日本プロ野球では、12球団が優勝を目指して対戦します。野球観戦を楽しむために、それぞれの基礎知識を把握しておくことが重要です。 本記事では、日本プロ野球12球団の基礎知識をまとめました。1年の流れやメジャーリーグとの違い、よくある質問とあわせて解説します。

日本プロ野球12球団を紹介:セ・リーグ編

セ・リーグとは、日本プロ野球(NPB)におけるリーグの一つで、正式名称はセントラル(中央)・リーグです。それぞれの基礎情報と特徴を紹介します。

読売ジャイアンツ

本拠地東京ドーム
マスコットジャビット
チームカラー黒・オレンジ

巨人とも呼ばれる、日本で最も歴史のあるプロ野球の球団です。日本初のプロ野球チームとして、伝統と数々の栄光を誇っています。 創始者が提唱した「常に紳士たれ」「常に強くあれ」は、今でも受け継がれる巨人軍の哲学です。

阪神タイガース

本拠地阪神甲子園球場
マスコットトラッキー
チームカラー黒・黄色

読売ジャイアンツに次いで歴史が長く、熱心なファンが多いことでも有名です。7回裏に飛ばすジェット風船や、応援歌の六甲おろしが印象的。強いチームを作ることと、夢と感動をファンと分かち合うことを理念としています。

中日ドラゴンズ

本拠地バンテリンドームナゴヤ
マスコットドアラ
チームカラー青・白

日本プロ野球の中で唯一東海に本拠地を置く球団です。かつては「強竜打線」と呼ばれた攻撃的なチームでしたが、現在はピッチャー(投手)を中心とした守備を重視するチームになっています。個性的なパフォーマンスで注目される、マスコットのドアラが人気です。

東京ヤクルトスワローズ

本拠地明治神宮野球場
マスコットつば九郎
チームカラー赤・白・紺

得点が入ったときには応援傘を振りながら東京音頭を歌うという応援が特徴。日本を代表する名捕手である古田敦也選手が所属していたチームで、引退した2007年に古田選手の背番号である「27」を名誉番号とすると発表しました。伝統的に外国人選手が活躍するチームとしても知られています。

横浜DeNAベイスターズ

本拠地横浜スタジアム
マスコットDB.スターマン
チームカラー青・白

伝統的に打者の戦力が高いと言われており、現在は優れたスラッガーを多数擁しています。前身である大洋ホエールズ時代からの優勝回数は2回だけですが、かつてはマシンガン打線で恐れられていました。本拠地は「ハマスタ」の通称で知られる横浜スタジアム。

広島東洋カープ

本拠地MAZDAZoom-Zoomスタジアム広島
マスコットカープ坊や
チームカラー

プロ野球の球団で唯一、親会社をもたない市民球団です。闘志を表す赤色が特徴的で、黄金時代は赤ヘル軍団として恐れられていました。熱狂的な女性ファンの「カープ女子」は、2014年に流行語ベスト10に入っています。

日本プロ野球12球団を紹介:パ・リーグ編

パ・リーグの正式名称はパシフィック・リーグで、太平洋を意味しています。パ・リーグにおける球団の基本情報と特徴をまとめました。

オリックス・バファローズ

本拠地京セラドーム大阪
マスコットバファローブル
チームカラー

本拠地移転や吸収合併など、複雑な歴史をもつ球団です。情熱的なプレーをモットーとしており、イチロー選手が所属していたチームとしても有名。女性ファンは、「オリ姫」と呼ばれています。本拠地の京セラドーム大阪は最寄り駅からのアクセスが抜群なのも魅力。

福岡ソフトバンクホークス

本拠地みずほPayPayドーム福岡
マスコットハリーホーク
チームカラー黄色(レボリューションイエロー)

九州地方唯一のプロ野球球団で、地元で高い人気があります。20年連続Bクラス(下位3チーム)といった不名誉な記録を残した時代もありましたが、現在はクライマックスシリーズの常連。「めざせ世界一!」のスローガンをもとに、感動と夢の実現を目指しています。

埼玉西武ライオンズ

本拠地ベルーナドーム
マスコットレオ
チームカラー紺(レジェンドブルー)

