サッカーの背番号8がもつ意味とは?

背番号8番はミッドフィルダー(MF)の選手が付けることが多い番号です。

特にピッチの中央でプレーするボランチの選手が付ける傾向があり、ゲームメイカーの選手が多いというイメージもあるかもしれません。

背番号8番には、MFとして攻撃をコントロールすることはもちろん、90分間において攻守に関わり続けることが必要になります。また攻め上がった時には、ミドルシュートやスルーパスで得点に絡むプレーも求められているのです。

このように背番号8番を背負う選手には、MFとしてチームの舵を取る役割に加えて、攻守においてハードワークし、機を見て得点を演出する役割も求められています。

背番号8を背負うサッカー選手に求められる能力

前述の通り背番号8番を背負う選手は、チームの攻撃をコントロールする必要があります。そのため、サッカーIQの高い選手に適性があると言えるでしょう。

そのうえで、得点に絡むプレーが行える選手は重宝される可能性が高いといえます。

ここでは背番号8番を背負うボランチに求められるプレーをするために、必要な能力について細かく解説していきます。

状況判断力

背番号8の選手にとって、状況判断力は最も大切な能力です。

ボランチの選手は、攻撃では「速攻か遅攻か」、守備では「ハイプレスかリトリートか」といった判断を迫られる場面が多く、状況に応じて最適な判断を下すことを求められます。

特に攻撃においては、ボールに触れる回数の多い8番の判断によって、どんな攻撃を展開するのかが決まるといっても過言ではありません。

状況判断力に長けた選手がいることでチーム全体のバランスがよくなり、適切に試合を進められるようになるのです。

パスの上手さ

パスの上手さも重要な要素になります。

相手ディフェンダーを誘き出す時は弱いパス、逆サイドに展開する時は強いパス、スルーパスではバックスピンパスなど、パスの強弱やレンジ、球種を使い分けて、正確に味方に届ける能力が必要になるのです。

パスの上手い選手がいると攻撃の幅が広がり、相手ディフェンスを散らせるため、味方選手のマークを外す展開になります。

また縦パスと横パスを織り混ぜながら相手の意識をボールに集めながら、一気に逆サイドに展開するといったプレーも可能になり、攻撃の幅を大きく広げられるのです。

豊富な運動量

運動量も重要なポイントの一つになります。

ボランチの選手は、攻撃時には相手のゴール前まで攻め上がり、守備時には自チームのゴール前まで戻らなければなりません。そのため、豊富なスタミナが必要不可欠なのです。

運動量が多い選手が中盤にいれば攻守ともに厚みが生まれ、常に数的有利を作りながらゲームを進められます。

またゲームの主導権を握るうえで重要となるセカンドボールの回収率が高まり、周囲の選手を助ける重要な存在となれるのです。

背番号8を背負う人気サッカー選手を紹介

背番号に対するイメージは、それまで活躍してきた選手のイメージと重なることでしょう。

ここでは、背番号8番を背負って活躍した有名選手を紹介していきます。

日本 森島寛晃

「ミスターセレッソ」の愛称で親しまれ、日本代表として2度のW杯にも出場した森島寛晃。

彼の背負った背番号8番は、セレッソ大阪のエースナンバーとして継承され、香川や清武、柿谷などの数々のスターを生み出した番号でもあります。

彼は1.5列目からの攻撃参加を得意とする、攻撃的MF。相手の一瞬の隙を見逃さずにゴール前に侵入し、絶妙な飛び出しからゴールを量産しました。

サッカーIQの高さも、彼の特徴のひとつ。ワンタッチやツータッチでのシンプルなプレーを基本としており、的確な状況判断で攻撃のテンポを加速させる能力に長けた選手だったのです。

現役生活をセレッソ一筋で過ごした彼は、クラブのレジェンドとして根強い人気を誇っています。

海外 カカ

UEFAチャンピズリーグとW杯での優勝経験を持ち、2007年のバロンドールまで受賞した元ブラジル代表のカカ。

プロサッカー選手としてのキャリアをスタートしたサンパウロ、2009年に加入したレアル・マドリードでは、背番号8番を背負って活躍しました。

彼は圧倒的なスピードと、柔らかいボールタッチを武器とするドリブラー。トップスピードに乗った状態でもボールタッチが乱れず、スルスルと相手の間を抜いていくドリブルは一級品でした。

またパスやシュートといったシンプルなプレーの精度も非常に高く、アシストにゴールにと、相手にとっては手の付けられない選手だったのです。

シンプルかつエレガントなプレースタイルで多くの観客を魅了した彼は、世界最高の選手の一人と言えるでしょう。

海外 フランク・ランパード

プレミアリーグ優勝3回に加えて、数々の個人タイトルまで獲得してきた元イングランド代表のフランク・ランパード。チェルシーのレジェンドでもあり、現役時代は背番号8番を背負って活躍しました。

彼は高い得点能力を誇る攻撃的MF。MFながら、2020-21年シーズン終了時点でプレミアリーグ177ゴールを記録しました。

1.5列目からの飛び出しと、強烈なミドルシュートを武器としており、シンプルかつゴールに直結するプレースタイルは、世界中のサッカーファンを魅了しました。

同時にタフさも持ち合わせており、164試合連続出場というフィールドプレーヤーでは考えられないような記録を打ち立てた選手でもあります。

MFに必要な全ての要素をハイレベルで兼ね備えていた彼は、歴代屈指のMFと言えるでしょう。

海外 ジェンナーロ・ガットゥーゾ

2006年W杯優勝に加えて、セリエA優勝2回、UEFAチャンピオンリーグ優勝2回を経験した元イタリア代表のガットゥーゾ。名門ACミランでは、背番号8番を付けて活躍しました。

彼は豊富な運動量と、闘志溢れるプレーが持ち味の守備的MF。中盤エリアを縦横無尽に走り回り、激しいチャージと強烈なタックルでボールを刈り取るプレーを得意としていました。

攻撃的なサッカーを展開するACミランにおいて、守備の穴を埋めてくれる彼のような選手は必要不可欠だったのです。

華やかなプレーは一切ありませんでしたが、ガッツ溢れる献身的なプレースタイルは、多くのサッカーファンの記憶に残っていることでしょう。

漫画 井沢守

漫画「キャプテン翼」にて小学生編・中学生編で全国優勝を成し遂げ、主人公の大空翼と共に世代別の日本代表にも名を連ねた井沢守。中学以降は、背番号8番を背負ってプレーしていました。

彼は状況判断力に優れたゲームメイカー。南葛中学時代には、厳しいマークを受ける翼に代わって、第2の司令塔として活躍しました。

ジャンプ力を活かした空中戦の強さにも定評があり、全国中学サッカー大会では「5メートルダイビングヘッド」を決めて大会優秀選手にも選出されました。ワールドユース編ではセンターバックとしてレギュラーを掴むなど、ユーティリティ性に優れた選手でもあるようです。

小学生編から登場している古参キャラでもある井沢は、読者の中での人気も高いキャラクターの一人なのです。

サッカーの背番号8はゲームメイカーが付ける番号である

背番号8番は中盤でゲームをコントロールしながら、得点を演出する役割まで求められる番号です。そのためには、攻守に関わり続ける運動量も求められます。

ぜひサッカー観戦の際には、背番号8の選手の守備やビルドアップに注目してみてください。

今回の記事をきっかけに、ぜひ他の番号についても意味を調べてみてくださいね。