野球におけるセンターは、外野の中心を守る重要なポジションです。打球の処理やバックアップなど役割に注目すれば、そのプレーをさらに楽しめるはず。 本記事では、野球におけるセンターの役割と求められる能力を解説します。センターの有名選手や、その他のポジションについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

野球のセンターとは

野球 センター 中堅手

野球におけるセンターとは、どのようなポジションなのでしょうか。守備位置やその重要性について紹介します。

外野の中心部分を守る選手

外野(内野の外側にあるエリア)を守る選手の一人であり、守備位置はライトとレフトの間です。割り当てられた守備番号は8番で、中堅手やCenter fielder(センターフィルダー)とも呼ばれます。

基本的な定位置はホームベースとセカンドベースを結んだ延長線上の外野中央です。ピッチャーの真後ろでは打者の動きが見えにくいため、状況に応じて中央からやや左右に移動することもあります。

センターラインを構成する選手の一人

守備力がとくに重視されるポジションのことを、センターラインといいます。該当するポジションは以下の通りです。

キャッチャー試合全体を見ながら守備の要として指示を出す
セカンド・ショート連携しながらあらゆるプレーに対応する
センター外野で広範囲にわたって打球を処理する

センターラインにつく選手には、高い守備技術が求めらます。観戦の際はセンターラインに配置された選手の守備にも注目してみましょう。

野球におけるセンターの役割

野球におけるセンターの役割はさまざまです。どのようなプレーをするのか、ぜひチェックしてください。

打球の処理

センターは、外野の中でも守備範囲が広いポジションです。ライトやレフトと違い、センターはファウルゾーンに面していません。

外野の中心はもちろん、右中間(ライトとセンターの間)、左中間(レフトとセンターの間)に飛んできた打球まで。セカンドとショートの間で処理することもあります。

バックアップ

レフトやライト、内野手のエラーに備えてバックアップに入ります。バックアップとは、エラーや送球ミスがあったとき確実に捕球できるように、他の野手の後方に回り込むことです。

また、セカンドへの牽制球(進塁を阻止するための投球)のバックアップに入ることもあります。セカンドがミスしたとき、ランナー(走者)の進塁を防ぐ重要な役割です。

バックホーム送球

外野の中でもセンターはホームベースから比較的遠いため、長距離かつ正確なバックホーム送球が求められる機会が多いポジションです。

ランナーがホームベースにかえるのを防止するために、捕球したボールを素早く送球します。

バックホーム送球に関しては、イチロー選手のレーザービームがとくに有名です。正確かつ確実な送球が求められることから、投手だった選手がセンターにコンバート(ポジションの変更)することもあります。

守備位置の指示

センターは、フィールド全体を見渡せるポジションです。正面からピッチャーの球種やバッターのバッティングを観察して、ライトとレフトに守備位置の指示を出す役割も担っています。

状況によって、どこに投げたらよいのか、送球の指示を出すことも。外野全体で適切な守備位置につくようにリーダーシップをとることから、外野守備の要とされます。

野球のセンターに求められる能力

では野球のセンターには、どのような選手が向いているのでしょうか。求められる能力について紹介します。

脚力

センターは守備範囲が広く移動距離が長いため、打球に追いつく脚力が必要です。足が早ければより確実に捕球でき、ランナーをアウトにできる確率があがります。

打球の処理やカバーリングなど役割をこなすために、広い外野を走り回るためことになるので、体力が必要なポジションです。

肩の強さ

センターはホームベースから遠いので、投げる距離が長くなります。

正確かつ確実に送球するためには、強い肩が必要です。ホームペースに素早く送球してランナーをアウトにすれば、相手チームに点が入るのを阻止できます。

判断能力

センターは、ピッチャーの球種やバッターのバッティングを確認して飛び方を分析しなければいけません。状況を瞬時に見極めて、ポジショニングや指示出しを行います。

打球の落下地点を予想して守備位置につき、ライトとレフトと連携して確実に捕球しなければいけません。瞬時に判断して行動に移る判断能力が必要です。

野球におけるセンターの有名選手

センターで有名なプロ野球選手を紹介します。概要と守備の特徴についてまとめました。

新庄剛志

所属チーム阪神タイガース、ニューヨーク・メッツ(2度在籍)、サンフランシスコ・ジャイアンツ、北海道日本ハムファイターズ 
ポジション外野手、内野手

日本人野手初のメジャーリーガーで、現役時代は印象的なプレースタイルや言動が注目を集めました。打球を予測する嗅覚に優れていて、他の野手へのバックアップにも積極的。強肩と捕球から送球までの素早い動作によって、ランナーをアウトにしました。

山本浩二

所属チーム広島東洋カープ
ポジション外野手

現役時代は広島東洋カープのスター選手で、「ミスター赤ヘル」の愛称でも有名です。強肩巧守のセンターとして知られ、302守備機会連続無失策によりセ・リーグ記録を樹立。大学時代は投手をしていたことから、強肩を武器としていました。

辰己涼介

所属チーム東北楽天ゴールデンイーグルス
ポジション外野手

俊足と強肩を活かした守備が特徴です。日本プロ野球(NPB)において、外野手における1シーズン刺殺数日本記録(297刺殺)を保持。4年連続でゴールデングラブ賞を受賞していて、ベストナインにも選出されています。

近本光司

所属チーム阪神タイガース
ポジション外野手

走攻守で優れた選手で、走塁は盗塁王、打撃で最多安打、守備ではゴールデングラブ賞を獲得しています。球界屈指の守備範囲を誇り、素早く落下地点に入る驚異的な俊足も特徴です。バッターとしても優れていて、バットコントロール能力に定評があります。

センター以外のポジションを紹介

野球 守備ポジションと守備番号

野球におけるセンター以外のポジションを、まとめました。守備番号と主な役割を紹介します。

ポジション守備番号
主な役割
ピッチャー(投手)1番マウンドに立ち打者にボールを投げる
キャッチャー(捕手)2番投手の投球を受けて守備全体の指揮を行う
ファースト(一塁手)3番一塁周辺に飛んできた打球を処理する
セカンド(二塁手)4番二塁周辺に飛んできた打球を処理する
サード(三塁手)5番三塁周辺に飛んできた打球を処理する
ショート(遊撃手)6番二塁と三塁の間に飛んできた打球を処理する
レフト(左翼手)7番左側エリアに飛んできた打球を処理する
センター(中堅手)8番外野の中央に飛んできた打球を処理し守備の要として指示出しする
ライト(右翼手)9番右側エリアに飛んできた打球を処理する

それぞれ役割が異なり、全体で連携しながら守備を行う仕組みです。ちなみにメジャーリーグ(MLB)やパ・リーグで採用されている指名打者(DH)制度では、守備のポジションにつかない打撃専門の選手がいます。

センターの守備に注目しよう

野球におけるセンターとは、外野の中心周辺を守るポジションです。センターラインを構成する選手の一人であり、守備が得意な選手がつくとされています。

脚力や肩の強さ、判断能力といった特徴に注目すれば、センターのプレーの奥深さに気づき、観戦の楽しみ方が広がるはずです。

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