ゴールエリアから蹴るゴールキックの行方は、戦況を左右することがあります。基礎知識を知っておくことで、サッカー観戦をさらに楽しめるはずです。 本記事では、ゴールキックの意味や与えられる条件をまとめした。基本的なルールや2019年のルール改正の概要、その他の再開方法とあわせて解説するので、ぜひチェックしてください。

ゴールキックとは?

サッカーにおけるゴールキックの意味を紹介します。与えられる条件と、試合への影響を解説しましょう。

ゴールキックは再開方法の一つ

ゴールキックとは、守備側のキッカーがゴールエリア内から静止したボールを蹴る再開方法です。ゴールエリアは、ゴール前にある2つの長方形のうち内側のエリア(5.5m×18.32m)を指します。

主審はゴールエリアを腕で指す、副審は旗を右手に持ってゴールエリアの方を指すのがゴールキックのシグナルです。基本的にゴールキーパーが蹴りますが、ロングキックが得意な選手がおこなうこともあります。

攻撃側が触れてゴールラインを超えたときに与えられる

ゴールキックは、攻撃側の選手が最後に触れたボールが完全にゴールラインを越えて得点にならなかったとき守備側に与えられます。ゴールラインとは、フィールドを長方形としたときの短い辺のことです。

シュートが外れて、ゴールラインからボールを越えたときなどが該当します。なお、守備側の選手が最後に触れてゴールラインを超えた場合は、コーナーキックで再開です。

ゴールキックが戦況を左右することも

ゴールキックの蹴り方が、戦況を左右することがあります。遠くに蹴ったり正確に蹴ったりすることで、チャンスが生まれることは少なくありません。

一方で、自陣のゴールの近い場所から蹴るため、相手チームにボールを奪われて失点することもあります。

チャンスやピンチにつながるゴールキックの行方に注目して、サッカー観戦を楽しみましょう。

ゴールキックの基本的なルール

ゴールキックの基本的なルールをまとめました。基本のルールを確認することで、試合を深い視点で楽しめるはずです。

ゴールエリア内ならどこでもいい

ゴールキックは、ゴールエリア内であればどこからでも蹴ることができます。ゴールエリアのライン上も範囲内。キッカーは相手ゴールに近いライン上に置くのが一般的です。

副審はボールがゴールエリア内にあるか確認して、正しく置かれていない場合は主審に知らせます。蹴るときボールは完全に静止した状態で始める必要があり、動いていた場合はやり直しです。

キッカーはドリブルから始められない

ゴールキックのキッカーは、ドリブルから始めることができません。蹴ったあと他の選手が触れてからでないと、ボールに触れられないルールです。

キッカーがドリブルをした場合は、相手側に間接フリーキックが与えられることに。また、キッカーがゴールキーパーのときに限り、手で触ったときも間接フリーキックになります。

オフサイドは適用されない

ゴールキックのときは、オフサイドのルールが適用されません。オフサイドとは、攻撃側の選手が得点のために守備チームのフィールドで待ち伏せすることです。

ディフェンスラインに関係なく、どこからボールをもらってもOK。ただし、インプレー中のゴールキーパーがキャッチしたボールを蹴り出すドロップキックやパントキックは、オフサイドの対象です。

相手選手はペナルティエリア外に待機する

相手チームの選手は、ゴールキックのときペナルティエリア内から出て待機しなければいけません。ペナルティエリアとは、ゴール前にある2つの長方形のうち外側のエリア(16.5m×40.32m)のことです。

ただし、ゴールキックでは、主審の笛を待たずに試合を再開するクイックスタートが認められています。相手チームの守備が整っていない隙を狙い、チャンスを作る事が可能です。クイックスタートのときは、相手選手がペナルティエリア内にいても問題ありません。

直接ゴールに入ったら得点になる

ゴールキックが直接ゴールに入ったときは、得点として認められます。ただし、相手のゴールまでは遠いため、そのまま入るのは非常に稀です。

また、自陣のゴールに直接入った場合、ボールが前に進まずインプレーになっていないならゴールキックはやり直しになります。インプレーになったあとなら、相手チームのコーナーキックです。

2019年に改正されたゴールキックのルール

ルール改正の以前は、「キッカー以外の選手がボールに触れられるのは、ペナルティエリアを出てから」との要件がありました。2019年にこの要件は削除され、ボールが蹴られて動いた瞬間からインプレーになると改正されています。

そのため味方の選手は、ペナルティエリア内でボールをもらうことが可能になりました。ただし、相手チームの選手はクイックスタートのときを除き、ボールが蹴られてインプレーになるまでペナルティーエリア内には入れません。

ゴールキック以外の再開方法まとめ

サッカーでは、ゴールキック以外にもさまざまな再開方法があります。それぞれの基本ルールを紹介するので、ぜひチェックしてください。

コーナーキック

コーナーキックとは、コートの角(コーナーアーク)にボールを置いて蹴ることです。守備側の選手もしくはゴールキーパーが最後にボールに触れて、ゴールラインを超えたときに与えられます。

高い確率で得点につながるため、攻撃側の選手にとって大きなチャンスになる再開方法です。コーナーキックでは、直接ゴールが入っても得点になります。なお、守備側の選手が最後に触れてゴールラインを超えた場合、与えられるのはゴールキックです。

スローイン

スローインとは、ボールがタッチラインから超えた場所から両手を使ってボールを投げ入れることです。タッチライン(フィールドを長方形としたときの長い辺)を超えたときに、最後にボールに触れた選手の相手チームに与えられます。

両足を地面につけ、両手で頭の後ろから投げ入れるなど投げ方にはルールがあり、破ると反則(ファウルスロー)に。スローインが直接ゴールに入った場合は、得点として認められません。

フリーキック

フリーキックとは、相手チームが反則を犯したときその場所からボールを蹴ることができるプレーです。反則の種類によって以下に分類されます。

直接フリーキック身体的な接触がある反則などに与えられ、直接ゴールを狙うことができる
間接フリーキック身体的な接触がない反則などに与えられ、直接ゴールを狙うことはできない

間接フリーキックは、2人以上に選手が触れたあとでないとゴールにはなりません。そのため直接フリーキックのほうが、得点につながりやすい傾向があります。

PK(ペナルティキック)

PKは、ペナルティエリア内での反則があったとき相手チームに与えられます。直接フリーキックに該当する反則などが対象なので、身体的接触がない反則のときは間接フリーキックです。

ボールが静止した状態で相手の妨害を受けず、ゴールキーパーと1対1で蹴ることができます。キッカーが有利とされているためゴールが決まる確率が高く、勝敗を大きく左右しやすいことが特徴です。

ドロップボール

サッカーの試合が審判の判断で中断されたときの再開方法です。反則以外での選手の負傷や動物の乱入など、競技規則に規定されていない理由による中断のときに実施します。

審判がボールを落とし、最後にボールに触れたチームの選手がとるのが基本のルールです。参加する選手以外は、ボールから4m以上離れていなければいけません。

ゴールキックによる試合の変化を楽しもう

ゴールキックは、攻撃側の選手が最後に触れたボールがゴールラインを超えたとき守備側に与えられます。大きなチャンスを生んだり、逆にピンチを招いたりすることも少なくありません。

サッカー観戦をより深い視点で楽しみたいなら、ぜひゴールキックのルールをチェックしておくのをおすすめします。キッカーがどこに蹴るのかに注目して、戦況の変化を楽しみましょう。