フランスのプロサッカーリーグ「リーグ・アン」は、欧州5大リーグのひとつです。パリ・サンジェルマンFCを筆頭に、ASモナコやスタッド・ブレスト29などの名門クラブがしのぎを削り、多くの才能ある選手が活躍しています。本記事では、リーグ・アンの歴史や仕組み、観戦方法などをくわしく解説します。

リーグ・アンとは

リーグ・アンは、フランスのプロサッカーリーグのトップディビジョン(1部リーグ)です。

スポンサーシップにより「リーグ・アン マクドナルド」と呼ばれています。

リーグ・アンは世界5大リーグ(プレミアリーグ、ラ・リーガ、セリエA、ブンデスリーガ、リーグ・アン)のひとつで、世界的に高い評価を受けているリーグです。

フランスの歴史的経緯から、アフリカ系の黒人選手が多く所属している点も大きな特徴。その影響もあってか、チームプレーよりも個人技やフィジカルに頼った戦略を使うクラブが目立ちます。

また、リーグ・アンには、各国の代表選手が多数在籍しているのもポイント。UEFAランキングで1位を獲得したことがないため欧州最上位リーグとはいえませんが、ハイレベルなリーグであることは間違いありません。

リーグ・アンの基礎知識

リーグ・アンの概要が分かったところで、さらに知識を深めていきましょう。

ここでは、リーグ・アンの歴史や仕組みなどをくわしく解説します。

リーグ・アンの歴史

リーグ・アンは、1932年に発足した大変歴史のあるサッカーリーグのひとつ。2002−2023シーズンに「リーグ・アン」と改称される前は、「ディヴィジオン・アン」という名称でした。

2000年まではサンテティエンヌがリーグ優勝9回が最多でしたが、2000年以降はリヨンが一時代を築きます。

一方で、資金力を持つビッグクラブが力を発揮できず、順位が予測しにくい時期が続く事態となりました。

その後、2010年代はパリ・サンジェルマンが10年間で7度の優勝を果たしています。

リーグ・アンの仕組み

リーグアンの昇格・降格のしくみ

リーグ・アンは18クラブで構成され、各クラブは互いの本拠地でホーム&アウェイの総当たり戦を行います。

かつては20クラブで構成されていましたが、2023-24シーズンより18クラブ制に移行されました。

勝ち点は勝利=3、引き分け=1、敗北=0で、最終順位は計34試合の勝ち点で決定します。

シーズン終了後、リーグ・アンの下位2クラブとリーグ・ドゥ(2部リーグ)の上位2クラブが自動的に入れ替わるシステムです。

リーグ・アンの16位クラブは、リーグ・ドゥの3位クラブと入れ替え戦を行います。

またリーグ・アン上位チームには、UEFAチャンピオンズリーグやUEFAヨーロッパリーグなどへの出場権が与えられます。

リーグ・アンの試合日程

リーグ・アンは秋春制を導入しており、シーズン開幕は8月。クリスマス前後には短いウィンターブレイクをはさみ、翌年5月に終了するスケジュールです。

とくにシーズン終盤は、UEFA大会出場権争いや降格争いが白熱するため、ファンにとっては見逃せない時期となります。

ヨーロッパのサッカーリーグでは、リーグ・アンと同様に秋春制を導入していることが多く、世界5大リーグもすべて秋春制。それにならって、日本のJリーグにおいても2026年より秋春制移行が始まる予定です。

リーグ・アンの有名クラブとスター選手

リーグ・アンに所属する全18クラブのなかには、多くの名門クラブが存在します。

2024-2025シーズンの所属クラブは次のとおりです。

リーグアン所属クラブ一覧(タッフすると開きます)

クラブ名ホームタウンホームスタジオ
アンジェSCOアンジェスタッド・レイモン・コパ
AJオセールオセールスタッド・ドゥ・ラベ・デシャン
スタッド・ブレスト29ブレストスタッド・フランシス=ル・ブレ
ル・アーヴルACル・アーヴルスタッド・オセアン
RCランスランススタッド・フェリックス・ボラール
LOSCリールリールスタッド・ピエール=モーロワ
オリンピック・リヨンリヨンパルク・オリンピック・リヨン
オリンピック・マルセイユマルセイユスタッド・ヴェロドローム
ASモナコモナコスタッド・ルイ・ドゥ
モンペリエHSCモンペリエスタッド・ドゥ・ラ・モッソン
FCナントナントスタッド・ドゥ・ラ・ボージョワール
OGCニースニースアリアンツ・リヴィエラ
パリ・サンジェルマンパリパルク・デ・プランス
スタッド・ランスランススタッド・オーギュスト=ドローヌ
スタッド・レンヌレンヌロアゾン・パルク
ASサンテティエンヌサン=テティエンヌスタッド・ジェフロワ=ギシャール
RCストラスブールストラスブールスタッド・ドゥ・ラ・メノ
トゥールーズFCトゥールーズスタジアム・ドゥ・トゥールーズ

