サッカーの選手交代は最大5人まで

サッカーでは、1試合につき最大5人まで交代可能です。
以前、交代人数は最大3名まででした。しかし、Jリーグでは2020年から試合の質の維持やリーグの日程、選手の健康面に配慮して最大5人に拡大されています。
選手交代の機会は、ハーフタイムを除いて最大3回です。交代機会が制限されるものの、交代枠が増えたことで、監督の戦略の幅も広がりました。
観客側からすると、以前より多くの選手のプレーが見られるようになったのも、交代枠が5人に拡大されたメリットといえるでしょう。
延長戦が適用される場合は最大6人まで
ルヴァンカップや天皇杯など延長戦が適用される試合では、交代人数は1人増えて最大6人になり、交代可能なタイミングと回数のカウント方法が変わります。
延長戦では後半終了と延長戦の間、延長戦のハーフタイムにも選手交代が可能に。ここでの交代でカウントされるのは交代人数だけで、回数はカウントされません。もちろん、前半と後半で使いきれなかった交代人数と交代回数も引き続き利用可能です。
延長戦は、サッカーでもっとも監督の手腕が試される場面といわれています。観戦される際は、ぜひ選手交代にも注目してみてください。
特例の交代枠もある
サッカーの試合では通常の交代枠とは別に、脳震とうの疑いがある選手を保護する「特例交代枠」があります。
プレー中の接触によって脳震とうを疑われる選手がいる場合、交代枠を消費せずに1回のみ交代が可能です。そして、相手チームにも同様の権利が付与されます。
脳震とうは、選手の健康や生命に重大な影響を及ぼしかねません。疑いのある選手は、早急に病院に向かう必要があります。
サッカーは接触の多いスポーツですので、こういった予期できない事故を想定して、特例の交代枠が設けられているのです。
交代枠を使い切ったら10人でプレー続行
サッカーは基本的に1チーム11人でプレーしますが、負傷により出場人数が減ることもあります。
脳震とうの特別交代枠を除き、交代枠をすべて使用した後に負傷者が出た場合、10人またはそれ以下で試合を継続します。
一見すると不公平にも見えますが、チームスポーツにおいて選手交代は戦術のひとつなのです。両チーム間で公平性を保つために、このようなルールが定められているのです。
そのため監督やチームスタッフは、常に試合で数的不利になるリスクを考慮したゲームプランで試合に備えています。
世界大会の交代人数に関するルール

この章では実際のプロリーグ、ワールドカップ、エキシビジョンの試合での交代人数のルールをまとめました。
それぞれの特徴をチェックしておくと、観戦がもっと楽しくなるはずです。
世界各国のリーグの場合
欧州5大リーグ、Jリーグ、MLS(メジャーリーグサッカー)など、世界には約280のサッカーリーグが存在しています。
どのリーグでも、基本的に選手交代の最大人数は5人、交代機会はハーフタイムを除いて最大3回までです。
2022年に国際サッカー評議会(IFAB)が、最大5人までのルールを恒久化し、各リーグで定着しました。
すなわち、現在のサッカーでは「交代人数は最大5名」が世界共通のルールということです。
ワールドカップとオリンピックの場合
FIFAワールドカップとオリンピックは、サッカーを知らない人でも真っ先に思い浮かぶほど権威のあるサッカーの国際大会です。
双方の大会とも詳細は大会ごとに変わりますが、選手交代のルールは世界各国と共通。最大人数は5人で交代機会も最大3回まで。延長戦に突入すると、人数と交代機会が1つずつ増えます。
オリンピックでは2021年の2020東京大会から、ワールドカップは2022年のカタール大会から、交代枠が3人から5人となりました。
エキシビジョンマッチの場合
エキシビジョンマッチとは、非公式の試合のこと。新シーズン開幕前に行う練習試合(プレシーズンマッチ)や親善試合、選手の引退試合などリーグの優勝争いに影響しない試合を指します。
公式戦ではないため選手の交代人数は設定されておらず、タイミングも自由。しかし、一度出場すると試合に戻れないルールは共通のため、前半と後半でほぼ全員のメンバーを入れ替えるチームも存在します。
エキシビションマッチは、チームにとってさまざまな戦術やチーム連携の確認もできる良い機会。観客にとっても、普段見られない選手のプレーをたくさん観戦できる、エンターテイメント性も高さも魅力です。
サッカーの交代人数に関するQ&A

最後に、サッカーの交代人数に関するよくある質問に回答します。
サッカーを観戦するうえでも役立つ情報ですので、ぜひ参考にしてください。
Q1.交代の回数は1回ずつ?それとも人数でカウントするの?
A.回数と人数の両方をカウントをします。
一回の交代機会で複数選手の同時交代は可能です。しかし交代機会を3回すべて使い切ると、交代枠が残っていても選手交代はできません。
Q2.交代人数に制限があるのはなぜ?
A.監督が試合を意図的にコントロールするのを防ぐためです。
選手交代が無制限にできると、ピンチの場面で何度も交代ができますよね。そうなると試合のテンポが乱れてしまい、スポーツとしての公平性が損なわれてしまいます。
交代枠を5人、交代機会を3回までにすることで、試合の流れを極端に乱さないようにしているのです。
Q3.なぜ試合終了間際に1人だけ交代させたりするの?
A.若手選手の育成を目的にしています。
終盤の時間帯は、試合の結果がある程度決まっています。このタイミングでの選手交代は、プレーが勝敗に関わらないため、投入される選手のプレッシャーも少ないはず。
実力を試したり実践経験を積んでもらうために、公式戦の終盤に若手選手が投入されています。
Q4.交代した選手は、もう一回試合に出られるの?
A.サッカーでは、一度交代した選手は再出場できません。
再出場が自由に認められてしまうと、サッカー本来の「スタミナを活かして90分戦う」という競技性が損なわれてしまうためです。
交代後の選手は、ベンチで仲間の活躍を見守り応援することになります。
サッカーの交代人数がわかると、観戦がもっと楽しくなる
サッカーは最大5人の選手を3回の交代機会で変更して戦略的に進めるスポーツです。
最大5人の選手を交代すると、試合開始時と終盤でフィールドの半数の選手が入れ替わります。そのため前半と終盤では、チームのプレースタイルの変化もサッカーの特徴のひとつといえるでしょう。
交代人数に関するルールを把握しておくことで、新たな試合の楽しみ方に出会えるはず。
ぜひサッカー観戦の際は、交代の人数や交代のタイミングにも注目してみてくださいね。
サッカーの人数に関するルールは、こちらの記事でもまとめてご紹介しています。ぜひご一読ください。