バレーボールの試合を観ていて、「コートはどのくらいの大きさなのか」「あのラインにはどのような意味があるのか」と疑問に感じた経験はありませんか。 バレーボールを観戦する際、知っておくと役立つのがコートの構造です。バレーボールのコートは、選手の動き方や、攻撃のルール、反則の判定など、試合のあらゆる部分に深く関わっています。 本記事では、バレーボールコートのサイズ、ラインの名称と役割、ゾーンの種類、知っておきたい反則などをわかりやすく解説します。コートの仕組みを知ることで、観戦の面白さがアップするはずです。

バレーボールコートの基本情報

はじめに、バレーボールコートのサイズやライン幅について解説します。

バレーボールコートのサイズ

バレーボールには6人制と9人制などの種類がありますが、プロリーグや国際試合などは6人制で開催されます。

6人制のバレーボールコートは、長辺18m×短辺9mです。これは国際バレーボール連盟(FIVB)の公式ルールで定められているサイズで、国内外の大会はほぼ同じ基準で行われます。

長方形をネットで正確に半分に分け、各チームに9m×9mが割り当てられます。

さらに、コート周囲にはプレーエリアとなる「フリーゾーン」が設けられます。

なお、小学生の場合は16m×8mのサイズで行なわれるのが一般的です。

9人制バレーボールの場合は、男子が21m×10.5m、女子が18m×9mで行なわれます。

バレーボールコートのライン幅

バレーボールコートには、4種類のラインが引かれています。

公式戦で使用されるバレーボールコートのライン幅はすべて5cmです。コートの境界や各エリアの区切りを明確にする役割があります。

ラインの色は、床の色と異なる明るい色と規定されています。

ちなみに、観戦するときは、「ラインにボールの一部が触れていればイン」というルールも覚えておくと、判定が理解しやすくなります。

バレーボールコートのライン名称と役割

バレーボールコートには、選手の動きやプレーのルールを決める4種類のラインが引かれています。

それぞれのライン名称と役割を解説します。

サイドライン(長辺)

サイドラインは、コートの長辺(18m)に沿って引かれた線です。

サイドラインには、左右のボールのインとアウトを見分ける役割があります。サーブやスパイクがインかアウトかを判定する重要なラインです。

ボールがサイドラインの内側に落ちればイン、完全に外に落ちればアウトとなります。

ちなみに、レシーバーが外に出てサイドラインの外から飛び込んでレシーブするのはルール上問題ありません。

エンドライン(短辺)

エンドラインは、コートの短辺(9m)に沿って引かれた線です。

サーブを打つとき、エンドラインを踏んでサーブを打つと反則となります。

センターライン(ネット下)

センターラインは、ネットの真下に引かれた線です。

コートを正確に2分割し、両チームの領域を示すのが役目。センターラインを越えて相手チームのコートに侵入すると反則になります。

とくにブロック着地やスパイク着地の際に起こりやすいですが、足の一部がライン上にある、得点が決まってからラインを超えた、などの場合は反則を取られません。

アタックライン

アタックラインは、ネットから3m後方に平行に引かれた線です。

アタックラインより前は「フロントゾーン」、後方は「バックゾーン」と呼ばれ、後衛と前衛の役割を分ける基準となっています。

攻撃時、後衛の選手はアタックラインより後方からスパイクを打たなくてはなりません。

バレーボールコートのゾーンの種類

バレーボールコートは、各ラインによって4つの「ゾーン」に分けられています。

ゾーンは、プレーの位置や役割を明確にするためのものです。ゾーンの種類と役割について、一つずつ解説するのでチェックしてみてください。

フロントゾーン

フロントゾーンは、センターライン(ネット下)からアタックライン(3mライン)までのエリアです。

アタックラインはネット(センターライン)から3m後方に引かれ、両サイドライン方向に延びています。

フロントゾーンは、前衛の選手(3人)がプレーするエリアです。

主に攻撃が行われるエリアであり、スパイク、ブロック、フェイントなどのプレーが中心となります。

後衛の選手がフロントゾーンからオーバーハンドにより上げたボールを、他の選手がネットよりも高い位置でスパイクすることは禁止されています。

バックゾーン

バックゾーンは、アタックラインからエンドラインまでの後方エリアです。

コートをアタックラインで二分割したうちの後方部分にあたります。

主に後衛の選手がプレーするエリアで、守備の要として重要な役割を果たします。

フリーゾーン

フリーゾーンは、コートの外側のエリアにある障害物がないエリアです。フリーゾーンでは、選手はボールを追いかけてプレーできます。

フリーゾーンは、エンドラインから最低6.5m、サイドラインから最低5mのスペースを確保する必要があります。広めに設定されている理由は、ボールを追いかけた選手が怪我をしないためです。

サービスゾーン

サービスゾーンは、エンドラインの後方にある幅9mのゾーンです。

奥行きはフリーゾーンの端までとされています。

サーブを打つ際は、サービスゾーン内でボールを打つ必要があり、エンドラインを踏むと反則となります。

覚えておきたいバレーボールコートの基本ルール

バレーボールのルールは、コートのラインやゾーンと密接に関係しています。

ここでは観戦でも役立つ基本ルールを紹介します。

コートチェンジ

コートチェンジとは、1セットが終わるごとに両チームがコートを入れ替えるルールです。

6人制バレーボールでは1セットは25点先取(第5セットは15点先取)で、3セット先取で勝利となります。

コートチェンジを行う理由は、照明の明るさや観客席の距離などの差を公平にするためです。

ラインクロス

ラインクロスとは、サーブの際にエンドラインを踏む、もしくは踏み越えた際に課せられる反則です。

ラインクロスは、フットフォールトやフットフォルトと呼ばれることもあります。

想像の延長線

想像の延長線とは、コート外にも存在しているとされるラインです。実際にはラインは引かれていないため、「想像の延長線」と呼ばれます。

アタックラインはコート外にも延長しているとみなされるため、コート外であっても後衛はラインより前からスパイクはできないルールです。

そのため、後衛の選手がアタックラインよりネット側でスパイクを打つと反則を取られます。

ペネトレーション・フォールト

ペネトレーション・フォールトとは、ネットを越えて相手コートに侵入したときの反則のこと。

体の一部分または全部が相手側のエリアに侵入した際に、ペネトレーション・フォールトを取られます。

着地のときに起こりやすい反則のひとつです。

また、ペネトレーション・フォールトは、オーバーネットやパッシングザセンターラインとも呼ばれます。

バレーボールコートの大きさやルールを学ぼう

バレーボールコートの見た目はシンプルですが、それぞれのラインやゾーンについてはしっかりとルールが決められており、一つひとつに役割があります。

バレーボールコートの構造を理解すると、反則の理由がわかったり、選手の動きが読みやすくなったりと、観戦の楽しさが格段に増すはずです。

バレーボール観戦をもっと楽しみたい方は、まずコートを理解することから始めてみましょう。

ENSPORTS fanでは、バレー観戦をたくさんの方々に楽しんでいただくために、観戦マナーや観戦初心者のためのルール解説記事なども公開中。そちらもぜひチェックしてみてください。