日本のプロバスケ「Bリーグ」のリーグの構成や注目ポイントを、バスケボールの試合観戦初心者にもわかりやすく紹介しています。

バスケの「Bリーグ」とは?

Bリーグとは、日本国内における男子プロバスケットボールのトップリーグ。

正式名称は「ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ」で、通称が「B.LEAGUE(Bリーグ)」です。

2016年に誕生し、わずか数年で知名度と観客動員を大きく伸ばしました。

リーグは3つのディビジョン(階層)を持ち、地域密着型のクラブ運営とエンターテインメント性の高い試合で、多くのファンを魅了しています。

Bリーグの歴史

Bリーグが誕生するまでの道のりは、決して平坦なものではありませんでした。

はじめに、Bリーグ発足までの歴史を解説します。

2リーグの並立

かつて日本の男子バスケットボール界は、日本プロバスケットボールリーグ(bjリーグ)と日本バスケットボールリーグ(JBL)という2つのリーグに分裂していました。

bjリーグは、2005年に公益財団法人日本バスケットボール協会(JBA)およびバスケットボール日本リーグ機構(JBL機構)から独立する形で発足。株式会社日本プロバスケットボールリーグが主催していました。

一方のJBLは、2007年から2013年まで開かれた男子セミプロバスケットボールリーグです。

2つのリーグはプロ化の方針やリーグ運営のスタンスに違いがあったため、互いに競い合う形で並立していました。

FIBAからの制裁と統一への動き

国際バスケットボール連盟(FIBA)は、日本バスケットボール界の2リーグ体制を問題視していました。

そして「国内トップリーグが分裂していることは、国際的な競技発展の妨げになる」として、次の3つの改善を求めます。

  • トップリーグの統一
  • 協会の体制および組織の改革
  • ユース世代を含めた代表強化体制

これを受けて、bjリーグとJBLは統合による完全トッププロリーグ設立を目指しましたが、企業チームがプロ化に難色を示したのです。

結果的に統合は実現せず、JBLの代わりに2013年より新トップリーグとしてナショナル・バスケットボール・リーグ(NBL)が発足。2013年からはbjリーグとNBLの2つのリーグが並立する形となりました。

2016年にBリーグ発足

2013年12月、国際オリンピック委員会(IOC)委員のパトリック・バウマン氏がJBAに対し、2つのリーグ並立を改善するよう通告します。

しかし、話がまとまらず、FIBAがJBAの会員資格を無期限停止。一時的に、日本代表は国際試合への出場ができなくなります。

その後、2020年東京オリンピック開催を見据えて、リーグ統合が決定。こうして2016年秋、Bリーグが開幕しました。

Bリーグの仕組み【2025年現在】

Bリーグについて「リーグの構造を知りたい」「日程はどうなっているの」と感じている方は多いはずです。

ここでは、Bリーグの仕組みを解説します。

Bリーグのディビジョン構成

Bリーグの組織図 2025年現在

Bリーグは2025年現在、3つのディビジョンから構成されています。

  • B1:日本バスケのトップレベルのチームが所属(24チーム)
  • B2:B1昇格を狙う強豪や発展途上のクラブ(14チーム)
  • B3:準プロ・地域密着型のクラブ

B1はBリーグの最上位リーグ。24チームが8チームずつ3地区に分かれて全60試合のレギュラーシーズンを戦います。勝敗に応じた順位でプレーオフに進出する8チームを決定します。

B2には14クラブが所属。それぞれ東地区と西地区に分かれてレギュラーシーズンを戦うリーグです。B1への昇格を目指すチームや、B1から降格してきたチームが所属しています。

B3は、B2への昇格を目指すチームやB2から降格してきたチームが所属するリーグ。これからのバスケットボール界を担う選手たちが活躍しています。現在B1とB2とは運営元が異なりますが、2026-27シーズンからB1B2と同じ運営元に統一される予定です。

Bリーグの大会方式

Bリーグに所属する各クラブは、リーグ内の順位をかけてレギュラーシーズンを戦い、レギュラーシーズン終了後には上位クラブによるトーナメント方式のプレーオフを行います。

