野球のスコアボードとは?

野球におけるスコアボードとは、選手名や得点など試合に関する情報を表示するための設備です。その目的は、選手や審判、観客に試合の状況をわかりやすく伝えることにあります。
スコアボードは、野球場のライトとレフトの中間付近、外野フェンスの中央後方に設置されているのが一般的です。プロ野球では電光掲示板ですが、高校野球や少年野球では手書きのスコアボードを使用しているケースもあります。
一目で試合状況を把握できるのがスコアボードの魅力です。リアルタイムで状況を共有できるため、観客の興奮を高め、試合をいっそう盛り上げる役割も果たしています。
野球におけるスコアボードの見方:得点表編

対戦する各チームの得点が記載されたエリアです。表示形式はスコアボードによって異なりますが、たとえば以下のように表示されます。
| 1~9(イニング数) | 10~12(延長戦) | R(得点数) | H(安打数) | E(エラー数) | |
|---|---|---|---|---|---|
| チーム(表) | 2 | 2 | 4 | 0 | |
| チーム(裏) | 8 | 8 | 13 | 0 |
上段が表に攻撃するチーム、下段が裏に攻撃するチームです。チーム名(Team Name)の略語として、TNと表示されることもあります。
1から9までの数値はイニング数で、その回の得点が表示される形式です。延長戦がある場合は、得点表にイニング数が追加されます。R・H・Eの詳しい意味は以下の通りです。
| R(得点数) | チームごとの合計得点 |
| H(安打数) | バッターがアウトにならず一塁以上に達した回数 |
| E(エラー数) | 処理のミスによりアウトにできなかったプレーの数 |
また、イニングごとの得点の項目に表示される「×(バツ印)」は、後攻チームがすでにリードしており、その回の攻撃を行わずに試合が終了したことを示します。
野球におけるスコアボードの見方:B・S・O編

B・S・Oの項目では、ピッチャーの投球の結果によってランプが点灯します。それぞれの意味と点灯する状況について、わかりやすくまとめました。
Ball(ボール)
Bの意味はBall(ボール)で、ピッチャー(投手)が投げた投球がストライクゾーンから外れたことを意味します。Bの横には横に3つのランプがあり、緑色が一般的です。
ボール1回ごとに1つずつランプが点灯して、4回ボールが出ると四球(フォアボール)になります。バッター(打者)は一塁まで進塁可能です。ボールのカウントやランプの点灯は、バッターごとにリセットされます。
Strike(ストライク)
スコアボードのSは、Strike(ストライク)を意味しています。投げたボールがノーバウンドでストライクゾーンを通過し、バッターに打たれなかったときの宣告です。
Sの横に2つのランプがあり、黄色で点灯するのが一般的。3回ストライクを宣告されるとバッターアウトになり、ボールと同様に、バッターごとにカウントやランプの点灯はリセットされます。
Out(アウト)
OはOut(アウト)の意味で、横には赤い3つのランプがあります。アウトとなる条件は以下の通りです。
- ピッチャーがバッターから三振をとる
- バッターが一塁に到達する前に打球を一塁ベースにタッチするか、一塁を守る野手に投げる
- バッターの打球が地面につく前に野手が捕球する
アウトはボールやストライクと違い、1イニング内でカウントして合計します。アウトを1つとるごとにランプが点灯し、守備側がアウトを3つとるとスリーアウトで、攻守交代です。
野球におけるスコアボードの見方:H・E・Fc編

