野球のスコアボードには、試合に関するさまざまな情報が表示されます。しかし、略語などが使用されていて、一目みただけでは見方がわからないこともあるのではないでしょうか。 本記事では、野球におけるスコアボードの見方を紹介します。試合の状況をスムーズに把握できるように、ぜひ項目ごとの意味を確認してください。

野球のスコアボードとは?

野球におけるスコアボードとは、選手名や得点など試合に関する情報を表示するための設備です。その目的は、選手や審判、観客に試合の状況をわかりやすく伝えることにあります。

スコアボードは、野球場のライトとレフトの中間付近、外野フェンスの中央後方に設置されているのが一般的です。プロ野球では電光掲示板ですが、高校野球や少年野球では手書きのスコアボードを使用しているケースもあります。

一目で試合状況を把握できるのがスコアボードの魅力です。リアルタイムで状況を共有できるため、観客の興奮を高め、試合をいっそう盛り上げる役割も果たしています。

野球におけるスコアボードの見方:得点表編

対戦する各チームの得点が記載されたエリアです。表示形式はスコアボードによって異なりますが、たとえば以下のように表示されます。

1~9(イニング数)10~12(延長戦)R(得点数)H(安打数)E(エラー数)
チーム(表)2240
チーム(裏)88130

上段が表に攻撃するチーム、下段が裏に攻撃するチームです。チーム名(Team Name)の略語として、TNと表示されることもあります。

1から9までの数値はイニング数で、その回の得点が表示される形式です。延長戦がある場合は、得点表にイニング数が追加されます。R・H・Eの詳しい意味は以下の通りです。

R(得点数)チームごとの合計得点
H(安打数)バッターがアウトにならず一塁以上に達した回数
E(エラー数)処理のミスによりアウトにできなかったプレーの数

また、イニングごとの得点の項目に表示される「×(バツ印)」は、後攻チームがすでにリードしており、その回の攻撃を行わずに試合が終了したことを示します。

野球におけるスコアボードの見方:B・S・O編

B・S・Oの項目では、ピッチャーの投球の結果によってランプが点灯します。それぞれの意味と点灯する状況について、わかりやすくまとめました。

Ball(ボール)

Bの意味はBall(ボール)で、ピッチャー(投手)が投げた投球がストライクゾーンから外れたことを意味します。Bの横には横に3つのランプがあり、緑色が一般的です。

ボール1回ごとに1つずつランプが点灯して、4回ボールが出ると四球(フォアボール)になります。バッター(打者)は一塁まで進塁可能です。ボールのカウントやランプの点灯は、バッターごとにリセットされます。

Strike(ストライク)

スコアボードのSは、Strike(ストライク)を意味しています。投げたボールがノーバウンドでストライクゾーンを通過し、バッターに打たれなかったときの宣告です。

Sの横に2つのランプがあり、黄色で点灯するのが一般的。3回ストライクを宣告されるとバッターアウトになり、ボールと同様に、バッターごとにカウントやランプの点灯はリセットされます。

Out(アウト)

OはOut(アウト)の意味で、横には赤い3つのランプがあります。アウトとなる条件は以下の通りです。

  • ピッチャーがバッターから三振をとる
  • バッターが一塁に到達する前に打球を一塁ベースにタッチするか、一塁を守る野手に投げる
  • バッターの打球が地面につく前に野手が捕球する

アウトはボールやストライクと違い、1イニング内でカウントして合計します。アウトを1つとるごとにランプが点灯し、守備側がアウトを3つとるとスリーアウトで、攻守交代です。

野球におけるスコアボードの見方:H・E・Fc編

H・E・Fcは、B(ボール)・S(ストライク)・O(アウト)の右側に表示される項目です。打撃成績を表すもので、バッターの打撃の結果によって一時的にどれか一つが点灯します。

Hits(ヒット)

Hits(ヒット)とは、バッターが塁に進める打球(安打)のこと。バッターが打った球がヒットしたとき、「H」の横にあるランプが点灯します。

ヒットは進塁数や打ったシーンにより種類が分かれますが、スコアボードではすべてHが点灯します。

Error(エラー)

