ボクシングにおけるリングのサイズは、試合にも大きな影響を与えます。基礎知識を理解しておくことで、試合の見方が変わり、観戦がより楽しくなるはずです。 本記事では、ボクシングのリングに関する基礎知識や規定をまとめました。試合への影響や座席ごとの見え方、よくある質問とあわせて、わかりやすく解説します。

ボクシングのリングに関する基礎知識

ボクシングでは、リング上でボクサー同士が戦います。意味やリング(円)と呼ぶ理由など、基礎知識を解説しましょう。

リングとは正方形の試合場のこと

ボクシングにおけるリングとは、ロープで囲まれた正方形の試合場のことです。ボクサーは試合の際に、リングに上がって戦います。

鉄骨製の土台の上に丈夫な板を並べてクッションとなる素材を敷き、キャンバス(リングの床面)で覆って設置します。現在の公式ルールでは、リングは正方形と定められています。

四角なのにリング(円)の理由

昔は観客がボクサーを輪で囲んでいたことで、リング(円)と読んだといわれています。17世紀のイギリスで大ブームが起きたボクシングは、その当時は賭け事の対象でした。

見物人が囲むことで、自分が賭けたボクサーが逃げられないようにしたのが由来です。地面に4本の杭を立ててロープを張ったことで形が四角くなりましたが、リングの名称はそのまま。

正式に四角形と規定したのは、1867年に公表された「クインズベリー・ルール」です。四角形の1辺は24フィート(7メートル32cm)と決められていました。

ボクシングのリングの配置

基礎知識をチェックしたところで、次はボクシングのリングの配置についてご説明します。

このリングの配置は座席選びの目安にもなるので、ぜひチェックしてみてください。

赤コーナーと青コーナー

赤コーナーと青コーナーとは、両ボクサーの本拠地となるリングの隅のことです。2つのコーナーは対角にあり、一般的に以下のように割り当てられます。

赤コーナーランキング上位のボクサーが使用する本拠地
青コーナー挑戦者(もしくはランキング下位)のボクサーが使用する本拠地

残る2箇所の角は中立のニュートラルコーナーと呼ばれます。相手ボクサーがダウンしている間や医師の診察を受けている間に、もう一方のボクサーが一時待機する場所です。

ボクシングの会場では、リングを中心に東西南北で座席の位置を表します。
興行によって変動はありますが、北が赤コーナー側、南が青コーナーとなる場合が多いです。

セコンドの位置と役割

セコンドの定位置は、コーナー外側に設置されたセコンド席です。セコンドの役割はボクサーのサポートで、作戦指示やインターバル(休憩)中のケアなどを行います。

プロボクシングでは、1人のボクサーに最大3人のセコンドがつくことに。インターバル中は、チーフセコンドと応急処置をするカットマンだけがリングに上がれます。

リングの大きさや素材が試合に与える影響

リングの大きさや素材は、試合展開だけでなくボクサーの戦い方そのものにも影響します。観戦するうえで知っておきたいポイントを見ていきましょう。

リングサイズの違い

プロボクシングの場合、会場や興行によってリングサイズは異なります。会場で観戦する際には、試合前にリングの大きさを確認してみるのがおすすめです。

タイトルマッチなど大きな試合だと、両者合意のうえでリングサイズを決定します。ファイトスタイルでリングサイズの有利不利があり、公平性を確保する必要があるのが理由です。

広いリングがアウトボクサーに有利な理由

アウトボクサーは、相手と距離を保つ戦い方を得意とするタイプのボクサーです。リングが広いと、移動できるスペースは大きくなります。

間合いを広くとれるため、フットワークで翻弄したり回り込んだり、ヒット&アウェイが機能しやすいのが特徴です。広いリングの場合、アウトボクサーの得意な形に持っていきやすくなります。

 狭いリングで打ち合いが起きやすい理由

狭いリングだと、相手ボクサーとの距離は自然と近くなります。回避したり回り込んだりするスペースが限られるため、打ち合いが発生しやすい傾向です。

そのため接近戦を得意とするインファイターに有利に働きます。激しい攻防からKOが発生しやすく、観客にとってもエキサイティングな試合展開になるはずです。

リングの素材が影響するポイント

素材はフェルト(動物の毛もしくは化学繊維を使った不織布)が推奨されていて、畳など同程度の柔軟さを持った素材を下敷きに使うこともあります。

リングの床面は衝撃吸収と滑り止めの役割を兼ねており、試合にも影響することも。たとえばステップワークが難しい柔らかめな床は、アウトボクサーに不利とされます。

また、ジムにあるリングに使われている素材はさまざまです。たとえばゴム床はクッション性があるので、膝への負担を軽減できます。綿帆布や合成繊維は、耐久性があり滑りにくいのが特徴です。

プロとアマで変わるリングの仕様と特徴

プロとアマチュアにおけるリングの仕様と特徴を、それぞれまとめました。共通点と相違点について、わかりやすく解説します。

プロとアマで共通しているポイント

プロとアマチュアでは、リングの基本的な構造が同じです。架台にキャンバスマットを張ったものが床面で、材質はフェルトを推奨しています。

四隅に鉄柱のコーナーポストを設置して、3本もしくは4本のロープで周囲を囲います。現在はリングからの落下防止のため4本が主流です。ロープの角部分にはパッドがあり、衝突した際の衝撃を和らげます。

