欧州各国の強豪クラブのみでなく、実力を秘めた中堅クラブや新興勢力が覇権を争うUEFAヨーロッパリーグ。 出場に至るまでの過程にも物語があり、若手選手の台頭や予想外の番狂わせなど、サッカーファンの心を揺さぶる要素が詰まっています。 本記事では、ヨーロッパリーグの歴史や見どころ、視聴方法などをくわしく解説します。

UEFAヨーロッパリーグとは?

UEFAヨーロッパリーグは、欧州サッカー連盟(UEFA)が主催するクラブチームによる大会。

参加クラブは欧州各国の中位〜上位チームが中心で、出場権をかけた戦いから決勝に至るまで多くのドラマが生まれています。

UEFAチャンピオンズリーグが「王者の舞台」だとすると、ヨーロッパリーグは「挑戦者の舞台」。予想外のクラブが躍進するなど、熱い展開がみられることでも注目されています。

サッカーファンのあいだでは、若手選手の才能が花開く場所としても有名です。

UEFAヨーロッパリーグの歴史

UEFAヨーロッパリーグの前身は、1955年から1971年にかけて行われていたインターシティーズ・フェアーズカップです。

1971年にUEFAカップとして正式に発足し、1999年にUEFAカップウィナーズカップに吸収される形で統合しました。

UEFAカップウィナーズカップとは、かつて存在していた欧州各国のカップ戦優勝クラブによる国際大会です。

さらに、2009-10シーズンよりUEFAヨーロッパリーグと改名され現在に至ります。

UEFAヨーロッパリーグの基本情報

UEFAヨーロッパリーグの概要が分かったところで、大会形式や出場条件などをくわしく説明します。

大会形式

UEFAヨーロッパリーグは、予選ラウンドから始まります。

参加する36クラブで1つのリーグを掲載し、各チームは異なる8チームとホーム&アウェイ形式で各4試合ずつ戦います。この予選ラウンド成績上位8クラブが、自動的に決勝トーナメントに進出となるシステムです。

9〜24位のクラブはプレーオフを行い、この勝者8クラブを加えた16クラブが決勝トーナメントに進めます。これがラウンド16です。

決勝トーナメントは、準決勝まではホーム&アウェイ方式。そのなかで合計得点数が多いクラブが次のラウンドに進出となります。

決勝は1試合のみを実施し、90分間で決着がつかない場合には延長戦もしくはPK戦で勝敗を決定します。

定期的なフォーマット変更がある

UEFAヨーロッパリーグでは、定期的にフォーマットの変更が行われています。

元々はホーム&アウェイ形式によるトーナメント方式の大会として始まり、1997-98シーズンより決勝が決められた開催地での1試合制と変更になりました。

2004-05シーズンからは、リーグ戦方式によるグループステージを導入しています。

2024-25シーズンからも大きなフォーマットの変更があり、出場枠が32クラブから36クラブへと拡大。さらにグループステージを4チーム8組に分けるフォーマットが廃止され、スイス式トーナメント(総当たり方式)が導入されました。

出場できるかはUEFAランキング次第

UEFAヨーロッパリーグに出場できるのは、国内リーグ戦、国内カップ戦、UEFAランキングにおいて一定の条件を満たしたクラブのみ。

国別の出場枠やどのレベルから参加できるかは、UEFAランキングのカントリーランキングによって決定されます。

また、同じシーズンのUEFAチャンピオンズリーグの敗退クラブの一部も本大会に出場します。

優勝クラブはUEFAチャンピオンズリーグに出場できる

UEFAヨーロッパリーグで優勝する最大のメリットは、翌シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ予選ラウンドへの出場権が与えられることです。

加えてUEFAからの賞金、クラブランキングの向上、スポンサー収入の増加といった副次的なメリットも数多くあります。

UEFAヨーロッパリーグとUEFAチャンピオンズリーグの違い

UEFAヨーロッパリーグと混同しやすいのが、同じくUEFAが主催するチャンピオンズリーグです。

つづいては、2つのクラブサッカートーナメントの違いを解説します。

トーナメントの権限

UEFAチャンピオンズリーグは、UEFAが主催する最高峰のクラブサッカートーナメントです。

一方のUEFAヨーロッパリーグは、UEFAチャンピオンズリーグの下位大会に位置付けられています。

参加クラブの実力

UEFAチャンピオンズリーグには、欧州トップリーグの上位クラブや、前シーズンに同大会で上位を収めたクラブが参加します。

一方のUEFAヨーロッパリーグには、欧州トップリーグの中位から下位クラブが中心に参加します。

つまり、参加クラブの実力はUEFAチャンピオンズリーグのほうが格上です。

優勝するメリット

UEFAチャンピオンズリーグ優勝は世界一の名誉とされ、クラブのブランド価値を飛躍的に高めます。

また、翌シーズンのUEFAチャンピオンズリーグに自動的に進出できる点も大きなメリットです。

一方、UEFAヨーロッパリーグで優勝すると、翌シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ予選ラウンドへの出場権を得られます。

ただし、自動的な本戦出場権は得られません。

UEFAヨーロッパリーグの見どころ

UEFAヨーロッパリーグを一度も視聴したことがないものの、気になっている方は多いはずです。

ここでは、UEFAヨーロッパリーグの見どころを解説します。

多様なクラブの競演

ヨーロッパリーグの醍醐味のひとつが、普段あまり目にすることのないクラブが強豪と対峙することにあります。

知名度の低いクラブがトーナメントを勝ち進む姿は、サッカーファンにとって新鮮で刺激的な光景です。

ドラマティックな試合展開

トーナメントの特性上、逆転劇や接戦が頻発するのもUEFAヨーロッパリーグの見どころといえます。なかでも有名なのが2015-16シーズンの準々決勝、リヴァプール対ドルトムントです。

第1戦を0-3で落としたリヴァプールは、2回戦でドルトムントを4-0で下し、2戦合計4-3でファイナル進出を決めました。

この試合は、リヴァプールの本拠地で行われたことから「アンフィールドの奇跡」として語り継がれています。

若手選手の成長

UEFAヨーロッパリーグの見どころのひとつとして、若手選手の発掘や成長を見守れる点が挙げられます。

多くのクラブが若手選手を起用するため、サッカーファンにとっては将来のスターをいち早く発見できるチャンスです。

将来のスターとなる選手がUEFAヨーロッパリーグから生まれるケースも珍しくありません。

UEFAヨーロッパリーグは日本からも視聴できる

日本国内からUEFAヨーロッパリーグの試合は視聴可能です。

UEFAヨーロッパリーグ2024-25の試合をフル視聴できるのは、「ABEMA de WOWSPO」と「WOWOWオンデマンド」のみとなります。

いずれも有料となりますが、欧州サッカーファンにとっては十分価値があるでしょう。

残念ながら2024-25シーズンの地上波での放送予定はありません。

欧州サッカーを深く楽しむならUEFAヨーロッパリーグは見逃せない

UEFAチャンピオンズリーグが脚光を浴びる一方で、UEFAヨーロッパリーグは隠れた名舞台としての魅力に満ちています。

珍しい対戦カードや若手選手の活躍、そしてドラマチックな試合展開。

UEFAチャンピオンズリーグには、欧州サッカーの楽しさと奥深さが詰まっています。

UEFAヨーロッパリーグは、世界中のサッカーファンがリアルタイムで視聴可能です。

欧州サッカーを思う存分楽しみたい方は、ぜひUEFAヨーロッパリーグの試合をチェックしてみてください。