最多優勝回数は、パリ・サンジェルマンの12回。以降はサンテティエンヌの10回、マルセイユの9回と続きます。

これらの名門クラブはブラジル代表のネイマールやアルゼンチン代表のメッシ、フランス代表のムバッペなど、サッカー界の大スターを輩出。今もなお才能ある若手選手が次々と誕生しています。

リーグアンの魅力

サッカー観戦初心者に向けて、リーグアンというサッカーリーグの魅力を解説します。

魅力的なチームと選手たち

リーグ・アンには、世界的に有名なクラブが多数存在します。

特に注目すべきは、パリ・サンジェルマンでしょう。

パリ・サンジェルマンは、ネイマールやムバッペといったスーパースターを輩出したクラブで、攻撃的なスタイルで知られています。試合で見られる華麗なパスワークやドリブル突破は、サッカー観戦初心者でも魅了されるはず。

他にも、オリンピック・マルセイユやオリンピック・リヨン、ASモナコなど、歴史あるクラブが競い合っています。これらのクラブによって毎試合白熱した戦いが展開されるため、世界のサッカーファンにとっては見逃せないリーグといえます。

若手選手の登竜門

リーグ・アンは若手選手の育成にも力を入れており、多くの若手選手がここでキャリアをスタートさせています。

一部のサッカーファンから「才能の温床」とも言われており、フランス国内だけでなくアフリカ諸国などからも才能ある選手が集まっています。世界中の才能がリーグ・アンで経験を積み、世界に羽ばたいていくのです。

例えば、キリアン・ムバッペはモナコ時代にリーグ・アンでデビューし、その後パリ・サンジェルマンで大活躍。現在は、ラ・リーガのレアル・マドリードでプレイしています。

エンターテインメント性の高さ

先述のとおり、リーグ・アンの試合は攻撃的で華やかなプレースタイルが特徴です。

試合展開が速く、ゴールラッシュが頻繁に起こるため、観戦する側も非常に楽しめるはず。

特にパリ・サンジェルマンなどの強豪チーム同士の試合となると、世界的なスター選手同士の白熱したプレーに思わず釘付けに。サッカーにさほど詳しくなくても、一度観戦するとその凄さに圧倒されるでしょう。

日本人選手の活躍

2024-2025シーズン、リーグ・アンでプレーする日本人選手は以下の5名です。

  • 南野拓実(ASモナコ)
  • 伊東純也(スタッド・ランス)
  • 中村敬斗(スタッド・ランス)
  • 関根大輝(スタッド・ランス)
  • オナイウ阿道(AJオセール)

スタッド・ランスには、伊東選手、中村選手、関根選手の3名が所属しています。同クラブに複数の日本人選手が同時所属するケースは珍しく、大きな注目を集めています。

南野選手は2022年夏にASモナコに移籍しましたが、シーズン1年目は思うような結果を残せませんでした。しかし、2023-24シーズンになると好調を見せ、8月度月間最優秀選手に選出されています。

阿道選手は2021年夏にトゥールーズFCに移籍し、シーズン1年目から大きな活躍を見せました。2023年夏にリーグ・ドゥに降格したAJオセールに移籍し、1年での1部リーグ復帰に貢献しています。

日本からも視聴しやすい

リーグ・アンの試合は日本国内でも視聴可能。地上波テレビでの放送はありませんが、2024-25シーズンはDAZNで独占配信されています。

DAZNとは、DAZNグループが運営するスポーツ専門のビデオ・オン・デマンド・サービス。

リーグ・アンを視聴できるサービスはDAZN、DMM×DAZNホーダイ、ABEMA de DAZNの3つで、いずれも残念ながら無料トライアルはありません。

現地観戦を希望する場合は、旅行会社が企画しているツアーがいいでしょう。ツアーには観戦チケットをはじめ、航空券や宿の手配もすべて含まれているため、海外渡航に慣れてい無い人にもおすすめです。

添乗員も同行するため、海外旅行が初めての方や現地の言葉が分からない方も安心です。

観戦チケットは各クラブの公式サイトからも購入可能なため、個人で現地に向かう方も少なくありません。

リーグ・アンは欧州5大リーグのひとつ

リーグ・アンはフランスのプロサッカー1部リーグで、欧州5大リーグのひとつです。

リーグ・アンはプレミアリーグやラ・リーガと比べると注目度がやや低いものの、近年リーグのレベルは向上しています。

若手選手の育成にも力を入れており、将来のスター選手が誕生する可能性が高いリーグです。

今後もリーグ・アンの成長と若手選手たちの活躍を見守っていきましょう。