プロのリングの特徴

プロボクシング リング
プロボクシングのリング サイズ規定

プロボクシングのリングは、以下のように規定されています。

一辺の長さ18~24フィート(5.47~7.31m)
キャンバスの厚さ2.5インチ(約6.35cm)
ロープの外側2フィート(約0.61m)以上

プロボクシングは興行なので、キャンバスにスポンサーの企業名などが描かれることがあります。そのためキャンバスが使いまわされることは、ほとんどありません。

アマチュアリングの特徴

アマチュアボクシング リング
アマチュアボクシングのリング サイズ規定

アマチュアボクシングにおける、リングの規定は以下の通りです。

ロープの内側16フィート~20フィート(4.9m~6.1m)
キャンバスの厚さ2分の1インチ(1.3cm)から3/4インチ(1.9cm)
ロープの外側18インチ(46cm)以上

上記は日本ボクシング連盟(JABF)の競技規則で規定。赤コーナー側・青コーナー側・中央のレフェリー・ドクターが使用する用と、合計で3つの階段が設置されています。

座席によってリングの見え方が違う

ボクシング会場 座席の配置例

ボクシングの座席にはさまざまな種類があり、それぞれリングの見え方が異なります。自らの観戦スタイルにあった座席を選んでください。

主な座席の種類と特徴は、以下のとおりです。

位置価格
リングサイド席リングをグルリと囲む席最も高い
アリーナ席リングサイド席の後方にある席高い
スタンド席アリーナ席の後方にある階段状の席比較的安い
立見席
(有無は興行で異なる)
スタンド席後方の立って観戦する席最も安い

リングサイド席はボクサーの表情まで見られる、スタンド席は試合全体を見渡せるなど、それぞれ特徴があります。会場の公式サイトの座席図を確認して、見え方をイメージしておきましょう。

ボクシングのリングに関するよくある質問

ボクシングのリングについて、観戦初心者のよくある質問をまとめました。疑問を解消するために、ぜひ役立ててください。

Q1.リングのサイズで試合は変わる?

距離を保ちながら戦うアウトボクサーの場合は、リングが広いほうが有利。接近戦での打ち合いが得意なインファイターは、狭いほうが有利です。

ボクサーのタイプが異なる場合は不公平になるため、タイトルマッチでは協議のうえでリングのサイズを決定します。カネロ対ビリー・ジョー・サンダースなど、抗議によってリングサイズが変更になったといわれています。

Q2.リングに上がれるのは誰?

リングに上がれる人は限られています。

ラウンド中両ボクサー
レフェリー
ドクター(レフェリーの指示があった場合のみ)
インターバル中両ボクサー
レフェリー
チーフセコンド(1人)
カットマン

セコンドはラウンド中、リングの外にいなければいけません。インターバルが終わる前に使用していた道具を片付けてリングから降り、ボクサーとレフェリーだけの状態に戻します。

Q3.国や団体によってリングのサイズは変わる?

ボクシングのリングサイズは、国や地域によって差がでることがあります。日本のような体重の軽いボクサーが多い国は、小さめのリングが多い傾向です。重量級のボクサーが多い国だと、大きめのリングが多くなります。

Q4.リング禍って何?

リング禍とは、リング上での大きな負傷や事故のことです。以前はリング上の重大な事故が問題となっていました。現在は主要団体やジムで安全基準が厳格化されていて、リング禍を防ぐための対策が徹底されています。

Q5.観戦するならリングサイド席がいいの?

リングサイド席はリングに近いので、臨場感と迫力が楽しめます。ただし、位置によっては、コーナーやセコンドなどに視界を遮られることも。そのためリングサイド席が、必ずしも見やすいとは限りません。

料金も高いので、観戦初心者だとアリーナ席やスタンド席のほうがよいケースもあります。リングサイド席にこだわる必要はなく、予算や観戦スタイルにあった席を選ぶことが大切です。

Q6.試合中にボクサーがリング外に落ちたらどうなるの?

プロボクシングの場合は、リング外に落ちるとリングアウトとして扱われます。20カウント以内にリングに戻れなければTKO負けです。反則行為でリング外に出ると、戻っても減点になります。

アクシデントなら試合を中断してリングに戻るのを待ちますが、戻れなければ偶然の負傷と同じ扱いです。ただし、詳細なルールはコミッションや団体によって異なるので、確認しておきましょう。

ボクシングのリングの知識で試合観戦はもっと楽しくなる

ボクシングにおけるリングの広さは、会場や興行によって異なります。ファイトスタイルによって有利不利に影響するので、リングのサイズに注目しましょう。

リングの基礎知識をチェックしておけば、選手の動きや駆け引きを深く理解できるようになります。赤コーナーと青コーナーやセコンドの位置、サイズなどに注目することで、試合観戦はさらに楽しくなるはずです。

そのほか、ENSPORTS fanではボクシング観戦初心者にむけて基本ルール試合時間を解説した記事も公開中。ぜひそちらも試合観戦前にチェックしてみてください。