ドイツのサッカーリーグ「ブンデスリーガ」は、世界トップレベルのリーグのひとつとして知られています。ブンデスリーガの特徴は、攻撃的なプレースタイルや熱狂的なファン文化などです。本記事では、ブンデスリーガの歴史や仕組み、日本人選手の活躍などについて解説します。

ブンデスリーガとは

ブンデスリーガは、ドイツにおけるプロサッカーリーグのトップディビジョン(1部リーグ)。

1963年に創設され、現在では世界5大リーグのひとつです。

バイエルン・ミュンヘンを筆頭に多くの名門クラブが所属し、UEFAチャンピオンズリーグやUEFAヨーロッパリーグなどの国際大会でも活躍しています。

ドイツとオーストラリアは別のリーグ

実はこの「ブンデスリーガ」という名称のリーグは、ドイツだけでなくオーストリアにもあります。

ブンデスリーガとはドイツ語で「連邦リーグ」という意味。この2カ国は連邦国家であり公用語もドイツ語のため、まったくの別運営なのですが呼び方が同じなのです。

一般的に「ブンデスリーガ」というと、今回ご紹介する世界5大リーグのドイツ・ブンデスリーガを指します。

ブンデスリーガ参加にはライセンスが必要

ブンデスリーガには、ほかのリーグには見られない独自の特徴があります。

代表的なものは、厳しいブンデスリーガ・ライセンス取得の条件を満たさないとリーグに参加できない点。

また、原則としてクラブ名に親会社やスポンサー企業の名前を入れることを認めていません。

さらに、クラブの株式の51%以上をサポーターが所有することを定める「50+1ルール」を導入しています。

この50+1ルールによって、外部投資家によるクラブの完全支配を防いでいるのです。

若手選手の育成に力を入れている

ブンデスリーガは、若手選手の育成にも力を入れているリーグです。

UEFA EURO 2000でドイツ代表が苦戦したことを受け、大規模な制度改革が行われました。

すべてのクラブにユースチームの設置を義務付け、2006-07シーズンからは登録選手のうち12名をドイツ人選手とするルールを制定しました。

また、登録選手のうち6名を地元で育成された選手としています。

ブンデスリーガの基礎知識

ブンデスリーガの概要がわかったところで、つづいては歴史や仕組みなどをくわしく見ていきましょう。

ブンデスリーガの歴史

ブンデスリーガの創設は1963年。選抜された16クラブで開幕しました。

1990-91シーズンまで、ブンデスリーガに所属していたのはは旧西ドイツのクラブのみ。旧東ドイツでは、DDRオーバーリーガという別のリーグが行われていました。

1990年のドイツ再統一をきっかけに、1991-92シーズン以降は旧東ドイツに所属していたクラブも参加するようになります。

その後、旧東ドイツに本拠地を置くクラブの降格や解散が相次いだ結果、現在1部リーグ所属に所属するクラブの大半は、旧西ドイツのクラブとなっています。

ブンデスリーガの仕組み

ブンデスリーガは18クラブによって構成され、各クラブはホーム&アウェイ形式で計34試合を戦います。

全国各地で毎節9試合が開催され、1シーズンの総試合数は306試合です。

シーズン終了後、リーグの下位2クラブは自動降格し、2部リーグから上位2クラブが昇格します。

16位のクラブは2部リーグの3位クラブとホーム&アウェイ形式のプレーオフ(入れ替え戦)を行います。

ブンデスリーガの上位4位クラブには、翌シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)グループステージ出場権が与えられる点も大きな特徴です。

さらに5位クラブにはUEFAヨーロッパリーグ(EL)グループステージ出場権、6位クラブはUEFAヨーロッパカンファレンスリーグ(UECL)予選プレーオフ出場権が与えられます。

ブンデスリーガの日程

ブンデスリーガのシーズンは8月から翌年5月まで行われます。

冬季(12月下旬〜1月上旬)には休止期間が設けられており、選手たちは休養や調整を行います。

2019-20シーズンは新型コロナウイルス感染症の影響で、休止期間自体が廃止されました。ブンデスリーガの試合は通常週末に開催され、土曜日に6試合、金曜と日曜に各1試合ずつ開催されるパターンが大半です。

