WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)とは、野球の国・地域別で対戦する野球の国際大会です。日本をはじめ各国が世界一を争い、白熱した戦いを繰り広げます。 本記事では、WBCの基本ルールやこれまでの試合形式をまとめました。歴代の優勝国や2026年に開催される第6回大会の概要とあわせて解説するので、ぜひ参考にしてください。

野球の国際大会であるWBCとは?

野球の世界一を決めるWBCとは、どのような大会なのでしょうか。概要と開催経緯をわかりやすく解説します。

WBCの概要

WBCとは、メジャーリーグベースボール(MLB)機構とMLB選手会が主催する野球の国際大会です。現在は4年ごとに開催されており、World Baseball Classic(ワールド・ベースボール・クラシック)の頭文字をとってWBCとしています。

いつもは異なるチームでプレーしているプロ野球選手が、国の代表として対戦するのは、他の大会ではなかなか見られません。各国のスター選手が自国代表としてプライドをかけて戦うことで、数々のドラマが生まれます。

WBCの開催経緯

MLBでは、1990年代後半に日本・韓国・南米出身の選手が急増。国際化が進んだことを背景に、MLBはさらなる市場拡大や新規ファン層の獲得を目的として、世界進出を模索するようになりました。

MLB機構のバド・セリグコミッショナーが野球マーケットやMLB拡大を目的に、「野球の世界一決定戦開催」を提唱したのがWBCの始まりです。第1回大会は2006年3月に行われ、当時は16チームが参加しました。

WBCの規定を紹介

WBCの参加条件と基本ルールをまとめました。WBCを深く理解するために、あらかじめ確認しておきましょう。

WBCの参加条件

2023年時点における選手の参加条件は以下の通りです。以下のいずれかに該当すれば、その国の代表として戦う資格があります。

  • 参加国の国籍がある
  • 参加国の永住資格を所持している
  • 参加国で生まれている
  • 両親のどちらかが参加国の国籍を保持している
  • 両親のどちらかが参加国で生まれている
  • 参加国の国籍もしくはパスポートの取得資格がある
  • 過去のWBCにおいて参加国の最終ロースター(選手登録枠)に登録されている

上記の条件さえ満たしていれば、性別や年齢は関係ありません。実力があればアマチュアでも参加できます。2023年の第5回WBCでは、初の日系人選手としてラーズ・ヌートバー選手が日本代表チームに選出されました。

WBCの基本ルール

2023年時点における、WBCの基本ルールをまとめました。

選手登録人数30人(投手14人/捕手2人の登録必須)
指名投手枠全試合でDH制を採用していて最大10人まで登録できる
延長延長10回以降はタイブレーク制
コールドゲーム1次ラウンド限定(5回以降に15点差以上・7回以降に10点差以上)
球数制限1次ラウンド65球・準々決勝80球・準決勝以降95球まで
投球間隔30球もしくは2試合連続で投げたら中1日を空ける、1試合で50球以上投げたら中4日を開ける

2026年のWBCでは、以下のようなルールが新しく追加されます。

ピッチクロック投手が打者に投球するまでに使用できる時間を制限する
ベースサイズ拡大ベース(塁)を一辺が18インチ(約45・7センチ)にする
けん制数制限けん制球は1打席2回までに制限される

メジャーリーグで採用している規定を取り入れ、上記のようにルールが統一されました。ランナー(走者)に有利なルールなので、盗塁数の大幅な増加が期待できます。

大会別WBCの試合形式

WBCの大会規定は、大会実績を反映しながら毎回改良されています。試合形式を大会ごとにまとめました。

第1回大会(2006年)第1ラウンド・第2ラウンドはリーグ戦方式、上位4チームで決勝トーナメント
第2回大会(2009年)第1ラウンド・第2ラウンドはダブルイリミネーション方式、上位4チームで決勝トーナメント
第3回大会(2013年)第1ラウンドはリーグ戦方式、第2ラウンドはダブルイリミネーション方式、上位4チームで決勝トーナメント
第4回大会(2017年)第1ラウンド・第2ラウンドはリーグ戦方式、上位4チームで決勝トーナメント
第5回大会(2023年)第1ラウンドはリーグ戦方式、第2ラウンドは廃止、上位8チームで決勝トーナメント