B1のプレーオフは、年間チャンピオンをかけた「チャンピオンシップ」です。出場権は、東・中・西の各地区1位と地区2位かつ勝率の高い2チーム、全体勝率上位3チーム(ワイルドカード)に与えられます。地区成績のほか全体の勝率も鍵になるため、レギュラーシーズンで強かったチームが一発勝負で負ける可能性もあります。

B2のプレーオフはB1とほぼ同じ。優勝チームと準優勝チームはB1に自動昇格となり、3位のチームはB1のチームと入れ替え戦を行いますが、B1ライセンスを持っていないとB1には昇格できません。

B3は、B2クラブライセンスを取得しているチームのうち上位2チームが、Bリーグの理事会での入会審査をパスできたらB2に昇格となります。

Bリーグの開催日程

Bリーグのシーズンは通常10月〜翌年5月まで。

週末にホーム&アウェイで試合が組まれており、仕事帰りにも観戦しやすい時間帯での平日開催も多くなっています。

特にゴールデンウィークなどの大型連休には、集中的に試合日程が組まれるケースが多いです。

世界最高峰「NBA」とBリーグの違い

Bリーグのルールは、FIBA(国際バスケットボール連盟)に合わせて作られています。

しかし、世界最高峰のバスケットボールリーグ「NBA」のルールとは異なる部分もあるようです

ここでは、BリーグとNBAのルールの違いを、観戦前に押さえておくとより楽しめるポイントにしぼってご紹介します。

試合時間やルールの違い

まずは、試合時間の違いに注目しましょう。

  • Bリーグ(FIBAルール準拠)…1クォーター10分 × 4 = 計40分
  • NBA…1クォーター12分 × 4 = 計48分

BリーグはNBAより1試合あたり8分短くなっています。BリーグはFIBAのルールに準じているので、これは国際試合でも共通です。

その他細かいルールの違いは、下表のとおり。

ルールNBABリーグ(FIBA)
ショットクロック24秒24秒
バックコートルール8秒でフロントコートへ8秒でフロントコートへ
(旧FIBAは10秒)
ゴールテンディング厳格やや寛容
ディフェンス3秒ルールありなし

これらの違いが、両リーグの試合のテンポや戦術に影響を与えています。観戦する際は、その違いを見比べるとより楽しめるでしょう。

プレースタイルの違い

Bリーグはチームプレーや戦術を重視する傾向があり、スクリーンやパス回しで相手を崩す戦い方が多め。

一方NBAのバスケは、選手個人の身体能力の高さを活かした「魅せるプレー」が特徴です。

フィジカルや華やかさではNBAに及びませんが、Bリーグでは各チームの戦略の深さを楽しめます。

コートサイズや3Pラインの違い

BリーグとNBAでは、コートのサイズも異なります。

項目NBABリーグ(FIBA)
コートの大きさ約28.65m × 15.24m約28m × 15m
3Pラインの距離
(最長)
約7.24m約6.75m
ペイントエリア
(制限区域)
幅約4.88m幅4.9m(ほぼ同等)

コートのサイズもFIBAに準じているため、国際大会のサイズと同じです。

NBAよりBリーグのコートほうがやや狭く、3ポイントラインも近めとなっています。

BリーグやFIBAのコートサイズに慣れた選手がNBAに挑戦すると、距離やスペースの広さ、守備の間合いの違いに戸惑うこともあるそうです。

ベンチ入り人数の違い

大会・リーグロスターベンチ入り人数内訳
FIBA
(W杯・オリンピック)
12人最小5人、最大12人自国籍選手11人以上
帰化選手1人まで
Bリーグ最小10人、最大15人
(2Way契約を含むと最大18人)
最小7人、最大14人日本人選手8~9人
育成枠最大2人
外国人選手最大3人
アジア特別枠最大1人
帰化選手1人まで
NBA最小14人、最大15人最小8人、最大15人出場選手8~13人
2Way契約選手最大2人
インアクティブ2人まで

Bリーグでは独自ルールとして、外国籍選手のベンチ入り人数枠があります。

外国籍選手は最大3名まで登録可能で、帰化選手またはアジア特別枠は1名まで登録できます。

この外国籍選手の登録ルールによりクラブの戦力バランスを取りつつ、日本人選手の成長機会も確保しているのです。

Bリーグ2026-27シーズンからの変更点

紆余曲折から設立されたBリーグですが、2026−27シーズンからの大改革も発表されているのはご存知ですか?

