バレーボールの試合を見ていると、突然選手が入れ替わったり、短い間だけコートに立つ選手がいたりする場面に遭遇することがあります。「なぜ今この選手が出てきたのか」「交代は何回までできるのか」と疑問に思った経験はありませんか。本記事では、バレーボールの選手交代について、基本ルールから戦術的な使い方までをくわしく解説します。

そもそもバレーボールの選手交代とは?

バレーボールの選手交代とは、試合中にコート内の選手とベンチの選手を入れ替えることです。

ケガや体調不良への対応はもちろん、戦術的な目的で行われることが多く、監督の采配が色濃く表れる場面でもあります。

サッカーやバスケットボールとは異なり、バレーボールの選手交代には細かく定められた回数制限や条件があります。

回数制限や条件があるからこそ、「いつ・誰を・なぜ交代させるか」が非常に重要です。

とくに6人制バレーボールでは、ローテーションやポジションとの関係も深く、交代の意味を理解することで試合の見え方が大きく変わります。

6人制バレーボールの選手交代ルール

国際大会やプロリーグでは、6人制バレーボールが採用されています。

今回は、6人制バレーボールの選手交代ルールについて解説します。

1セットにつき最大6回

6人制バレーボールでは、1セットにつき1チーム最大6回まで選手交代が認められています。

各試合にエントリーしてベンチ入りできる選手の合計人数は、原則として1チームあたり12名以上14名以下です。

つまり、1セットでメンバーの大部分を交代することが可能です。

ただし、同一選手同士でしか再交代できないため、ベンチ人数が多くても自由に入れ替えられるわけではありません。

監督は限られた交代枠をどこで使うか、常に計算しながら試合を進める必要があります。

同じ選手同士でしか再交代できない

バレーボールの選手交代で最も特徴的なのが、一度交代した選手は、元の選手としか再交代できないルールです。

たとえば、A選手とB選手が交代した場合、その後コートに戻れるのは「B選手 → A選手」の組み合わせのみで、他の選手とは交代できません。

このルールにより、無制限に選手を入れ替えることはできず、交代には明確な計画性が求められます。

リベロの交代回数は無制限

リベロの交代は回数無制限で、通常の選手交代回数には含まれません。

リベロとは、攻撃に参加できない守備専門のポジションで、他の選手とは異なる特別な交代ルールが適用されます。

ただし、リベロは誰とでも自由に入れ替われるわけではありません。特定の後衛選手1名もしくは2名のみと交代可能です。

この担当選手はセットごとに変更できます。

同時に2人の交代も可能

バレーボールでは、条件が整えば同時に2人の選手を交代させることが可能です。

ただし、1人交代を1回とカウントするため、2人ずつなら2回、3人ずつなら3回とカウントされます。

実際には2人同時の交代が行われるケースが多いですが、交代人数分だけ回数としてカウントされるルールです。

複数人の交代が行われるのは、主に流れを一気に変えたい場面や、前衛・後衛をまとめて入れ替えたいときなどがもっとも多い理由と考えられます。

選手交代が成功すると、試合の雰囲気が大きく変わることも少なくありません。

交代できるタイミング

バレーボールで選手交代ができるのは、ボールがデッドになったタイミングのみです。

ラリー終了後、タイムアウト中、セット間のインターバル中などが該当します。

プレーが続いている最中に交代することはできません。

選手交代の申請方法

バレーボールの選手交代は、監督またはゲームキャプテンが副審にシグナルを送り申請します。

公式戦では記録員や審判が厳密にチェックしており、申請が遅れたり不適切だった場合は認められないケースもあります。

戦術としての選手交代

バレーボールの選手交代は、単に疲れた選手を休ませるためのものではありません。

試合の流れを変えたり、相手の戦術に対抗したりと、監督の意図が色濃く表れる重要な戦術のひとつです。

ここでは、実際の試合でよく見られる代表的な交代パターンを紹介します。

流れを変えるための交代

1つ目の交代パターンは、流れを変えるための交代です。