またミッドウィーク開催は、原則として火曜と水曜に分散して行われます。そのため週末の試合を観戦しにくい人も観戦しやすいリーグといえるでしょう。

ブンデスリーガのクラブ・選手

ブンデスリーガには、歴史的な強豪クラブが多く存在します。

最多優勝回数を誇るのは、ドイツ国内外で圧倒的な強さを誇るバイエルン・ミュンヘンです(優勝回数32回)。

このバイエルン・ミュンヘンは、UEFAチャンピオンズリーグで6回の優勝、5回の準優勝を果たしています。

ほかにも攻撃的なスタイルと熱狂的なサポーターで知られるボルシア・ドルトムント、1960年代から1970年代にかけてブンデスリーガを先導したボルシア・メンヒェングラートバッハなどが有名です。

またブンデスリーガには、ロベルト・レヴァンドフスキ(バイエルン・ミュンヘン)やエルリング・ハーランド(ボルシア・ドルトムント)などの有名選手が在籍しています。

ブンデスリーガの魅力

ドイツ・ブンデスリーガの魅力を5つに絞ってご紹介します。

熱狂的なファン文化

ブンデスリーガは、サポーターの熱気が非常に高いことで知られています。

スタジアムは常に満員で、観客が一体となって応援する姿は圧巻。

特にドルトムントの「イエローヴォール」など、特定のスタジアムではその雰囲気が特に際立っています。

攻撃的かつダイナミックなサッカースタイル

ブンデスリーガの試合は、攻撃的でダイナミックなプレースタイルが特徴です。

多くのチームがボールを支配し、素早い攻守の切り替えをおこなう様子は、観客たちにエキサイティングな感情を与えてくれるはず。

攻撃的なサッカーは、多くの観客を惹きつける大きな要因といえるでしょう。

若手選手の育成に注力している

ブンデスリーガは若手選手の育成に力を入れているリーグとしても有名。多くの才能ある選手がこのリーグから世界に羽ばたいています。

これは、先述のUEFA EURO 2000をきっかけに行われた大規模改革によって、すべてのクラブにユースチームの設置を義務付けるなど、選手の育成システムの充実をはかった結果といえるでしょう。

ブンデスリーガには、若手選手がトップレベルでプレーする機会を得やすい環境が整っているのです。

日本人選手の活躍がある

ブンデスリーガは、日本人選手にとっても憧れのリーグのひとつ。

これまで香川真司選手や長谷部誠選手など、数多くの日本人選手がブンデスリーガでプレーしてきました。

2024-2025シーズン、ブンデスリーガでプレーする代表的な選手は、

  • 伊藤 洋輝(バイエルン・ミュンヘン)
  • 板倉 滉(ボルシア・メンヘングラートバッハ)
  • 堂安 律(SCフライブルク)

ブンデスリーガは先述のとおり選手の育成に力を入れているリーグのため、技術的な成長の機会が多く、戦術的な意識も高まる環境といえます。日本代表選手たちにとっても絶好の挑戦の場に最適なのかもしれません。

日本からでも観戦しやすい

2024-2025シーズン、ブンデスリーガを視聴できるサービスは次の4つです。

  • ABEMA(ABEMAプレミアム)
  • Amazon Prime Video(サッカーLIVEライト、ブンデスリーガLIVE)
  • スカパー!
  • SPOOX

上記4つのサービスはいずれも有料ですが、ABEMAではブンデスリーガの試合を毎節1試合無料配信しています。

また、サッカーLIVEライトとブンデスリーガには7日間の無料体験があります。

Amazon Prime Videoには30日間の無料体験もあるため、併用すると7日間は完全無料でブンデスリーガを視聴可能です。

ブンデスリーガは、ドイツ国内のスタジアムで直接観戦できます。

観戦チケットはクラブの公式サイトや販売代理店で購入できますが、不慣れな方は観戦ツアーを利用すると安心です。

世界トップクラスの集客力を誇るブンデスリーガ

ブンデスリーガは歴史、競技レベル、選手層など、あらゆる面で世界最高峰のサッカーリーグのひとつです。

世界トップクラスの集客力を誇り、サポーターを大切にしている点も大きな特徴といえます。

日本人選手の活躍が多いことから、日本のサッカーファンにとっても身近なリーグです。

今後もブンデスリーガの進化は続き、新たなスター選手の誕生や戦術の変化を楽しめるでしょう。

ぜひドイツサッカーの魅力をチェックしてみてください。