サッカーの背番号5がもつ意味とは?
背番号5番はディフェンダー(DF)の選手が付けることが多い番号です。特にセンターバックの選手が付ける傾向にあり、最終ラインのリーダーをイメージする方も多いはず。
背番号5番は、マークする相手選手の攻撃を阻止することはもちろん、味方選手がドリブルで抜かれそうな時には瞬時にサポートする必要があります。また最近では、パスサッカーを志向するチームが増加したことで、DFの選手にもパスを繋ぐ役割が求められるようになってきました。
このように背番号5番を背負う選手には、DFの中心として相手の攻撃の芽を摘むことに加えて、最終ラインから攻撃を組み立てる役割も求められているのです。
背番号5を背負うサッカー選手に求められる能力
背番号5番を背負う選手は、DFの要として相手キーマンを抑え込む必要があります。そのため、1対1の競り合いに強い選手に適性があると言えるでしょう。
そのうえで、守備範囲の広さや攻撃力でチームに貢献できる選手は重宝される可能性が高いのです。
ここでは、背番号5番を番を背負うセンターバックに必要な能力について、細かく解説していきます。
対人能力
相手フォワードとの1対1を制する対人能力は、背番号5を背負う選手に必要不可欠。
ドリブルやポストプレー、ヘディングなど、様々な武器を駆使して勝負してくる相手フォワードに対して、ディフェンダーは激しくマークして自由にプレーさせないことが重要になるからです。
対人能力の高い選手は、フィジカルやスピードといった身体能力が高い傾向にあります。こうした選手が最終ラインに構えていれば、相手チームのキーマンを抑え込められ、試合を有利に進められるはずです。
カバーリング能力
カバーリング能力も重要な要素の一つです。カバーリング能力とは、守備時に味方選手がドリブルで抜かれた時や、マークを外してしまった時に自分のポジションを離れて対応する能力のこと。
どれだけ優れたディフェンダーでも、相手のレベルが高くなれば、1人で対処するのが難しくなります。そのため守備範囲が広く、カバーリング能力に優れた選手がいれば、相手キーマンに対して数的優位を作りながら対応できるため、失点のリスクを減らせるのです。
ビルドアップ能力
攻撃を組み立てるビルドアップ能力も、背番号5を背負う選手に必要な要素となっています。前述の通り近年では、パスサッカーを志向するチームが増加したこともあり、ディフェンダーにも攻撃を組み立てる能力が求められるようになりました。
その証拠に強豪チームの多くは、足元の技術に優れたディフェンダーを起用しています。
ビルドアップ能力に優れた選手がいるチームは、ボールを失う回数が減り、安定した攻撃を展開できるようになるのです。またボールを奪いにくる相手選手の体力を削ることで、試合の主導権を握りやすくなるメリットもあります。
背番号5を背負う人気サッカー選手を紹介
背番号に対するイメージは、それまで活躍してきた選手のイメージと重なることも多いはず。
ここでは、背番号5番を背負って活躍した有名選手を紹介していきます。
日本 長友佑都
10年以上にわたって日本代表の左サイドバックのレギュラーに君臨し、イタリアの名門インテルでもプレーした経験を持つ長友佑都。5にまつわる背番号を着用することで有名な長友選手は、現在所属クラブ、代表ともに5番を背負ってプレーしています。
無尽蔵のスタミナを武器に、90分間アップタウンを繰り返す献身的なサイドバック。試合終盤になってもスプリントのスピードと回数が落ちず、果敢なオーバーラップで攻撃に厚みを持たせられる選手です。
守備時の対人プレーも超一流。小柄ながらもフィジカルが強く、体幹トレーニングで鍛え上げたブレない身体をぶつけて、相手の自由を奪うプレーを得意としています。
無名の存在から日本代表、インテルにまで上り詰めた彼のストーリーは多くの人の希望になることでしょう。
海外 カルレス・プジョル
黄金時代のバルセロナをキャプテンとして牽引し、国内リーグ6回、UEFAチャンピオンズリーグ3回といった数々のタイトルを獲得した元スペイン代表のカルレス・プジョル。
彼は下部組織から引退までバルセロナ一筋のキャリアを過ごし、背番号5番を背負ってプレーしました。
彼の最大の特徴は、闘争心を剥き出しにしたディフェンス。華やかなパスサッカーを展開するバルセロナの中で、泥臭く相手に食らいつくプジョルは異質な存在でしたが、彼のプレースタイルは勝利のために必要不可欠だったのです。
圧倒的なリーダーシップもまた印象的。たとえリードしている状況でも、気を抜くことを許さず、大声で味方選手を鼓舞し続ける偉大なキャプテンでした。
海外 ファビオ・カンナバーロ
イタリアサッカー界のレジェンドであるパオロ・マルディーニの後を引き継ぎ、イタリア代表キャプテンを務めたファビオ・カンナバーロ。2006年W杯ではイタリア代表を優勝に導き、ディフェンダーながら同年のバロンドールまで受賞しました。
彼は1対1の対人プレーで圧倒的な強さを誇るセンターバック。予測力を活かして一手二手先のプレーを読み、相手の攻撃の芽を摘む守備を得意としていました。
身長175センチとセンターバックとしてはかなり小柄ながらも、絶妙なポジショニングセンスと抜群のジャンプ力を兼ね備えており、空中戦でも強さを発揮しました。
カンナバーロは「センターバックは大柄な選手が務める」というイメージを覆した選手だったのです。
海外 フランツ・ベッケンバウアー
常に冷静沈着でエレガントなプレースタイルから「皇帝」の愛称で親しまれたフランツ・ベッケンバウアー。現役時代にはDFでありながらバロンドールを2回も受賞し、引退後は指導者として世界最優秀監督にも選ばれました。
圧倒的なユーティリティ性を持った選手で、DFとして相手の攻撃を阻止しながら、自ら攻め上がってアシストやゴールまで決めてしまう超人的なプレースタイルでした。
現役時代の長くを「リベロ」という特殊なポジションでプレーしたベッケンバウアーは、それまで守備的な役割だったリベロの概念を覆し、「自由に攻撃に参加するDF」という新たなイメージを確立したのです。
サッカーに必要な能力の全てを兼ね備えていた彼は、サッカー大国のドイツ国内でも神格化された存在となっています。
漫画 次藤洋
漫画「キャプテン翼」にて、主人公の大空翼と共にワールドユース日本代表、オリンピック日本代表に選ばれた次藤洋。語尾に「たい」を付ける独特のしゃべり方でも有名な彼は、主に背番号5番を背負ってプレーしました。
彼185センチ85キロの巨体を活かした、パワー溢れるディフェンダー。相手を吹き飛ばしてボールを奪う守備や、キーパーごとゴールに押し込むシュートなどを得意としていました。
常に「強い奴と戦う」ことを求めており、負けん気の強い性格の持ち主でもあります。テクニック系の選手が多い「キャプテン翼」の中でも、パワーを代名詞に活躍した彼は、人気のあるキャラクターの一人です。
サッカーの背番号5は守備の要となる選手が付ける番号である
背番号5番はDFの要として、相手キーマンを抑え込む役割を求められる番号です。
近年では、最終ラインから攻撃を組み立てる役割も求められるようになってきました。
ぜひサッカー観戦の際には、背番号5の選手の守備やビルドアップに注目してみてください。