キックボクシングの階級の分け方は団体・大会ごとに違う
実はキックボクシングの階級は、団体や大会によって基準が変わります。
仮に階級名が同じでも、団体や大会によって規定体重が異なる場合がほとんど。「日本国内の団体」と「世界規模の団体」でも大きく規定が変わるため、世界的な統一見解もないのがキックボクシングの階級制度の現状です。
ここでは代表的なキックボクシング団体や大会の階級一覧を、一例としてご紹介していきます。
ニュージャパンキックボクシング連盟の階級分け
階級名(全11階級) | 体重 |
---|---|
フライ級 | 50.80kg以下 |
バンタム級 | 53.52kg以下 |
スーパーバンタム級 | 55.34kg以下 |
フェザー級 | 57.15kg以下 |
スーパーフェザー級 | 58.97kg以下 |
ライト級 | 61.23kg以下 |
スーパーライト級 | 63.50kg以下 |
ウェルター級 | 66.68kg以下 |
スーパーウェルター級 | 69.85kg以下 |
ミドル級 | 72.57kg以下 |
ヘビー級 | 72.57kg以上 |
一時期リングネームが話題になった「長島☆自演乙☆雄一郎」選手は、スーパーウェルター級の初代王者。日本人で初めてキックボクシングと総合格闘技の王座認定団体でもあるISKAで殿堂入りを果たした国崇選手は、バンタム級の元王者です。
全日本キックボクシング連盟の階級分け
階級名(全10階級) | 体重 |
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フライ級 | 50.802kg以下 |
バンタム級 | 53.524kg以下 |
フェザー級 | 56.245kg以下 |
スーパーフェザー級 | 58.967kg以下 |
ライト級 | 61.689kg以下 |
スーパーライト級 | 64.410kg以下 |
ウェルター級 | 67.132kg以下 |
スーパーウェルター級 | 69.853kg以下 |
ミドル級 | 72.575kg以下 |
ヘビー級 | 72.575kg以上 |
キックの神様と呼ばれるほど激しい攻撃力を持ち、外国人として初めてムエタイの頂点・ラジャダムナン王者にもなった藤原敏男氏は、初代ライト級元王者です。
日本人初のK-1 WORLD MAX世界王者の魔裟斗選手は、ウェルター級の元王者。武尊選手など日本で一番多くのキックボクシング・チャンピオンを育てた実績を持つ前田憲作氏はフェザー級の王者を獲得してます。
国際キックボクシング連盟の階級分け
階級(全17階級) | 体重 |
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アトム級 | 53.1 kg以下 |
フライ級 | 53.2 – 54.5 kg |
バンタム級 | 54.6 – 56.4 kg |
フェザー級 | 56.5 – 58.2 kg |
ライト級 | 58.3 – 60 kg |
スーパーライト級 | 60.1 – 62.2 kg |
ライトウェルター級 | 62.3 – 64.5 kg |
ウェルター級 | 64.6 – 66.8 kg |
スーパーウェルター級 | 66.9 – 69.5 kg |
ライトミドル級 | 69.6 – 72.3 kg |
ミドル級 | 72.4 – 75 kg |
スーパーミドル級 | 75.1 – 78.2 kg |
ライトヘビー級 | 78.3 – 81.4 kg |
ライトクルーザー級 | 81.5 – 84.5 kg |
クルーザー級 | 84.6 – 88.6 kg |
ヘビー級 | 88.7 – 97.7 kg |
スーパーヘビー級 | 97.8 kg以上 |
世界で最も多くキックボクシングの世界タイトルを保持するキックボクサーとしてギネスブック(2002年度版)にも載っているドン・ウィルソン氏は1999年のクルーザー級王者。「生けるブルース・リー」という異名を持つカン・リー氏は、ライトヘビー級の元王者です。
アメリカで最も偉大なキックボクサーの1人と称されるマンソンギブソン氏は、ライトクルーザー級の王者を獲得してます。
(女子)国際キックボクシング連盟の階級分け
階級(全12階級) | 体重 |
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ストロー級 | 51.40kg以下 |
アトム級 | 51.40 – 53.18kg |
フライ級 | 53.2 – 54.5 kg |
バンタム級 | 54.6 – 56.4 kg |
フェザー級 | 56.5 – 58.2 kg |
ライト級 | 58.3 – 60 kg |
スーパーライト級 | 60.1 – 62.2 kg |
ライトウェルター級 | 62.3 – 64.5 kg |
ウェルター級 | 64.6 – 66.8 kg |
スーパーウェルター級 | 66.9 – 69.5 kg |
ライトミドル級 | 69.6 – 72.3 kg |
ミドル級 | 72.4 – 75 kg |
現在のONE Championshipの世界王者でもあるジャネット・トッド選手はアトム級の挑戦者。ボクシングでは世界3階級制覇を達成し世界王座を18回防衛した伝説的ボクサーでもある、ホリー・ホルム選手はスーパーライト級の挑戦者です。
ヨーロッパで2回、世界で5回チャンピオンに輝いたアレクシス・ルーファス選手は、現在のバンタム級の王者を獲得してます。
キックボクシングの適正階級について
キックボクシングの適正階級を決めるときに、実は明確な基準はありません。選手が練習を続ける中でトレーナーから適性も見てもらいながら、また階級ごとに君臨する選手層などもみて総合的に戦略をもって階級を決めていきます。
キックボクシングの階級分けに「身長」は関係ない
ちなみにキックボクシングの階級分けに、身長は関係ありません。キックボクシングにおいては、身長差は試合の質を決める上で決定的な要素ではないと考えられているからです。
もし身長が高くても、腰を落として重心を安定させて構えるため、結果的に5cm高くても10cm高くてもさほど試合の優劣は変わらないと言われています。
つまり身長差に基づいて階級を分けても、試合の質に違いが生まれず階級の存在意義が感じられないため、階級分けに身長は関係ないのです。
キックボクシングには階級ごとの楽しさがある
一般的には体重の軽い階級であるほどスピード感のある試合展開が楽しめますし、重量級になるほど迫力ある試合展開を楽しめる傾向にあります。
どの階級にもそれぞれ楽しさがありますので、いろいろな試合を見てみてくださいね。