25年連続Aクラス(上位3チーム)の実績を持つ名門球団です。育成力に優れており、ドラフト下位指名だった選手が主力級として活躍することは少なくありません。地域密着とファンとの一体感を重視した球団運営も特徴の一つ。マスコットのレオは、漫画家の手塚治虫がデザインしています。

北海道日本ハムファイターズ

本拠地エスコンフィールドHOKKAIDO
マスコットフレップ
チームカラー青(ファイターズブルー)・白(スノーホワイト)・黒(インヴィクタスブラック)

2003年に東京から北海道に移転し、地域密着や型破りなファンサービスで話題となりました。元メジャーリーガーだった新庄剛志監督は、BIGBOSS(ビッグボス)の愛称で有名。堅実な野球と、華のあるスター選手が在籍している点が魅力です。

千葉ロッテマリーンズ

本拠地ZOZOマリンスタジアム
マスコットマーくん
チームカラー白・黒

勝利への挑戦・熱狂・結束をモットーとする球団です。長らく勝てない時代が続きましたが、2005年にボビー・バレンタイン監督の「ボビー・マジック」と呼ばれた采配で日本一に輝きました。2010年シーズンでは、シーズン3位からの日本シリーズ優勝という史上最大の下剋上を成し遂げています。

東北楽天ゴールデンイーグルス

本拠地楽天モバイルパーク宮城
マスコットクラッチ
チームカラークリムゾンレッド

2005年に誕生した、日本プロ野球で最も新しい球団です。当初の低迷や東日本大震災など辛い時代を経て、少しずつ勝てるチームに成長しました。被災地の球団として大きな役割を果たし、現在も復興のシンボルになっています。

日本プロ野球での1年の流れ

日本プロ野球では、1年を通してスケジュールが決まっています。シーズンごとに何をしているのか、わかりやすくまとめました。

プレシーズン

日本プロ野球では、試合前の準備期間としてプレシーズンが設けられています。

2~3月春季キャンプ各球団が宿営して全体練習・個人練習などを実施する
3月中旬までオープン戦セ・リーグとパ・リーグで交流試合をする

オープン戦の公式名称は春季非公式試合で、12球団が垣根を超えて対戦します。勝率の高い順に順位をつけますが、レギュラーシーズン(公式戦)には反映されません。

レギュラーシーズン

レギュラーシーズンは、プロ野球における公式戦をする期間のことです。

3月下旬~5月下旬ペナントレース総当たり形式のリーグ戦をする
6月セ・パ交流戦両リーグのチームが対戦をする
交流戦終了~7月中旬オールスターゲーム両リーグの人気選手が集まり試合をする

レギュラーシーズンの結果によって、ポストシーズンへの進出が決まります。交流戦やオールスターゲームは特別感のあるイベントなので、いつもと違う気分で試合観戦を楽しめるはずです。

ポストシーズン

レギュラーシーズンの上位3位のみが、ポストシーズンに進出できます。

10月中旬クライマックスシリーズ上位3チームの対戦でリーグ優勝を決定する
10月下旬~11月上旬日本シリーズ各リーグの優勝チームが日本一をかけて対戦する

日本シリーズでは、セ・リーグとパ・リーグの優勝チームが戦います。現在は7試合制を採用していて、先に4勝したチームが勝者です。

オフシーズン

レギュラーシーズンやポストシーズンが終われば、オフシーズンに入ります。オフシーズンの流れは以下の通り。

 内容日程
ドラフト会議10月中旬 期待の新人をチームに招き入れるために交渉権を争う
秋季キャンプ10月下旬〜11月上旬 来シーズンに向けてキャンプを開催する
戦力外通知
10月上旬〜 シーズン以降は戦力として考慮されないことを通告する
契約更新11月上旬〜12月 翌年度の選手契約について交渉して契約を更新する
12球団合同トライアウト11月中旬 自由契約選手を対象に適性試験を実施する

