バスケの「ブロック」とは?

ブロックとは、相手が放ったシュートをディフェンス側が手や腕で直接止めるプレー。空中での攻防となるため、試合の中でも特に迫力があり、会場を沸かせるシーンのひとつです。
得点を未然に防ぐだけでなく、チームに大きな勢いを与え、会場の雰囲気を一変させる効果を持ちます。
はじめに、バスケにおいてのブロックの定義、他の守備との違いなどを解説します。
バスケにおけるブロックの定義
ブロックとは、相手が放ったシュートをディフェンス側が手や腕で直接止めるプレーです。
「シュートブロック」「ブロックショット」と呼ばれることも。
シュートブロックは得点を防ぐだけでなく、チーム全体に大きな勢いを与える効果もあります。
ブロックと他の守備との違い
ブロックの特徴は、相手のシュート動作そのものを空中で直接止める点にあります。
たとえば「シュートチェック」は相手の視界を妨害し、プレッシャーを与えるものですが、直接ボールには触れません。
また「スティール」はドリブルやパスの局面でボールを奪うプレーであり、シュートそのものを阻止するわけではありません。
ブロックは、他のディフェンスプレーと明確に区別されているのです。
【ルールと反則】ゴールテンディングとインターフェア

ブロックは正しく行えば合法的な守備プレーですが、ルール上の制約があります。
代表的なのが「ゴールテンディング」と「バスケットインターフェア」です。
- ゴールテンディング:ボールが頂点を過ぎて下降に転じている、あるいはバックボードに当たって下がっている段階で触れる反則。
- バスケットインターフェア:リングに触れる、またはまだリングの上にあるボールに触れる反則。
これらはバスケ観戦初心者には判別が難しいかもしれません。
観戦時には「選手がどのタイミングでボールに触れたか」に注目することで理解しやすくなるでしょう。
バスケの代表的なブロック4つ

ブロックには複数のスタイルが存在します。
ここではバスケ初心者でもわかりやすい、代表的な4つをご紹介しましょう。
1.正面からのブロック
最も基本的でシンプルな形です。相手のシュートに正面から立ちはだかり、ジャンプして直接防ぎます。
高さとタイミングが合致すると非常に豪快。観客を熱狂させるシーンのひとつです。
2.横からのブロック
ドリブルで攻めてきた相手に並走し、レイアップの瞬間を狙って横からボールを弾く方法です。
スピードと予測力が求められ、タイミングを誤るとファウルになるリスクがあります。
3.後方からのブロック(チェイスダウンブロック)
3つ目は後ろからボールを追い、後ろからブロックする技術です。
これは「チェイスダウンブロック」とも呼ばれる方法で、相手の速攻やレイアップを後方から追いかけ、背後からボールを叩き落とします。
レブロン・ジェームズのプレーなどで有名となった、試合の流れを一変させるインパクトがあるプレーです。
4.ボディブロック
4つ目のボディブロックとは、体を相手に密着させ、スペースを奪いながらブロックする技術です。
体を密着させ、相手の動きを制限しながらブロックする技術。跳躍力や身長に頼らず、ポジショニングやフィジカルの強さで勝負できる点が特徴。
身体の大きさや跳躍力に関わらず挑戦できるブレーといえます。
バスケのブロックに必要な能力3つ

シュートブロックを得意とする選手には、どのような特徴があるのか気になる方も多いはずです。
ここでは、シュートブロックに必要な能力を3つ解説します。
1.身長とリーチの長さ
ブロックにおいて、身長とリーチ(腕の長さ)は重要な要素です。
高身長で腕が長い選手ほど有利ですが、小柄な選手でもポジショニングとタイミング次第で十分にチャンスがあります。
2.ジャンプ力とタイミング
ジャンプ力とタイミングを読む力もブロックに欠かせない能力です。
単に高く跳ぶだけではなく、相手がシュートを放つ「その瞬間」に合わせて跳ぶことが不可欠です。
早すぎても遅すぎてもファウルや空振りにつながります。
3.瞬発力と予測力
ブロックには、瞬発力や予測力も必要不可欠。
相手のフォームや体の使い方を読み取り「ここだ」と思う瞬間を的確に見抜く力が求められます。
経験豊富な選手ほど無駄なジャンプを減らし、効率よくブロックを狙いやすのもポイント。観戦時はそこに注目してみてください。
歴史的な名ブロッカー

この章ではバスケリーグの最高峰・NBAと、日本のプロリーグ・Bリーグで名ブロッカーと呼ばれている選手をご紹介します。
NBAの伝説的選手
- ビル・ラッセル:ブロックを武器に試合を支配し、史上最高のディフェンダーと称される
- ディケンベ・ムトンボ:ブロック後に「指を振る仕草(finger wag)」で観客を沸かせた守備の達人
NBAでは数々の伝説的ブロッカーが存在します。
たとえば、1950年代から1960年代にかけて活躍したビル・ラッセルは、ブロックで試合を支配し、歴代最高のディフェンダーと評されるプレーヤーです。
1990年代から2000年代にかけて活躍したディケンベ・ムトンボは、指を振る「finger wag」の仕草で有名。守備の達人といわれています。
Bリーグにおけるブロック王
日本のBリーグでは、シーズンを通して1試合平均のブロック数がもっとも多い選手に「ブロック王」の称号が与えられます。
2024-25シーズンは川崎ブレイブサンダースのサッシャ・キリヤ・ジョーンズがその栄誉に輝きました。
観戦をもっと楽しむためのブロック注目ポイント

「観戦時にシュートブロックのどこに注目してよいのか分からない」と感じている方もいるはずです。
最後に、観戦時におけるブロックの注目ポイントをご紹介します。
ジャンプするタイミング
1つ目の注目ポイントは、選手がブロックを狙うタイミングです。
相手のシュートモーションに合わせて跳べるかどうかに注目しましょう。
成功した瞬間、会場全体が一気に熱気に包まれます。
ブロック後の展開
2つ目の注目ポイントは、ブロック後の展開です。
ブロックが決まった直後に、味方がリバウンドを拾い速攻につなげられるかに注目しましょう。
守備から攻撃に切り替わる場面は観戦の醍醐味です。
ファウルとの境界線
3つ目の注目ポイントは、ファウルとの境界線です。
ボールのみを叩けば拍手喝采ですが、わずかでも相手の体に当たればファウル。観客は「きれいなブロックか、ファウルか」という微妙な判定にも注目するとさらに楽しめます。
シュートブロックを理解して観戦をより楽しもう
ブロックは単なる守備技術ではなく、試合の流れを劇的に変える力を持ったプレーです。豪快なブロックが決まると、チームに勢いが生まれ、観客の熱狂も最高潮に達します。
初心者の方は、まず「跳ぶタイミング」と「ブロック後の展開」に注目してみましょう。ブロックの奥深さを知ることで、バスケットボール観戦がよりエキサイティングで充実したものになるはずです。
ENSPORTS fanでは、バスケットボール観戦をたくさんの方々に楽しんでいただくために、バスケの観戦マナーや観戦初心者のためのルール解説記事なども公開中。そちらぜひチェックしてみてください。