WBCにおけるリーグ戦とは、分けられた組内で総当たりで戦う方式です。ダブルイリミネーション方式とは、2敗した時点で敗退になる方式をさします。

これまでのWBCの結果一覧

2006年の第1回大会から2023年の第5回大会まで、WBCの結果を一覧でチェックしてみましょう。優勝国とベスト4までを紹介します。

優勝準優勝3位4位
第1回大会日本キューバ韓国ドミニカ共和国
第2回大会日本韓国ベネズエラアメリカ合衆国
第3回大会ドミニカ共和国プエルトリコ日本オランダ
第4回大会アメリカ合衆国プエルトリコ日本オランダ
第5回大会日本アメリカ合衆国メキシコキューバ

第1回大会から第4回大会の本戦には16カ国、第5回大会は20カ国が参加しました。3位と4位は、大会を通じた勝敗の数で順位を決定します。

2026年に開催されるWBCについて紹介

2026年には第6回のWBCが開催されます。参加国や試合形式、観戦方法を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

参加国

2026年の第6回大会には予選を含めて24カ国が参加します。そのうち予選を勝ち抜いた4カ国と招待された16カ国を合わせた20カ国・地域が本戦で戦います。

参加国出場回数
招待参加
日本6回招待
アメリカ合衆国6回招待
メキシコ6回招待
キューバ6回招待
ベネズエラ6回招待
プエルトリコ6回招待
オーストラリア6回招待
イタリア6回招待
ドミニカ共和国6回招待
オランダ6回招待
韓国6回招待
カナダ6回招待
パナマ4回招待
チェコ2回招待
イスラエル3回招待
イギリス2回招待
ニカラグア2回予選
台湾6回予選
コロンビア3回予選
ブラジル2回予選

第5回大会(2023年)の第1ラウンドで4位以内に入った16チームは招待参加とされ、自動的に出場します。さらに2025年の予選に勝ち抜いた4チームを加えて、本戦で戦うのが基本のルールです。

試合形式

2026年のWBCでは、まず5チームごとに4つのグループに分かれて総当たり戦をおこないます。その結果によって、各グループ上位2チームが準々決勝に進出する形式です。

出場国開催地開催日時
Pool Aプエルトリコ/キューバ/カナダ/パナマ/コロンビアヒラム・ビソーン・スタジアム(プエルトリコ)3月6日~11日
Pool Bアメリカ/メキシコ/イタリア/イギリス/ブラジルダイキン・パーク(アメリカ・ヒューストン)3月6日~11日
Pool C日本/オーストラリア/韓国/チェコ/台湾東京ドーム(日本)3月5日~10日
Pool Dベネズエラ/ドミニカ共和国/オランダ/イスラエル/ニカラグアローンデポ・パーク(アメリカ・マイアミ)3月6日~11日
準々決勝各グループ上位2チームダイキン・パーク/ローンデポ・パーク3月13日・14日
準決勝勝ち上がった4チームローンデポ・パーク3月15日・16日
決勝勝ち上がった2チームローンデポ・パーク3月17日

日本が参加するPool Cは、東京ドームで試合が行われます。チケットを購入すれば試合観戦も可能なので、ぜひ検討してください。

観戦方法

各プールのチケットは販売期間になれば、公式サイトやコンビニなどで購入できます。東京ドームで行われるPoolCのチケット販売開始期間は、以下の通りです。

日本戦4試合セットチケット2025年10月1日~10月24日
1試合ごとのシングルゲームチケット2026年1月15日~

現時点での予定では、2026年のWBCは地上波での放送は予定されていません。すべての試合はNetflixが独占配信する見込みですので、視聴を希望する場合は契約を検討しましょう。

WBCで世界一を見届けよう

WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)は、野球の世界一を決める大会です。各国のスター選手が集まり、自国の優勝をかけて戦います。

最高レベルの戦いが繰り広げられ、過去の大会と同様に多くのドラマや感動が期待できます。2026年のWBCについても紹介したので、試合会場やテレビで世界一を見届けてみてはいかがでしょうか。

ENSPORTS fanでは、野球観戦をたくさんの方々に楽しんでいただくために、観戦マナーや観戦初心者のためのルール解説記事なども公開中。そちらぜひチェックしてみてください。