オフシーズンは、選手の休息期間であり来シーズンに向けた準備期間でもあります。ドラフト会議や契約更新は球団の戦力に影響するので、ぜひ注目してください。

日本プロ野球とメジャーリーグの違い

日本プロ野球(NPB)とメジャーリーグ(MLB)には、さまざまな違いがあります。異なるポイントについて、わかりやすく解説します。

試合数の違い

通常であれば、日本プロ野球は交流戦含め140試合程+プレーオフの試合が組まれています。
一方、メジャーリーグは年間160試合程+プレーオフと、試合数が日本プロ野球よりも多く組まれている点が違いと言えるでしょう。

延長戦

日本プロ野球は12回制で、12回を限度に延長戦を行います。点差がつかない場合は引き分けです。

一方のメジャーリーグでは、決着がつくまで試合を続けるタイブレークが採用されています。点が入りやすいように、塁にランナーを置いた状態でスタートするのが12回制との違いです。

ベンチ入りの人数

ベンチ入りの人数は、日本プロ野球なら25人です。メジャーリーグの場合、試合に出場できるのはアクティブ・ロースターと呼ばれる26人までとなっています。

プレーの傾向

日本プロ野球は、緻密な戦術やスモールボール(機動力や小技など)を重視する傾向です。一方のメジャーリーグでは、長打力と攻撃的なプレーが好まれます。

ファンの応援

試合観戦のときの応援歌やコールは、日本特有の野球文化です。メジャーリーグには応援歌はないので基本的には静かで、打席ごとに盛り上がる傾向があります。

使用する用語

日本で使用する野球用語の中には、和製英語が混じっています。

和製英語英語
デッドボールhit by pitch(ヒット・バイ・ピッチ)
フォアボールwalk(ウォーク)
ホームベースPlate(プレート)
ナイターNight Game(ナイト・ゲーム)
タッチアップTag up(タグアップ)
二塁打(ツーベースヒット)・三塁打(スリーベースヒット)Double・Triple(ダブル・トリプル)

野球の本場アメリカでは、上記のような和製英語は通じません。メジャーリーグでの用語について、覚えておくのがおすすめです。

ルール

日本プロ野球とメジャーリーグにおけるルールの違いは、以下の通りです。

日本プロ野球メジャーリーグ
引き分けありなし
外国人枠ありなし
投手交代最低1人と対戦最低3人と対戦
ピッチクロックなしあり

ピッチクロックとは、投球間の時間を制限するルールです。ランナー(走者)がいないときは15秒、いるときは18秒以内に、ピッチャーは投球動作に入らなければいけません。

日本プロ野球に関するよくある質問

日本プロ野球に関するよくある質問をまとめました。疑問を解消したいときに、ぜひチェックしてください。

Q1. セ・リーグとパ・リーグの違いは?

パ・リーグでは、指名打者制(DH制)を採用しています。指名打者は攻撃専門の選手で、ピッチャーの代わりに打席に立つのが役割です。現在セ・リーグでは採用されていませんが、2027年シーズンからの導入が決定しています。

Q2. 日本プロ野球の順位はどう決まる?

公式戦であるペナントレースの順位は、勝率で決まります。引き分けを除いた試合数のうち、勝った割合を示したものです。

勝率は、勝利試合数 ÷ (勝利試合数 + 敗北試合数)で計算できます。勝率が同じだった場合の順位の決め方はセ・リーグとパ・リーグで異なるので、確認しておきましょう。順位の決め方について解説している記事も参考にしてください。

Q3. 日本プロ野球の最速投手は?

日本プロ野球の最速記録は、チアゴ・ビエイラ選手(巨人)の166キロです。日本人選手の場合は、大谷翔平選手(日本ハム)と佐々木朗希選手(ロッテ)がともに165キロを記録しています。

Q4. 日本一に輝いた回数が最多のチームは?

日本一に輝いた回数が最多なのは読売ジャイアンツで、回数は22回です。9年連続で、リーグ優勝と日本シリーズ制覇を成し遂げた記録もあります。ちなみに2位は西武ライオンズの13回です。

日本プロ野球の基礎知識を確認しておこう

日本プロ野球には12球団があり、それぞれ特徴があります。応援したいチームがあるなら、基本的な知識を確認しておきましょう。

さらにシーズンの流れやメジャーリーグとの違い、よくある疑問をチェックしておくのもおすすめ。野球観戦を楽しむために、日本プロ野球について予備知識を身につけておきましょう。

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