バスケットボールの「クォーター」とは?

バスケットボールの試合では、試合時間を4分割にして進行する「クォーター制」が採用されています。
クォーター(quarter)とは、英語で「4分の1」という意味。試合全体を第1Q〜第4Qに区切って進行するルール。クォーターを「Q」と略して表記することが多いです。
かつてバスケもサッカーやラグビーのような前後半制で、途中休憩は基本的にハーフタイムだけでした。
クォーター制に移行してクォーターの間に短い休憩とハーフタイムが設けられたことで、試合の進行がスムーズになりました。
また、この休憩が戦術や選手交代のタイミングにも大きく影響するため、試合展開がよりスリリングになったのです。
バスケットボールと同じくクォーター制を導入しているスポーツには、アイスホッケー、アメリカンフットボール、ラクロスなどがあります。
【リーグ・年齢別】クォーターの時間はどのくらい?
バスケットボールのクォーターの時間は、リーグや年齢、ルールの違いによって異なります。
ここではBリーグ、NBA、学生バスケ、ミニバスケのクォーターの時間の違いをご紹介します。
Bリーグと国際試合|1クォーター10分

日本のプロバスケットボールリーグであるBリーグでは、FIBA(国際バスケットボール連盟)ルールを採用しています。そのため、オリンピックやワールドカップなどの国際試合とクォーターの長さは同じです。
FIBAのルールでは、1クォーターの長さは10分間。プレー時間は10分間×4クォーター=40分間です。
ただし、クォーター間にはインターバルやハーフタイムがあるため、それを総合した試合時間は1時間半前後です。
NBA|1クォーター12分

アメリカのプロリーグであるNBAでは、独自のルールを採用しており、FIBAルールとは異なる点があります。
1クォーターの長さは12分間で、プレー時間は12分間×4クォーター=48分間です。
NBAの試合は、FIBAルールより長丁場。そのため、体力・集中力ともにより高いレベルが求められます。
学生バスケ|1クォーター8分
中学・高校・大学の学生バスケでもクォーター制が採用されています。
- 中学:1クォーター8分間(プレー時間:32分間)
- 高校・大学:1クォーター10分間(プレー時間:40分間)
中学バスケは、学生の体力に考慮してプレー時間が短く設定されているのが特徴。休憩時間もクォーターの時間にあわせて短めの設定になっています。
高校・大学バスケでは、Bリーグと同様にFIBAルールを採用されており、1クォーターは10分間です。
ミニバスケ|1クォーター6分
小学生対象のミニバスケットボール(ミニバス)も中学バスケと同様、体力や理解度に配慮したルールで行われています。
1クォーターの長さは6分間で、プレー時間は6分間×4クォーター=24分間。こちらも休憩時間も短めで、インターバルは1分、ハーフタイムは5分です。
地域大会や試合によっては、5分間×4クォーター、8分間×4クォーターになることもあります。
バスケットボールのクォーター制3つのメリット

クォーター制には、単なる時間区切り以上の意味があります。
ここでは、バスケットボールのクォーターの役割を3つ解説します。
1.戦術が立て直せる
試合時間を4分割にしたことで生まれたクォーター間の休憩やハーフタイムは、コーチが戦術を立て直す貴重な時間となっています。
クォーターの間に監督の戦略をその場で選手たちに共有できるため、試合の流れを変えたり、相手の守備に対応したいなど、必要に応じた戦術の立て直しが図れるのです。
相手の守備や得点傾向に応じて柔軟に対応することができるため、次のクォーターで不利な状況を打破できる可能性もあります。
2.選手のコンディションを調整できる
クォーター制の2つ目のメリットは、選手のコンディション調整です。
短時間ながらインターバル(休憩)を挟むことで、選手の疲労を回復させることができます。
特に連戦が続くプロリーグにおいては、インターバルが重要な意味を持ちます。
3.試合のテンポを作りができる
クォーターの3つ目の役割は、試合のテンポを作ること。クォーターの区切りがあることで、試合はテンポよく進行します。
観客も「ここから後半戦だ」「次で勝負を決めたい」と、試合の流れを意識しやすくなります。
また、クォーターにはバスケットボールのエンタメ性を高める効果も。
クォーターごとに試合展開が変化することで、観客も緊張感とリズムのある試合展開が楽しめるのです。
バスケはクォーター間の休憩時間も重要
1Q時間 | インターバル | ハーフタイム | |
---|---|---|---|
Bリーグ | 10分 | 2分 | 15分or20分 |
NBA | 12分 | 2分10秒 | 15分 |
ミニバス(小学生) | 6分 | 1分 | 5分 |
中学バスケ | 8分 | 2分 | 10分 |
高校・大学バスケ | 10分 | 2分 | 10分 |
バスケットボールの試合はクォーターごとに区切られているとご説明しましたが、各クォーターの合間に短い休憩時間が設けられています。
この休憩時間は、その後の試合展開に大きな影響を与えるほど重要なもの。バスケのリーグやカテゴリによって時間も異なるのもポイントです。
ここではバスケのクォーター間の休憩時間について解説します。
インターバル
バスケットボールの試合では、第1Qと第2、第3Qと第4Qの間にはそれぞれ約2分の休憩時間(インターバル)があります。
この時間、選手たちはベンチに戻り、水分補給や次のクォーターの戦術確認を行います。
一方で観客にとっては、場内演出やチームベンチの雰囲気を観察する絶好の機会。ぜひ会場の雰囲気を楽しんでください。
ハーフタイム
バスケットのハーフタイムとは、第2Qと第3Qの間に設けられる長めの休憩のこと。選手はロッカールームに戻り、体力回復をはかったりチームの再編成を行います。
観客は、この間に売店やトイレに行ったり、アリーナのショーやイベントを楽しみましょう。
延長戦になった場合
バスケットボールでは、第4Q終了時点で同点だった場合、延長戦(オーバータイム)に突入します。
延長戦の時間はカテゴリによって異なりますが、FIBAルールやNBAの場合は1回5分間。インターバルは2分です。
延長戦で決着がつかない場合、 勝敗が決まるまで「2分休憩→5分延長」の再延長戦を繰り返します。
「延長戦」とはいいますが、サッカーのフルタイム方式や野球の12回制とは異なり、第4Q後に追加される5分間の新しいクォーターと考えていいでしょう。
クォーターごとの注目ポイント