この章では、どういった点が大きく変わるのかをご説明します。

リーグ構造が変わる

2026-27シーズンより、Bリーグの構造が大きく変わります。とくに注目すべきなのが「Bリーグプレミア(Bプレミア)」の誕生でしょう。

これは現在B1に所属するチームのなかでもプロとしての魅力と実力、環境を兼ね備えたクラブだけが参加可能となりました。

Bプレミア設立には、世界トップレベルのリーグを目指すにあたり、会場の広さや設備、観客動員、などの質をもっと高めて均一にするといった意図があります。

昇格制度がなくなる

2026-27シーズン以降の「Bプレミア」では、従来のような成績による自動昇格・自動降格の制度は廃止。昇格・降格は成績だけではなく、クラブの施設や経営などを含めて判断されるシステムに変更となります。

この変更は、Bリーグは国際的な高みを目指すための大きな一歩です。

試合開催スケジュールが変わる

Bリーグの大革新によって、レギュラーシーズンの開催スケジュールも変更となります。

現在は土曜・日曜の連戦が主ですが、2026−27シーズンから現在の土曜・日曜の試合と平日試合がバランスよく開催されるスケジュールになるそうです。

これによって、選手のコンディションの管理もしやすくなり、観客はアウェイの試合にも足を運びやすくなるはず。バスケファンは、今まで以上にアリーナに行く機会が増えることでしょう。

バスケ「Bリーグ」の見どころ

Bリーグをテレビのニュースなどでしか見たことがないものの、気になっているという方もいらっしゃるかと思います。

ここでは、Bリーグの見どころを3つに絞って解説します。

外国籍選手のダイナミックなプレー

Bリーグの最大の魅力の一つは、NBA仕込みのパワフルな外国人選手たち。

圧倒的な高さとフィジカルで繰り出されるダンクやブロックショットは、圧巻の一言につきます。

チームの得点源になっているケースが多く「この人が出てきたら要注目!」という分かりやすさもポイントです。バスケットボールの知識がさほど無い人でも、ひと目で「あの選手すごい!」と思うでしょう。

日本人選手の成長

Bリーグには、富樫勇樹(千葉ジェッツ)など、個人技で会場を沸かせる日本人スターが多数。日本代表クラスの選手たちの活躍の場でもあります。

それだけでなく、若手選手の台頭も目立っており、将来の日本代表やNBAプレーヤー候補も発見できるかもしれません。

また、Bリーグはファンと選手のSNS接点が多いのもポイント。テレビやSNSで話題の選手を実際に観られるのもBリーグならではの魅力です。

クラブごとの演出とアリーナのライブ感

Bリーグの特徴のひとつに、プロスポーツとしてのエンタメ性の高さがあります。

試合前の光や音を使った演出は、まるで音楽ライブの会場のよう。チームによって異なる応援スタイルからは、そのチームの特色や文化を感じられるでしょう。

また、アリーナグルメやチーム公式グッズも充実しているため、見て回るだけでも楽しめます。

「バスケ+α」で楽しめる要素が多いのも、Bリーグの大きな魅力です。

バスケBリーグの注目ポイント

Bリーグの試合を観戦するにあたって「どのクラブや選手に注目すべき?」と感じている方もいるはずです。

ここでは、Bリーグの注目ポイントを紹介します。

強豪チームと名門チームの存在

Bリーグでは毎年のように新勢力が台頭する一方、安定して好成績を残す名門クラブも存在します。

2024-2025年シーズンを制した宇都宮ブレックスは、歴代最多となる3度の優勝を誇る競合クラブです。堅実なディフェンスと組織力が持ち味で、田臥勇太選手が在籍していることでも知られています。