Error(失策)とは、守備ミスによってアウトにできるはずだった打球をセーフにできなかったプレー(失策)のこと。野手もしくはピッチャーがエラーしたとき、「E」の横のランプが点灯します。Fc(フィルダースチョイス)以外の守備側のミスは、すべてエラーです。

Fielder’s Choice(フィルダースチョイス)

Fielder’s Choice(フィルダースチョイス)とは、守備側が誤った選択をした場合の野球記録です。

具体的には、打者走者を一塁でアウトにできる状況で、前を走るランナーをアウトにしようと他の塁に送球した場合などに記録されます。

そのほかにも、以下のような場合がフィルダーズチョイスに該当します。

  • 前を走るランナーをアウトにしようと野手が他の塁に送球したとき、ヒットを打ったバッターが余分に進塁した
  • ランナーをアウトにしようとした野手が送球する間に、他のランナーが余分に進塁した
  • 守備側が盗塁に無関心で何も守備をしていないときにランナーが進塁した

上記のような状況で、「Fc」の横にあるランプが点灯します。ランナーがセーフやアウトになるかどうかの結果は、ランプの点灯に関係ありません。

野球におけるスコアボードの見方:出場選手編

スコアボードの選手名は攻撃時の打順で並んでおり、1~9番の数字が割り振られています。あわせて守備時のポジションが以下のように数字・アルファベットで表示されるので、観戦のときにチェックしてみましょう。

ピッチャー(投手)1・P
キャッチャー(捕手)2・C
ファースト(一塁手)3・1B
セカンド(二塁手)4・2B
サード(三塁手)5・3B
ショート(遊撃手)6・SS
レフト(左翼手)7・LF
センター(中堅手)8・CF
ライト(右翼手)9・RF
指名打者DH

また、攻撃時に表示される「H・PH」は、ピンチヒッター(代打)を意味します。「R・PR」はピンチランナー(代走)です。

野球におけるスコアボードの見方:その他編

スコアボードによって、表示される内容は異なります。以下のような項目が表示されることがあるので、ぜひチェックしてください。

審判員の名前

スコアボードに、審判の名前が表示されるケースがあります。数字とアルファベットの意味は、以下の通りです。

PL(Plate umpire)球審
1B(1st baser)一塁塁審
2B(2nd baser)二塁塁審
3B(3rd baser)三塁塁審

球審とは試合を司る主審のことで、ホームベース(本塁)に配置されます。塁審は各類付近に位置して、その周辺でプレーを判定するのが主な役割です。

投球数と球速

登板しているピッチャーの試合中における投球数や、投げたボールの球速が表示されます。一部の野球場では、スコアボードで奪三振(三振に打ち取ること)の回数や防御率(どれだけ失点を抑えられたかの指標)を確認できることも。

バッターの個人成績

野球場によっては、選手のプロフィールや顔写真、個人成績などが表示されることがあります。AVEは打率(ヒットを打っている確率)、HRはホームラン(本塁打)、RBIは打点(自チームにもたらした得点の指標)のことです。

リプレイ検証や演出表示

スコアボードでは、リプレイ検証やスポンサー広告など、試合運営に関する映像が表示される場合もあります。また、ホームラン時などに特別な演出が映し出され、球場全体を盛り上げる役目を担うことも珍しくありません。

大きな電光掲示板のビジョンは迫力満点。試合をより視覚的に楽しめるでしょう。

スコアボードを理解して野球観戦をもっと楽しもう

野球のスコアボードには、さまざまな情報が表示されています。イニングごとの得点やボール・ストライクの回数など、試合の状況が一目でわかるはずです。

野球場ごとにスコアボードの表示内容には個性があります。違いを観察しながら観戦することで、試合の奥深さをより実感できるでしょう。

ENSPORTS fanでは、野球観戦をたくさんの方々に楽しんでいただくために、観戦マナーや観戦初心者のためのルール解説記事なども公開中。そちらぜひチェックしてみてください。