H・E・Fcは、B(ボール)・S(ストライク)・O(アウト)の右側に表示される項目です。打撃成績を表すもので、バッターの打撃の結果によって一時的にどれか一つが点灯します。
Hits(ヒット)
Hits(ヒット)とは、バッターが塁に進める打球(安打)のこと。バッターが打った球がヒットしたとき、「H」の横にあるランプが点灯します。
ヒットは進塁数や打ったシーンにより種類が分かれますが、スコアボードではすべてHが点灯します。
Error(エラー)
Error(失策)とは、守備ミスによってアウトにできるはずだった打球をセーフにできなかったプレー(失策)のこと。野手もしくはピッチャーがエラーしたとき、「E」の横のランプが点灯します。Fc(フィルダースチョイス)以外の守備側のミスは、すべてエラーです。
Fielder’s Choice(フィルダースチョイス)
Fielder’s Choice(フィルダースチョイス)とは、守備側が誤った選択をした場合の野球記録です。
具体的には、打者走者を一塁でアウトにできる状況で、前を走るランナーをアウトにしようと他の塁に送球した場合などに記録されます。
そのほかにも、以下のような場合がフィルダーズチョイスに該当します。
- 前を走るランナーをアウトにしようと野手が他の塁に送球したとき、ヒットを打ったバッターが余分に進塁した
- ランナーをアウトにしようとした野手が送球する間に、他のランナーが余分に進塁した
- 守備側が盗塁に無関心で何も守備をしていないときにランナーが進塁した
上記のような状況で、「Fc」の横にあるランプが点灯します。ランナーがセーフやアウトになるかどうかの結果は、ランプの点灯に関係ありません。
野球におけるスコアボードの見方:出場選手編

スコアボードの選手名は攻撃時の打順で並んでおり、1~9番の数字が割り振られています。あわせて守備時のポジションが以下のように数字・アルファベットで表示されるので、観戦のときにチェックしてみましょう。
| ピッチャー(投手) | 1・P |
| キャッチャー(捕手) | 2・C |
| ファースト(一塁手) | 3・1B |
| セカンド(二塁手) | 4・2B |
| サード(三塁手) | 5・3B |
| ショート(遊撃手) | 6・SS |
| レフト(左翼手) | 7・LF |
| センター(中堅手) | 8・CF |
| ライト(右翼手) | 9・RF |
| 指名打者 | DH |
また、攻撃時に表示される「H・PH」は、ピンチヒッター(代打)を意味します。「R・PR」はピンチランナー(代走)です。
野球におけるスコアボードの見方:その他編

スコアボードによって、表示される内容は異なります。以下のような項目が表示されることがあるので、ぜひチェックしてください。
審判員の名前
スコアボードに、審判の名前が表示されるケースがあります。数字とアルファベットの意味は、以下の通りです。
| PL(Plate umpire) | 球審 |
| 1B(1st baser) | 一塁塁審 |
| 2B(2nd baser) | 二塁塁審 |
| 3B(3rd baser) | 三塁塁審 |
球審とは試合を司る主審のことで、ホームベース(本塁)に配置されます。塁審は各類付近に位置して、その周辺でプレーを判定するのが主な役割です。
投球数と球速
登板しているピッチャーの試合中における投球数や、投げたボールの球速が表示されます。一部の野球場では、スコアボードで奪三振(三振に打ち取ること)の回数や防御率(どれだけ失点を抑えられたかの指標)を確認できることも。
バッターの個人成績
野球場によっては、選手のプロフィールや顔写真、個人成績などが表示されることがあります。AVEは打率(ヒットを打っている確率)、HRはホームラン(本塁打)、RBIは打点(自チームにもたらした得点の指標)のことです。
リプレイ検証や演出表示
スコアボードでは、リプレイ検証やスポンサー広告など、試合運営に関する映像が表示される場合もあります。また、ホームラン時などに特別な演出が映し出され、球場全体を盛り上げる役目を担うことも珍しくありません。
大きな電光掲示板のビジョンは迫力満点。試合をより視覚的に楽しめるでしょう。
スコアボードを理解して野球観戦をもっと楽しもう
野球のスコアボードには、さまざまな情報が表示されています。イニングごとの得点やボール・ストライクの回数など、試合の状況が一目でわかるはずです。
野球場ごとにスコアボードの表示内容には個性があります。違いを観察しながら観戦することで、試合の奥深さをより実感できるでしょう。
ENSPORTS fanでは、野球観戦をたくさんの方々に楽しんでいただくために、観戦マナーや観戦初心者のためのルール解説記事なども公開中。そちらぜひチェックしてみてください。