サッカーの背番号9がもつ意味とは?

背番号9番はフォワード(FW)の選手が付けることが多い番号です。特にセンターフォワードが付ける傾向があり、ストライカータイプの選手をイメージするかもしれません。

背番号9番の選手はFWとして得点を奪い、チームを勝利に導くことが最大の仕事。得点への強いこだわりが求められることから、個性的な選手が多いのも特徴です。

得点を取ることに加えて、相手DFを背負って攻撃の起点となるポストプレーや、時には中盤まで下がって攻撃を組み立てる役割も同時に求められます。

このように背番号9番を背負う選手には、ストライカーとして得点を奪う役割に加えて、タイミングよく味方選手をサポートし、攻撃の起点となる役割が求められるのです。

背番号9を背負うサッカー選手に求められる能力

背番号9番を背負う選手には、とにかくゴールを奪うことが期待されます。そのため、ゴール前での決定力が高い選手に適性があると言えるでしょう。

決定力の高い選手は、相手ディフェンスの対策に対応し、想像の上を行くプレーでゴールを奪えるのです。

ここではそんな背番号9番を背負うフォワードに求められるプレーに必要な能力について、細かく解説していきます。

シュートの上手さ

背番号9番には、シュートの上手さが必要不可欠。

シュートが上手いFWは、際どいコースを狙ったシュートやタイミングを外したシュート、キーパーの上を抜くループシュートなど、多彩なパターンからゴールを奪えます。

シュートの上手いFWを相手にすると、キーパーは蹴る直前までコースを予測するのが難しく、得点を防ぐことが困難。またシュートの上手さを逆手に取ったキックフェイントも、大きな武器として使えるようになるでしょう。

動き出しの上手さ

相手のマークを外す「動き出しの上手さ」も、重要な要素の一つ。特にセンタリングに飛び込むシーンでは、一瞬の動き出しでフリーになれるかどうかが、得点率に大きく関わるのです。

動き出しの上手い選手は、相手が人数をかけて守りを固めてきても一瞬の隙を逃さずマークを外し、有利な状況でシュートを打てます。

またこうした選手がいるだけでも、ディフェンダーは一瞬も気が抜けなくなり、相当なプレッシャーを受けながらプレーすることになるのです。

ポストプレーの上手さ

ゴール近くで相手ディフェンダーを背負ってボールをキープする「ポストプレーの上手さ」も必要です。

大柄な選手であれば、相手に身体をぶつけてボールをキープする方法、小柄な選手であれば相手の足の届かないところでボールをコントロールする方法と、そのアプローチは変わるものの、いずれにせよ攻撃の起点となるポストプレーも求められます。

ポストプレーに優れた選手がいれば、味方の選手がゴール前に侵入する時間を作り、厚みのある攻撃を展開できるようになるのです。

背番号9を背負う人気サッカー選手を紹介

背番号に対するイメージは、それまで活躍してきた選手のイメージと重なることでしょう。

ここでは、背番号9番を背負って活躍した有名選手を紹介していきます。

日本 中山雅史

JリーグでMVP1回、得点王2回、ベストイレブン4回を受賞した中山雅史。日本のW杯初出場にも大きく貢献した中山は、ジュビロ入磐田入団当初から背番号9番をトレードマークに活躍しました。

彼は90分間貪欲にゴールを目指し続けるFW。優れた身体能力やテクニックはないものの、一瞬の動き出しでマークを外し、ワンタッチで流し込む形でゴールを量産しました。

ゴール前でボールを押し込むだけの「ごっつぁんゴール」が多いのも特徴で、彼のポジショニングセンスの良さがわかります。

献身的に走り回り、泥臭いプレーも厭わないプレースタイルを貫いた彼は、多くのファンから愛される選手でした。

海外 フィリッポ・インザーギ

2006年のW杯を制したイタリア代表の一員で、UEFAチャンピオンズリーグ優勝を2度も経験しているフィリッポ・インザーギ。スーパーサブとしても有名なインザーギは、現役生活の多くを背番号9番を背負ってプレーしました。

彼は抜群のポジショニングセンスと、相手DFとの駆け引きに秀でたFW。オフサイドに掛からないギリギリのラインから抜け出す動きを得意としており、相手DFからするとマークが非常に難しい選手でした。

ゴール前以外ではほとんどプレーに関わらず、常にゴール近くで虎視眈々とフィニッシュチャンスを狙う姿は、まさに仕事人といった印象です。

歴代を見渡しても、彼ほどゴールを取ることに特化したFWは珍しいと言えるでしょう。

海外 ガブリエル・バティストゥータ

「伝説のストライカー」と呼ばれ、アルゼンチン代表通算ゴール数ではメッシに次ぐ歴代2位の記録を誇るガブリエル・バティストゥータ。渡り歩いた様々なリーグ・大会で得点王を獲得してきた彼は、背番号9番をトレードマークとしていました。

彼はシュートのバリエーションが豊富なFW。左右両足から繰り出す強烈なシュートや、狙い澄ました緩やかなシュート、ループシュートなど、あらゆる形から得点を狙える選手でした。

身長185センチの恵まれた体格を活かしたポストプレーやヘディングも得意としており、攻撃の起点となれるプレーヤーでもありました。

多彩なシュートパターンでゴールを量産した彼は、歴代屈指の万能型ストライカーだったのです。

海外 ロナウド

バロンドール賞を2回も受賞し、W杯でもMVP・得点王の両方を獲得した経験のある元ブラジル代表のロナウド。クリスティアーノ・ロナウドと区別するために日本では「元祖ロナウド」と呼ばれることも多い彼は、背番号9番を象徴する選手の一人です。

彼はテクニック、パワー、スピード全てをハイレベルで兼ね備える、怪物級のFW。トップスピードに乗った状態でもボディバランスが崩れないなど、DFからすると手が付けられない選手だったのです。

ゴール前でパスを待つだけでなく、自らドリブルで切り込んでチャンスを演出するプレーも得意としており、全盛期は「戦術ロナウド」とも言われるほど傑出したパフォーマンスを発揮していました。

歴代最高のFWを議論するうえで、彼は絶対に欠かせない存在でしょう。

漫画 日向小次郎

漫画「キャプテン翼」に登場し、主人公である大空翼とライバル関係にある日向小次郎。小学生編から高校生編まで各年代でチームを優勝、準優勝に導いた実績を持つ日向は、ジュニアユース編から主に背番号9番を付けてプレーしています。

彼は豪快な突破力と、強烈なシュートが持ち味のストライカー。ユニフォームの袖を肩まで捲り上げるワイルドな風貌通りのプレースタイルで、相手をなぎ倒しながら進むドリブル突破を得意としていました。

「タイガーショット」をはじめとするパワーシュートも大きな武器で、日本を代表する点取り屋として活躍。

ハングリー精神が強く、甘さや妥協を一切許さない性格の日向は、カリスマ的な存在として人気の高いキャラクターとなっています。

サッカーの背番号9はストライカーの選手が付ける番号である

背番号9番はストライカーとしてゴールを奪い、チームを勝利に導く役割が求められる番号です。

今後サッカー観戦の際には、9番の選手と相手ディフェンダーとのゴール前の駆け引きに注目してみてくださいね。

今回の記事をきっかけに、ぜひ他の番号についても意味を調べてみてください。