PKは反則行為に対する罰則の一つ

PKはペナルティキックのことで、反則行為に対する罰則のひとつ。キーパーとキッカー1対1で行われ、ペナルティーエリア内でファウルがあると、基本的にPKとなります。
PKは至近距離からゴールを狙える絶好の機会。ですので、プレーヤーは常にペナルティーエリアでファウルをとられないよう、細心の注意をはらいながらプレーしています。
そして、ファウルの内容や位置によっては、PKではなく直接フリーキックや直接ゴールを狙ってはいけない間接フリーキックになることも。
サッカー観戦中にPKが見られるのは、実は貴重なことなのです。
PKがおこなわれる条件
守備側の選手がペナルティエリア内で反則をしたとき、攻撃側の選手にPKが与えられます。
PKとなる反則行為の例は、以下の3つです。
- ゴールキーパー以外の選手が手や腕でボールを扱った
- 相手選手に対して故意に危険なプレーをした
- 審判員へ物を投げるなどの反則行為をした
ペナルティエリアとは、ゴール前にある2種類の長方形のうち外側の広いほうのこと。このエリア内では、ハンドや危険な行動など直接フリーキックに該当する反則がPKの対象です。
ペナルティエリア内のすべての反則がPKの対象ではなく、比較的ボールとは関係ない場所での反則の場合は、間接フリーキックになることもあります。
サッカーのPKとPK戦の違い
PK戦とは、延長戦が同点で終わったときPKによって勝敗を決める方法です。勝ち負けを決める必要があるトーナメント戦で、おこなわれます。
両チームが5人ずつ蹴っていき、より多く成功したチームが勝者です。それでも決着がつかなかった場合は、1人ずつ蹴って片方のチームが多く得点をあげるまで続けます。
つまりPKは反則行為への罰則で、PK戦は試合の決着をつけるための対戦のこと。PKとPK戦のルールは基本的に同じですが、PK戦では跳ね返ってきたボールは蹴れません。
サッカーにおけるPKの基本的なルール

サッカーにおけるPKの基本的なルールをまとめました。わかりやすく解説するので、ぜひ参考にしてください。
ボールの位置のルール
PKはゴールから12ヤード(約10.97メートル)離れた位置から蹴ります。蹴る位置を示す直径22㎝の印(ペナルティーマーク)の上に置くのがルールです。
ボールはペナルティーマークの中心にふれるか、かかっている状態で静止している必要があります。中心に触れてさえいれば、ペナルティマークからはみ出ていても問題ありません。
キッカーのルール
PKを蹴るキッカーに関連するルールは、以下のとおりです。
キッカーを特定する | ボールを蹴る位置にたちそれ以外の選手は指定エリアに移動する他の選手が蹴ることはできない |
ボールを前に蹴る | 前や斜め前などボールは前方に向かって蹴る |
キックフェイントは禁止 | キックの動作を途中で止める・ボールをまたぐなど助走完了後のフェイント(キックフェイント)は禁止助走中のフェイントは認められている |
二度蹴りは禁止 | 1度ボールに触れたあとは他の選手が触れるまでは触れない |
上記のルールに違反した場合、相手チームの間接フリーキックで試合を再開します。ハンドで直接手がボールに触れたときは、直接フリーキックからの再開です。
ゴールキーパーのルール
ゴールキーパーは、キッカーがボールを蹴るまでゴールライン上にいる必要があります。ゴールラインとは、ゴールのサイドポストをつなぐように引かれたラインのことです。
片足の一部をゴールライン上に触れさせていればOK。前には出られませんが、左右への移動は可能です。
違反した場合、得点が入ればプレーを続行して、セーブされればPKのやり直しになります。
キッカー以外の選手のルール
キッカー以外の選手は、ペナルティーアークやペナルティーエリアの中に入ってはいけません。必ずペナルティマークの後方にいる必要があります。違反した選手への対応は以下の通りです。
攻撃側の選手の違反 | ゴールが決まった場合はPKのやり直し決まらなかった場合は守備チームの間接フリーキック |
守備側の選手の違反 | ゴールが決まった場合は得点決まらなかった場合はPKのやり直し |
ただし、キッカーがボールに触れればインプレーになるため、ペナルティーアークやペナルティーエリアの中に入ってもOKです。そのため選手は、次のプレーに備えてポジションをとります。
サッカーのPKの基本的な進め方