バスケットボールの試合は、クォーターごとに変化があるからこそ見どころも豊富です。
この章ではクォーターごとの見どころと注目ポイントをご紹介します。
試合の流れや戦術の変化
バスケットボールの醍醐味のひとつが、クォーターごとに目まぐるしく変わる試合の流れと戦術の変化です。
各クォーターの戦術や流れの特徴は、次のとおりです。
- 第1Q:チームの立ち上がり、お互いの探り合い
- 第2Q:ベンチメンバーの活躍に注目
- 第3Q:後半の立て直しや勢いづくチームの反撃
- 第4Q:勝負を決めるラストスパート
第1Qは、試合の“立ち上がり”として、両チームが様子を見ながら戦うことが多い時間帯です。
第2Qは、主力選手の休憩を兼ねて控えメンバーが多く出場する時間帯。ベンチメンバーの出来が勝負を分けることも少なくありません。
ハーフタイムを経て始まる第3Qは、監督が前半を分析して戦術を大きく調整した結果が表れる時間帯です。
そして最終クォーターとなる第4Qは、これまでの戦術や戦い方を踏まえた“総力戦”の時間となります。とくに最後の1〜2分は特に緊迫感が増し、戦術・精神力・集中力の全てが試される局面です。
観戦する際は、このクォーターごとの「流れ」に注目してみてください。
応援のタイミング
試合の流れがクォーターごとに変わるように、応援の盛り上がりやタイミングもクォーター単位で変化します。
クォーター終了時やリスタートの場面は、応援のタイミングとして最適。チームに勢いをつけたい場面では、観客の声援が大きな後押しになります。
とくに第4クォーター終盤の攻防は、アリーナ会場全体も最高潮に。バスケ観戦初心者でも、試合の熱気を存分に味わえるでしょう。
応援のタイミングが分からないときは、周囲の観客に合わせて掛け声や手拍子を送ってください。
バスケットボールのクォーターに関するよくある質問

最後に、バスケットボールのクォーターに関するよくある質問に回答します。
Q1. なぜバスケは4クォーター制になったの?
A.選手のパフォーマンスを最大限に引き出すためです。
また、競技の魅力を高める目的でもあります。
本文中でも軽くご説明しましたが、かつてバスケットボールは前後半戦が一般的でした。2001年に国際ルールが改正されたことを機に、本格的にクォーター制へと移行しています。
Q2. クォーター後の試合の再開方法は?
A.クォーター後の再開方法は、オルタネイティングポゼッション・ルールに基づきます。
オルタネイティングポゼッション・ルールとは、ボールの保持を交互に保持し合うルールのこと。
具体的には、前のクォーターでボール保持権がなかったチームがスローインから再開します。
Q3. クォーターとピリオドの違いとは?
A.呼び方が違うだけで、意味はほぼ一緒です。
クォーターは試合を4分割したうちの1つ。おもにアメリカンフットボール、フィールドホッケーなどでも使われます。
一方のピリオドは、試合の区切り全般を表します。バレーボールやアイスホッケーなどで使われることが多いです。
かつてバスケットボールでも全般的に「ピリオド」が使われていましたが、2001年のルール改正後は「クォーター」が一般的です。
その名残なのか、試合会場のスコアボードの「ピリオド」の項目で、今は何クォーター目なのか確認できます。
バスケットボールのクォーター制について理解しよう
バスケットボールにおけるクォーターは、試合の進行をスムーズにし、戦術的にも非常に重要な役割を果たします。
各カテゴリごとに時間が異なることや、クォーター間の休憩や戦略が試合展開に大きな影響を与える点を理解することで、観戦をより一層楽しめるようになるでしょう。
バスケットボール初心者の方も、クォーターごとの違いに注目して試合を観ると新たな発見があるかもしれません。
バスケットボールの試合を観戦・視聴する際は、ぜひクォーター制の魅力を意識してみてください。
ENSPORTS fanでは、バスケをアリーナに見に行った際の観戦時間の目安や基本的なルールも、初心者にわかりやすくまとめてご紹介しています。ぜひそちらもチェックしてみてください。