野球の人数の基礎知識

野球の人数には明確なルールがあります。何人で戦うスポーツなのか、基礎知識を確認しておきましょう。
野球は9人で戦うスポーツ
野球は1チームにつき9人でプレーするスポーツです。攻撃時はあらかじめ提出した打順にもとづいて打席に入り、ピッチャーと勝負します。守備時にはポジションが割り当てられ、相手の攻撃を防ぐのが基本のルールです。
なお、日本プロ野球では、ポジションごとに最も活躍した選手をベストナインとして表彰します。ベストナインは直訳すると最上級の9人ですが、これは和製英語です。
指名打者制の場合は10人で戦う
パシフィック・リーグ(日本プロ野球)やメジャーリーグ(アメリア・カナダプロ野球)では、指名打者制(DH制)が採用されています。攻撃時に投手の代わりとして打席に立つ、打つ専門の指名打者を指名するルールです。
指名打者制では、先発メンバーとして10人を登録します。守備はピッチャーが、攻撃は投手の打順が回ってきたときに指名打者がおこなうルールです。攻撃と守備のとき、参加する人数が9人なのは変わりません。
野球における9人のポジションと役割

野球における9人には、それぞれ守備のときのポジションが決まっています。投手(キャッチャー)と捕手(キャッチャー)、内野手(ファースト・セカンド・サード・ショート)、外野手(レフト・センター・ライト)について、基本的な役割をまとめました。
ピッチャー
マウンドに立ち、キャッチャーに向かって投球するポジションです。ホームベースに立つバッターと勝負して、打たれないようにさまざまな球種を投げます。途中交代することが多く、登板する順番によって先発・中継ぎ・抑えと呼ばれます。
キャッチャー
防具やマスクを身に着け、ピッチャーの投球をキャッチするポジションです。サインを使って投げる球種を指示したりホームベースを守ったりと、その役割は多岐にわたります。グラウンド全体を見渡して守備全体に指示を出す、守備の要です。
ファースト
ファーストは一塁ベースの近くで守り、送球をキャッチして相手チームの選手をアウトにします。守備機会が多いため、高い捕球スキルが求められるポジションです。送球を早く取る必要があるので、背が高い選手や柔軟性が高い選手が適任とされています。
セカンド
二塁ベース周辺を守備するポジションです。一塁と二塁の間に立って広範囲をカバーします。走者が一塁にいるときプレー中に走者と打者の両方をアウトにする、ダブルプレーも重要な役割の一つです。
サード
三塁ベースの周辺を守備し、送球をキャッチして相手チームの選手をアウトにします。強烈な打球が飛んでくることが多く、スピーディーな反応と強靭な体が必要なポジションです。三塁から一塁の送球は距離が長いため、必要な場所に球を届けるための強い肩も求められます。
ショート
二塁と三塁の間を守備する、内野守備の要ともいわれるポジションです。守備範囲が広く、走りながら捕球や送球をおこなう必要があります。多様なプレーに対応しつつ素早い状況判断が求められるため、高い守備スキルが重要となるポジションです。
レフト
二塁と三塁の後方で、外野左側を守って飛んできた球に対処します。あたりの強いゴロや高いフライを確実に捕るために、足の速さと高い捕球能力が必要です。抜かれると大量得点のリスクがあるので、落下地点の予測や適切な位置取りが求められます。
センター
ライトとレフトの間で、外野中央を守備するポジションです。守備範囲が非常に広く、さらにホームまでの距離が遠いため、足の速さと肩の強さが求められます。他の外野手(ライト・レフト)に対して守備位置を指示するのも、センターの重要な役割です。
ライト
一塁と二塁の後方で、外野右側を守って飛んできた球に対処します。走者を三塁やホームで確実にアウトにする役割があるので、正確かつ鋭い送球が必要です。一塁のカバーに走ることも多いため、一定以上の体力も求められます。
野球の試合でベンチ入りできる人数

野球の試合でベンチ入りできる人数は、団体や大会によって異なります。2025年現在の人数制限を一覧でまとめました。
種類 | 最大人数 |
---|---|
日本プロ野球 | 25人 |
大学野球 | 25人(大会によっては無制限) |
高校野球 | 20人 |
メジャーリーグ | 26人 |
WBC | 30人 |
オリンピック | 24人 |
日本プロ野球の場合は、出場選手登録された29人からベンチ入りメンバーを選択するのがルールです。選手とは別枠で、コーチや監督などもベンチに入ります。
日本プロ野球で2020年に特例で28人が採用されるなど、一部例外もあります。人数の上限は変更されることもあるので、最新の情報をチェックしてください。
野球の交代人数に関するルール

野球の交代人数にはルールがあります。交代人数の制限と再出場について、くわしくまとめました。
交代人数に制限はない
野球は、交代人数に制限がないスポーツ。攻撃側・守備側のどちらでも、ベンチに選手が残っている限り何度でも交代が可能です。そのため、控えメンバーが試合に出られる確率が高いといえます。
守備の際に交換した選手が攻撃側になったら、そのまま退いた選手の打順に入ります。ピッチャーの場合は、交代した選手が最低1人の打者と対戦したあとでないと交代できません。
ベンチに下げた選手は再出場できない
野球では、一度ベンチに下げた選手の再出場が認められていません。交代のタイミングなど監督の采配によって、勝敗が左右されます。勝負どころを見極める腕が試されるので、野球観戦の際にはぜひ選手交代に注目してください。
野球で人数が不足した場合の対応

人数が9人に満たない場合は、どのような対応がとられるのでしょうか。最初から9人に満たないケースと、途中で9人以下になったケースについてそれぞれ解説します。
9人に満たない場合は助っ人を用意
野球では9人の選手がいないと試合はできません。プロ野球では考えられませんが、高校野球では9人に満たないことがあります。
そのようなケースでは、助っ人などを呼んで9人を揃えてから試合を進めるのが基本です。高校野球の場合は、9人に満たない数チームが集まってチームを組む「連合チーム」が認められています。
試合途中で9人以下になると没収試合
試合開始のとき9人いた場合でも、怪我や熱中症でプレーができなくなることがあります。ベンチに控え選手がいれば代わりに出場できますが、いなければ試合の続行は不可能です。
試合はその時点で中止になり、フォーフィッテッドゲーム(没収試合)となります。試合終了時点の点数に関係なく、人数が揃っていないチームの負けになるのがルールです。
人数とそれぞれの役割を知って野球観戦を楽しもう
野球の人数は9人が原則で、指名打者制では10人を先発メンバーとします。それぞれポジションと役割があるので、把握しておけばより野球観戦が楽しめるはずです。
ベンチ入りできる人数や交代人数に関するルールを、あわせてチェックしておきましょう。交代によって試合の行方が左右されることもあるので、ぜひ注目してください。