サッカーにおけるPKの基本的な流れは以下の通りです。
- ペナルティマークの上にボールを置いてキッカーを特定する
- キッカー以外の選手は指定のエリアまで移動する
- 主審の笛が鳴ったらキッカーがボールを蹴る
- キックのあとは通常のプレーと同様の流れで試合を続ける
ゴールが決まればセンターサークルからキックオフ、外れたらゴールキックやコーナーキックをおこないます。なお、PKが終わるまで試合時間は延長されるため、途中で時間切れになる心配はありません。
サッカーにおけるPKの注目ポイント

サッカー観戦でPKのシーンに遭遇した際、注目すべきポイントをご紹介します。
キッカーとゴールキーパーの駆け引き
PKでは、キッカーとゴールキーパーの駆け引きで結果が大きく左右します。ゴールキックの裏をかくパネンカや、リズムやステップを変えるなどのテクニックを駆使して、得点をとりにいくわけです。
PKはキッカーに有利で、諸説ありますが成功率は80%前後ともいわれています。PKで得点が入るかハラハラするのも、サッカー観戦の楽しみの一つといえるでしょう。
ゴールキーパーの動き
ゴールキーパーの動きや反応も注目ポイントです。
PKの際、GKはキッカーの動きに合わせて反応するのですが、どのようにポジショニングを取るか、またどのタイミングで飛び込むかで勝敗を左右します。
GKがどの方向に飛ぶかを予測しながらPKを見守ると、より興味深くサッカーを楽しめるでしょう。
観客の反応と雰囲気
PKが決まるか外れるかによって、試合の流れが大きく変わる可能性があります。そのため、観客の反応やスタジアムの雰囲気も注目すべきポイントといえるでしょう。
また、ゴールが決まった瞬間の歓声や外れた際の失望感は、サッカー観戦の醍醐味のひとつ。選手たちの感情やサポーターの応援の盛り上がりも、PKの重要な側面です。
PKとあわせてチェックしておきたい関連用語

PKとあわせてチェックすることで理解が深まる関連単語を、まとめました。意味や対象となる事象を解説します。
直接フリーキック
直接フリーキックは、直接ゴールを狙えるフリーキックです。反則を受けた場所から蹴ることができます。以下のような直接身体的な接触があった反則が対象です。
間接フリーキックと比較すると、直接フリーキックは得点は入りやすい傾向があります。なお、直接フリーキックに該当する反則をペナルティエリアでした場合は、PKです。
間接フリーキック
間接フリーキックでは、2人以上の選手がボールに触れなければゴールになりません。身体的な接触のない、以下のような反則が該当します。
もし間接フリーキックが直接ゴールに入ったときは、相手チームにゴールキックが与えられます。なお、間接フリーキックに該当する反則は、ペナルティエリア内であってもPKにはなりません。
VAR
VAR(ビデオアシスタントレフェリー)とは、試合映像をチェックして主審をサポートする審判員のことです。以下の4つの事象のときのみ介入します。
- 得点か得点でないか
- PKかPKではないか
- 退場か退場ではないか(レッドカードのときのみ)
- 警告退場の人間違い
上記の「はっきりとした明白な間違い」または「見逃された重大な事象」のみが対象です。そのため4つの事象に該当するケースであっても、間違いや見逃しがなければVARは介入しません。
サッカー観戦でPKでの駆け引き楽しもう
サッカー観戦でのPKは、試合の結果を大きく左右します。ゴールキーパーとキッカーの駆け引きに、ハラハラドキドキできるはずです。
テクニックを駆使した駆け引きを楽しむために、基本のルールをチェックしておきましょう。基本的な流れや関連用語を学んでおくことで、新しい視点でサッカー観戦を楽しめます。
また、ENSPORTS fanでは、PKに関する以外のサッカーの基本的なルールも観戦初心者にもわかりやすくまとめてご紹介しています。ぜひそちらもチェックしてみてください。