取りに行ったり、リバウンドへ積極的に絡む役割。ポジションの名前にパワーと付いているだけあって、体を張ったプレーが中心です。

パワーフォワードのという呼び名のほか、「4番」と呼ばれることもあります。

C センター

ゴール下でのプレーがメインで、チームの大黒柱的存在。チームで1番身長が高い選手が務めるポジションで、パワーフォワードと同じく体を張ったプレーが中心です。

センターのほかに、「5番」と呼ばれることもあります。

バスケットボールのシュートごとの得点の違い

バスケットボールの得点は、1点、2点、3点と加点されていきます。

ゴールからの距離やファウルなどの反則で得点が変わるため、「今のは何点?」となる方も多いでしょう。

ここではどのようなシュートで、何点追加されるのかをご紹介します。

1点のシュート

「フリースロー」と呼ばれるシチュエーションで追加される得点。

例えばプレー中にシュートを打とうとしている選手にファウルをした場合に、ファウルをされた選手にフリースローが与えられます。そして1本入れば、1点追加。

フリースローでシュートが入った場合でしか、1点の加算はありません。

2点のシュート

試合ほとんどでの得点が、この2点に分類されます。

スリーポイントライン(コートに大きく描かれた半円)の内側で打ったシュートは2点としてカウント。

代表的なシュートといえば「レイアップ」や「ゴール下でのシュート」などが挙げられます。

3点のシュート

スリーポイントラインの外側から打った「スリーポイントシュート」が、3点としてカウントされます。バスケットボールの中では一番大きな得点。

このスリーポイントシュートは、シューティングガードやスモールフォワードが得意とするシュートです。

バスケットボールの反則ルール

バスケットボールの試合中に起こる反則は、「バイオレーション」と「ファウル」の2つに分けられます。

試合中に審判が笛を吹いて一時試合を中断しているのを見かけたことがあると思いますが、その多くが反則とジャッジされた場面。

ここからは数多く存在している反則ルールを、バイオレーションとファウルに分けて解説していきます。

バイオレーション11種類

バイオレーションとは、チームに与えられた時間に超過したり、ラインから出てしまったりする反則のこと。バスケットボールでは、ファウル以外のすべての反則ルールを「バイオレーション」と呼びます。