主に連続失点が続いたり、チーム全体の雰囲気が沈んでしまったりしたときに行われます。

この場合、必ずしも技術的に優れた選手が投入されるとは限りません。

声を出してチームを盛り上げられる選手や、思い切りの良いプレーができる選手を入れることで、コート内の空気を一気に変える狙いもあります。

試合を観戦していると、「なぜこのタイミングで交代なんだろう」と感じることがあるかもしれません。

しかし、監督は選手の表情や集中力の低下を見て、選手交代を判断しているケースも少なくありません。

サーブ強化のための交代

2つ目の交代パターンは、サーブ強化のための交代です。

サーブ強化のための交代は、主にサーブレシーブを崩しやすい相手を狙ったり、一気に流れを引き寄せたいときに使われます。

強烈なジャンプサーブや狙いすましたフローターサーブなど、1本で試合の流れを変えられる可能性があるのが特徴です。

サーブ専門で投入された選手が、1本で交代するケースも珍しくありません。

ブロック力を高める交代

3つ目の交代パターンは、ブロック力を高める交代です。

相手のエースアタッカーに連続して得点を許している場合、ブロック力を強化するための交代が行われることがあります。

とくに身長が高く、ブロックのタイミングに優れた選手を前衛に入れることで、相手の攻撃コースを限定してミスを誘う狙いがあります。

終盤に多い交代パターン

試合終盤では、サーブ要員、ブロック要員、安定感のある選手などがピンポイントで使われる場面が増えます。

また、プレッシャーのかかる場面では、経験豊富なベテラン選手が投入されるケースもあります。

ミスが少なく冷静にプレーできるという点は、試合終盤では大きな武器です。

バレーボールの選手交代に関するよくある質問

最後に、バレーボールの選手交代に関するよくある質問に回答します。

Q1. 6人制と9人制ではルールが異なる?

6人制と9人制では、交代回数だけでなく、再交代の制限やポジションの考え方にも違いがあります。

9人制バレーボールの選手交代は、1セットにつき6回まで可能です。

また、9人制は前衛・後衛の区別がないフリーポジションシステムが採用されているため、交代選手はどのポジションに入っても問題ありません。

ただし、選手交代でコートに入ったプレーヤーがベンチに戻った場合は、そのセットではもうコートに入ることはできません。

Q2. ケガ人が出た場合はどうする?

試合中にケガや体調不良でプレー続行が不可能になった場合、リベロ以外のプレーヤーと選手交代が行われます。

すでに交代回数の上限に達している場合でも、例外的な交代が認められます。

Q3. 交代が遅れるとペナルティはある?

選手交代の手続きが遅れたり規定のタイミングを守らなかったりした場合には、ペナルティが科される可能性があります。

たとえば、プレー続行中に交代を申請した場合や、選手が交代ゾーンに正しく入らなかった場合などです。

ペナルティを課されないために、ベンチは常に次の交代を想定し、タイミングを見極めながら準備を進めています。

Q4. 交代ミスは反則になる?

ルールに違反した選手交代は認められません。

公式戦では、記録員や審判が厳密に交代を管理しています。

ただし、小規模な大会では記録員や審判が交代ミスを見逃すケースがあるかもしれません。

試合中に交代ミスが判明した場合は、その時点で反則として処理されます。一方、試合後に発覚した場合でも、規定に基づき反則となる可能性があります。

選手交代ルールを知ると試合の見方が変わる

バレーボールの選手交代は、試合の流れや勝敗を大きく左右する重要な戦術のひとつです。

「なぜこのタイミングで交代したのか」「この選手にはどんな役割があるのか」に注目すると、試合は一気に奥深いものになります。

選手交代ルールを理解したうえで観戦すると、監督の意図や試合の流れを読み取れるようになるはずです。

次にバレーボールの試合を観戦するときは、ぜひ選手交代にも注目してみてください。

ENSPORTS fanでは、バレー観戦をたくさんの方々に楽しんでいただくために、観戦マナーや観戦初心者のためのルール解説記事なども公開中。そちらもぜひチェックしてみてください。