バレーボールの基本は6人制

バレーボールの試合は、原則として6人制で行われます。
6人制はプロリーグや国際大会において主流の形式で、Vリーグやオリンピックでも採用されているスタイルです。
現在のバレーボールが6人制を基準にしている背景には、1947年の国際バレーボール連盟(FIVB)設立があります。
このとき6人制が国際ルールとして定められたため、6人制が基本となりました。
6人制バレーの基本ルール
6人制は1チーム6人で構成され、前衛3人+後衛3人が基本です。
3回以内に返球することが基本ルールで、セットは25点先取のラリーポイント制を採用しています。
24点対24点のマッチポイントで得点が並ぶことを「デュース」と呼び、2点差がつくまでプレーが続行されます。
5セットマッチで3セットを先取したチームが勝利です。
5セット目まで行われることを「フルセット」と呼び、5セット目は15点先取となります。
サーブ権はラリー結果に基づき移動するのが基本で、ラリーに勝ったチームにサーブ権が移ります。
6人制では、このサーブ権の移動に合わせてローテーションが行われるため、ポジションの入れ替わりが試合展開に大きく影響します。
6人制のポジション構成
6人制における位置を示すポジションは、「レフト」「ライト」「センター」の3つです。
ネット寄りの3人を前衛(フロント)、後ろ側の3人を後衛(バック)と呼びます。
役割を示すポジションは大きく分けて次の5つです。
- アウトサイドヒッター:左右両サイドからスパイクを打つ
- オポジット:攻撃特化のスパイカー
- ミドルブロッカー:ブロックと速攻が担当
- セッター:攻撃を組み立てる司令塔
- リベロ:守備専門
それぞれに必要なスキルが違うため、チーム全体のバランスづくりが重要です。
6人制バレーと9人制バレーの主な違い

日本では、9人制バレーボールも社会人のクラブや実業団などで人気が高く、広く普及しています。
ここからは、6人制と9人制の違いについて、わかりやすくまとめました。
コートの広さ
| 6人制 | 9人制 |
| 18×9m 小学生:16×8m | 男子/一般:21×10.5m 女子/一般:18×9m 中学男子:20×10m 小学生:16×8m |
6人制のコートの広さは、18×9mです。
一方、9人制のコートの広さはカテゴリによって異なるのが特徴。たとえば、男子一般は21×10.5m、女子一般は18×9m、中学男子は20×10mです。
9人制はコートが広いため、守備の分担が細かく、ラリーが長く続きやすい特徴があります。
ネットの高さと扱い
6人制と9人制では、ネットの高さが異なります。違いは下記の表の通り。
| 6人制 | 9人制 |
| 【男子】 小学生:2m 中学生:2m30cm 高校生:2m40cm 大学/一般:2m43cm 【女子】 小学生:2m 中学生:2m15cm 高校生:2m20cm 大学/一般:2m24cm | 【男子】 小学生:1m90cm 中学生:2m15cm 高校生:2m25cm 大学/一般:2m38cm 【女子】 小学生:1m90cm 中学生:2m 高校:2m5cm 一般:2m15cm |
6人制と9人制では、ネットの扱いにも違いがあります。
6人制では、サーブしたボールがネットに触れても相手コートに入れば問題ありませんが、9人制では、サーブしたボールがネットに触れると失敗と見なされます。
オーバーネットに関しても、6人制と9人制ではルールが変わります。
6人制バレーは相手チームのプレーを妨害しない限り、手と腕はネットを越えて伸ばしてもOKというルールです。
一方で、9人制バレーでは、ブロック時にネットを越えてボールを押し込むのは、オーバーネットとみなされ反則になります。いかなる場合でも、相手コート内にあるボールに触れてはいけません。
ライン
| 6人制 | 9人制 |
| エンドライン/サイドライン/センターライン/アタックライン | サイドライン/エンドライン |
コートのラインに関しても、6人制と9人制ではルールが異なります。
6人制にはアタックラインが引かれており、後衛の選手はアタックラインよりも前でジャンプすることはできません。
一方、9人制にはアタックラインに関するルールがなく、比較的自由な位置からスパイクを打つことが可能です。
1セットとローテーション
一般的な6人制は、5セットマッチ(3セット先取で勝利)です。
小さな大会では3セットマッチ(2セット先取で勝利)を採用するケースもあります。
一方の9人制では、主に3セットマッチ(2セット先取で勝利)が採用されています。
さらに、6人制と9人制ではローテーションの仕組みが異なります。
6人制ではラリー勝利によってサーブ権が得られるため、そのタイミングでローテーションが発生するのがルールです。
6人制ではローテーションを行いますが、9人制では行いません。
ポジション
6人制は1チーム6人で構成され、前衛3人+後衛3人が基本です。
一方の9人制は1チーム9人で構成され、3列×3人の陣形を取ります。
6人制では一人ひとりが比較的自由に動きますが、9人制はポジションが細かく分かれています。
選手交代
6人制・9人制ともに、1セットにつき6回まで選手交代が可能です。
交代者が再びベンチに下がる場合は、同じ人としか交代できません。
例えば、3番の選手が10番の選手と交代した場合、10番の選手がベンチに戻るには、再び3番の選手とだけ交代できるルールです。
サーブを打てる回数
サーブを打てる回数は、6人制は1回、9人制は2回です。
6人制では、1回でもサーブを失敗すると相手チームの得点となります。
一方、9人制では1回失敗しても2回目のサーブを打つことが可能です。
ブロック時の接触回数
6人制では、ブロックはボールに触れた回数としてカウントされません。
つまり、ブロックのタッチは0回目として扱います。
一方、9人制ではブロックのタッチを1回とカウントします。
バレーボール人数に関するよくある質問

最後に、バレーボール人数に関するよくある質問に回答します。
Q1. ベンチに入れる人数は何人?
一般的な6人制の場合、ベンチ入りできる選手の合計人数は1チームあたり14人までです。
1チームあたり1人のリベロプレーヤーを登録できますが、13人以上登録する場合は2人登録しなければなりません。
9人制の場合、ベンチ入りできる選手の合計人数は1チームあたり15人までです。
Q2. ママさんバレーは何人制?
ママさんバレーは、主に9人制で行われます。
ママさんバレーとは、成人女性が趣味として楽しむバレーボールです。
9人制をベースとし、安全性やプレーのしやすさを考慮したルールで実施されます。
主宰する地域や団体によって独自のルールがある場合もあるため、観戦するときは事前にチェックしておくのがおすすめです。
Q3. 小中学生バレーは何人制?
小中学生バレーでは、主に6人制が採用されています。
ただし、学校体育の授業では9人制が採用されるケースも少なくありません。
バレーボールは6人制と9人制でルールが異なる
バレーボールの試合は主に6人制で行われますが、ママさんバレーや学校体育の授業などでは9人制が採用されるケースもあります。
バレーボールは、人数によってルールやプレースタイルが大きく異なります。
レベルや目的に合わせて最適な形式を選ぶことで、バレーボールの楽しさがさらに広がるはずです。
これからバレーボールを始める方や観戦を楽しみたい方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
ENSPORTS fanでは、バレー観戦をたくさんの方々に楽しんでいただくために、観戦マナーや観戦初心者のためのルール解説記事なども公開中。そちらもぜひチェックしてみてください。