審判によってバイオレーションと判断された場合、相手チームにボールが渡り、ゲームが再開されます。

以下、11種類のバイオレーションを簡単にわかりやすく解説していきます。

トラベリング

ボールを持った状態で、ドリブルせずに3歩以上歩いてしまうこと。

もしくはピボットしている際、軸足が動いてしまったり、ずれてしまった時にもトラベリングとなります。

バックパス

フロントコートにボールを運んだあと、そのボールをパスやドリブルでバックコートに戻してしまうこと。

ボールとボール保持者の両足がフロントコートに触れた時が、フロントコートにボールを運んだ瞬間とされています。

ダブルドリブル

ドリブルを一度終えたあと、再びドリブルを行うこと。

3秒ルール

フロントコートのゴール下にある制限区域内に3秒以上留まること。

3秒経過する前に一度制限区域から出ることで、3秒はリセットされます。

5秒ルール

オフェンスがボールを保持した状態から5秒以内にアクションを起こさなければならないというルール。

例えばコート外からのスローインは5秒以内にパスをする。フリースローの際に審判からボールを受け取って5秒以内にシュートするといったことが該当します。

8秒ルール

オフェンスはボールを保持した瞬間から8秒以内に、フロントコートへボールを運ばなければならないというルール。

24秒ルール

オフェンスは24秒以内にシュートを打たなければならないというルール。しかしボールがリングに触れることで時間はリセットされます。

またオフェンスが再度ボールを保持した場合は14秒、ディフェンスがボールを保持した場合は24秒に、24秒タイマーがリセット。

ゴールティンディング

シュートしたボールが最高到達点を過ぎて落下している際に、ボールに触れてはいけないというルール。

もしディフェンスがボールに触れてしまった場合、オフェンスへの得点が認められます。

アウトオブバウンズ

ボールがコート外に出てしまうこと。

もしアウトオブバウンズになった場合は、近くにあるサイドラインまたはエンドラインからスローインを行います。

インターフェア

シュートしたボールがリング上にあるタイミングでネットやバックボード、リングに触れてはいけないというルール。

例えばリングの下から手を入れてボールを触ることも当てはまります。

キックボール

足でボールを蹴ったり止めたりしてしまうこと。

ただし故意に蹴った場合のみ適用されるルールのため、偶然にも足にボールが当たった場合はバイオレーションにはなりません。

ファウル11種類

ファウルとは、プレーヤー同士での接触によるものや、スポールマンらしくない言動があった場合の反則のこと。

ファウルは「パーソナルファウル」と「テクニカルファウル」の2つに分けられます。

パーソナルファウルとテクニカルファウルの違い

  • パーソナルファウル:コート上の選手同士で不当な接触によって起きるファウル
  • テクニカルファウル:身体の接触がない場面で、スポーツマンらしくない言動があった場合のファウル。コート上にいる選手や監督、ベンチにいる選手全員が対象