アルバルク東京は戦術的に洗練されたプレースタイルが特徴で、2018・2019年に2連覇を果たしました。

世界で活躍した選手たち

Bリーグの注目選手は、富樫勇樹選手(千葉ジェッツふなばし)、渡邊雄太選手(千葉ジェッツふなばし)、比江島慎選手(宇都宮ブレックス)などです。

富樫選手は167cmと小柄でありながら、高い技術とスピードを武器にNBAにも挑戦しました。

渡邊選手はNBA経験を持つ206cmの万能フォワードで、千葉ジェッツふなばしを優勝へ導くキーマンです。

比江島選手は抜群の得点感覚とゲームメークを兼備するSGで、東京オリンピックでは全3試合に出場しました。

地元チームと地域の関わり方

Bリーグのチームの多くは地方都市に根ざして活動しています。

練習公開やサイン会、ファンミーティングなどが身近で開催されるため「地元の誇り」「応援する理由がある」という気持ちが自然に育つのです。

また、アリーナでは地元企業の応援や地元グルメの出店、方言のアナウンスなどその土地らしさを試合の演出に反映している点も見逃せません。

試合開始前の演出やブースター(ファン)の応援スタイルをとおして「自分もチームを支えてる感覚」が味わえるのが、Bリーグの大きな魅力です。

Bリーグの楽しみ方

Bリーグの試合を楽しみたい方は、アリーナで観戦するかアプリ・配信で視聴するかの2つの方法があります。

アリーナで観戦する

生の迫力や臨場感を味わいたい方は、アリーナに来場することをおすすめします。

Bリーグのアリーナはコートと観客席の距離が近いため、選手の息遣いやドリブルの音までリアルに体感できます。

Bリーグの試合のチケットは、公式チケット販売サービス「B.LEAGUEチケット」で購入可能です。

アプリ・配信で視聴する

Bリーグの試合を自宅で楽しみたい方は、スマホアプリや配信で視聴しましょう。

Bリーグは「バスケットLIVE」や「DAZN」での全試合配信に加え、ハイライト動画や選手インタビューも充実しています。

スマホアプリではスケジュール管理や試合速報もチェックできるため、いつでもどこでも観戦が可能です。

Bリーグに関するよくある質問

最後に、Bリーグに関するよくある質問に回答します。

Q1.Bリーグの試合時間はどれくらい?

A.Bリーグ試合時間の目安は約2時間程度です。

  • 試合時間…10分✕4セット合計40分
  • インターバル…2分✕2回合計4分
  • ハーフタイム…15分
  • 延長戦(オーバータイム)…15分✕決着がつくまで
  • タイムアウト…1回60秒を最大5回

単純な試合時間だけを見てしまうと短く感じるかもしれません。しかし、それ以外の時間も加味して1試合2時間はかかると思ったほうがいいでしょう。

Q2.B1とB2のレベル差は?

A.明確なレベル差はありますが、近年はその差も縮まりつつあります。

B1は国内外のトップ選手が集まるハイレベルなリーグなため、個人能力もチーム戦術も上です。ですので、B2と比較するとゲームの質も高くなります。

とはいえ、B2にも代表経験者や外国籍選手が所属しており、ハイレベルな試合を展開しています。B2の上位チームとB1の下位チームのプレーオフともなると、接戦になるケースも多いです。

Q3.高校生や大学生でもプロ入りできる?

A.可能です。ただし、プロ入りのルートにはいくつかの条件や制度があります。

特別指定選手制度やドラフト制度を通じて、高校生や大学生がBリーグの試合に出場するケースも増えています。

Bリーグの魅力を知り、バスケットボールを楽しもう!

国内のプロスポーツの中でも成長が著しいBリーグ。

今後の発展を支えるのは選手のみではなく、Bリーグを支えるファンの熱意です。

お気に入りのクラブや選手を見つけて、ぜひBリーグの魅力に触れてみてください。

また、ENSPORTS fanではバスケットボールの基本ルール観戦マナーについての記事も公開中。そちらもあわせてチェックしてみてください。