以下、11種類のファウルについて解説していきます。

5ファウル

1人の選手は5回ファウルをしてはいけないというルール。

もし5回ファウルをしてしまった場合は退場となり、その試合には出られなくなります。

チームファウル

パーソナルファウルやテクニカルファウルは、チームファウルとして加算されます。個人ファウルとは異なり、各クォーターでリセットされるのが特徴。

チームファウル5回目から、ファウルをする度に相手へフリースロー2本が与えられます。

チャージング

オフェンスがボール保持の有無に関係なく、ディフェンスに対して体を当てたり、手で押したりする際にとられるファウル。

しかしノーチャージセミサークルエリアでは、オフェンスに対するチャージングは適用されません。

ブロッキング

体を使って相手の進行を邪魔した際にとられるファウル。

ホールディング

相手の腕を掴んだり、相手を抱き抱える状態になったりする際にとられるファウル。

プッシング

その名の通り、「押す」行為に対してとられるファウル。

手や体を使って相手を押したりした場合に適用されます。

ダブルファウル

両チームの選手がほぼ同時にパーソナルファウルをした状態のこと。

ダブルファウルが適用された場合はボールを保持していたチームから攻撃が始まり、ボールを持っていない場合は、ポゼッションアローの向きによって決まります。

アンスポーツマンライフファウル

相手が怪我をしかねないファウルや、悪質なファウルのこと。

アンスポーツマンライフファウルをとられてしまった場合は、相手チームにフリースローとスローインの権利が与えられます。

ディスクォリファイングファウル

最も悪質でスポーツマンらしくない行為に対して適用されるファウル。

もしディスクォリファイングファウルと判断された場合、失格および退場となり、試合が終わるまではロッカールームや建物から立ち去らなければいけません。

イリーガルスクリーン

オフェンスがディフェンスに対してスクリーンをした際に、足や上半身が動いてしまい、正しくスクリーンをかけられなかった場合のファウル。

イリーガルユーズオブハンズ

相手を手で叩いたり、掴んだりした際にとられるファウル。

手で叩く行為は、別名「ハッキング」とも呼ばれています。

バスケットボールのその他ルール

バスケットボールには、ここまで見てきたバイオレーションやファウル以外にも、審判の判断によって一時試合を中断する場面があります。

「なぜ今試合が止まったのか?」がわかると、試合観戦がもっと楽しくなるはず。

それでは近年追加されたものも含めて、3つのルールをご紹介していきます。

ヘルドボール

ヘルドボールとは、両チームの選手がボールを取り合う状態になり、どちらのボールでもない状態のこと。

ヘルドボールとジャッジされ試合が中断した場合、ポゼッションアローの向きによってゲームが再開されます。

タイムアウト

タイムアウトとは試合を中断してベンチに戻り、作戦を伝えたり選手を休憩させるための時間のこと。

前半(第1・2クォーター)で合計2回、後半(第3・4クォーター)で合計3回が、各チームに与えられています。前半に使いきれなかった分は、後半へ持ち越せません。

ちなみに延長戦になった場合のタイムアウトは、各チーム1回ずつとされています。

ゼロステップ

ゼロステップは「ボールをキャッチするのと同時に踏んだ足を0歩目として数える」というルール。

ボール保持と同時に足を地面につけば、その足は0歩目となり、そこからさらに2歩歩けます。

JBA(日本バスケットボール協会)で、2018年4月よりトラベリングのルールが改正され、ゼロステップが追加されました。

バスケットボールを楽しむ見どころ5選

ここでは、バスケットボール初心者がもっと試合観戦を楽しめるよう、注目して見ていきたい「バスケの見どころ」を5つご紹介していきます。

ぜひ試合観戦する際は、以下のポイントに注目して楽しんでみて下さい。

正確なパスからのシュート「アリウープ」に注目

バスケットボールのシュートといえば、ボールをゴールに叩き込むようなダンクシュートが有名ですよね。

このシュートを生かしたプレーで注目したいのが、リングの近くにパスを出し、空中でキャッチしたままダンクシュートをする「アリウープ」。

正確なパスから見られる豪快なダンクシュートまでのことで、日本のプロバスケットボールリーグでも見られるプレーです。

試合を観戦する際には、このアリウープに注目して見てみてください。

シチュエーションで異なるパスの種類

「パス」と一言でいっても、バスケットボールにはさまざまな種類があり、パスの難易度も異なります。

例えば両手で胸の前から出す「チェストパス」や、野球のようにボールを投げる「ショルダーパス」は、試合でよく見られるパス。

反対に難易度の高いパスといえば、ボールが背中の後ろを横切るように出す「ビハインドパス」や、自分の肘にボールをぶつけて出す「エルボーパス」などが挙げられます。

場面に応じてどんなパスを出すのか、新しい視点で試合観戦すると面白いかもしれません。

「1on1」で魅せるドリブルワーク

1on1とは、ボールを保持しているオフェンスとそれを守るディフェンスとの駆け引きのこと。

ドリブルの種類にはロールターンやレッグスルー、ドリブルに緩急をつけるチェンジオブペースなど、さまざまな技があります。

このほかにも、体の後方で2回連続でバックチェンジをするダブルバックチェンジ、斜め前にドリブルをして逆手で引き進行方向を変えるシャムゴットなども。

ドリブルが上手な選手の1on1では多彩なドリブルワークだけでなく、ディフェンスが倒れてしまう「アンクルブレイク」も見られるはず。

試合の流れを変えるディフェンス

相手にシュートを決めさせないためには、相手からボールを奪う「スティール」をする必要があります。

スティールとは、オフェンスがドリブルをしている際にボールをとったり、オフェンス同士のパスをカットしたりすること。

スティールが成功すると試合の流れが変わり、チームに勢いをつけるアクションにもなります。

接戦になった際にスティールが見られるとボルテージも上がり、会場の雰囲気もガラッと変わること間違いなし。

シューズや靴下など「ウェア」もチェック

プレーだけでなく、バスケットボール選手が身につけるシューズや靴下にも注目。

ユニフォームはチーム全員同じものを着用していますが、シューズや靴下はその選手の好みが反映されています。

メーカーや色など、応援する選手がどんなものを身につけているのかを見るのも、バスケットボールを楽しむポイントの一つ

バスケットボールのルールを覚えて、より試合を楽しもう

今回はバスケットボールのルールについてご紹介しました。

押さえておきポイントは、以下の通りです。

  • 試合の人数や試合の流れ
  • ポジションごとの役割
  • バイオレーションとファウル
  • その他ルール
  • 見どころ

バスケットボールの基本ルールや見どころなどを押さえたうえで試合を観ると、今までにはない新たな発見もあるはず。

ぜひ実際の試合に触れながら、少しずつルールを覚えて楽しんでいって下さい。