ボクシングを初めて観戦する人にとって「1試合ってどれくらい?」「途中で帰ってもいいの?」といった疑問はつきもの。 実はボクシングの試合時間は、プロとアマチュアで大きく異なるのをご存知ですか?この記事ではそれぞれのルールや所要時間、観戦時に知っておきたいポイントを解説します。

ボクシングの試合時間の基本ルール

ボクシング ラウンド数とインターバル
ランク毎のラウンド数とインターバル

ボクシングの試合は、試合を区切って繰り返す「ラウンド制」です。1ラウンドは3分間、ラウンドの間には1分のインターバル(休憩)が設けられてます。

つまりボクシングの試合時間は、ラウンド数×3分+インターバルの合計で構成されているのです。例えば6回戦であれば「3分×6+1分×5=23分」が試合時間の目安となります。

この基本ルールを踏まえて、まずはプロとアマチュアそれぞれの試合時間を見ていきましょう。

プロボクシングの試合時間

プロボクシングは、相手に与えるダメージや技術を競う競技。

この基本ルールを踏まえたうえで、実際にプロの試合ではどのように時間が設定されているのかを見ていきましょう。

1ラウンドは男子は3分間、女子は2分間

プロボクシングの1ラウンドの時間は、以下のとおり。

区分1ラウンドインターバル
男子3分1分
女子2分1分

女子の場合は安全面を考慮して、1ラウンドは2分。

短い時間の中でどれだけ戦いをアピールできるのかが、勝敗を左右します。

ラウンド数は試合によって異なる

プロボクシングでは、ボクサーのライセンスや試合の重要度によってラウンド数が異なります。

区分ラウンド数
C級4回戦
B級6回戦
A級8回戦以上
日本タイトルマッチ10回戦
世界タイトルマッチ12回戦(男子)/女子10回戦

ライセンスが上がるほど、より多くのラウンド数を戦えるようになる仕組みです。日本タイトルマッチや世界タイトルマッチなど、重要な試合ほど試合時間も長くなります。

1試合にかかる試合時間

一試合にかかる試合時間の目安を、一覧でまとめました。

区分ラウンド数試合時間
(ラウンド+インターバル)
C級4回戦(3分×4+1分×3)=約15分
B級6回戦(3分×6+1分×5)=約23分
A級8回戦(3分×8+1分×7)=約31分
日本タイトルマッチ10回戦(3分×10+1分×9)=約39分
世界タイトルマッチ男子:12回戦
女子:10回戦
男子(3分×12+1分×11)=約47分
女子(3分×10+1分×9)=約39分

実際には入場・紹介・判定発表・退場を含めて、1試合あたり+10〜15分程度を見込むのが一般的です。

したがって、世界タイトルマッチであれば1時間前後と考えておくとよいでしょう。

興行(イベント)の基本的な流れ

プロボクシングは、1回の興行で複数の試合を行います。基本の流れは以下のとおりです。

試合順選手・内容
アンダーカード
(第1〜3試合)
新人・若手ボクサー
セミファイナル
(第4〜6試合)
中堅・注目選手
メインイベント
(最終試合)
タイトルマッチ・話題の試合など

C級ボクサーからB級ボクサー、A級ボクサーというように、序盤から終盤にかけてレベルが上がるプログラムです。

ボクシングの試合は1試合あたり15〜60分ほどですが、実際に観戦すると、開場から退場までで全体で2〜3時間程度かかるのが一般的となっています。

興行の全体スケジュールについては「ボクシング観戦の所要時間を解説した記事」で詳しく紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。

アマチュアボクシングの試合時間

技術を競うアマチュアボクシングは試合時間が短いため、陸上の短距離にたとえられることも。ラウンド数や試合時間、大会における基本の流れを解説します。

1ラウンド3分間で3ラウンド

IBA(国際ボクシング協会)の規定によって、試合時間やラウンド数が定められています。

区分1ラウンドラウンド数インターバル
シニア(18歳以上)3分3回戦1分
ユース(17~18歳)3分3回戦1分
ジュニア(15~16歳)2分3回戦1分
小学生1分30秒3回戦1分

アマチュアボクシングの場合は、女子と男子で試合時間に違いはありません。プロボクシングと比較するとラウンド数が少ないため1試合の時間が短く、テンポよく観戦できます。

1試合にかかる試合時間

アマチュアボクシングで、1試合にかかる試合時間を紹介します。

区分試合時間
(ラウンド+インターバル)
想定時間
シニア(18歳以上)(3分×3+1分×2)=約11分約11分
ジュニア(2分×3+1分×2)=約8分約8分
小学生(1.5分×3+1分×2)=約7分約7分

プロボクシングと同様に入場・判定・退場に時間がかかるため、プラス10分で見積もっておきましょう。試合時間が短いので、複数の試合を無理なく観戦できます。

大会の基本的な流れ

アマチュアボクシングの大会は、勝ち抜き形式のトーナメント制が一般的です。一度負けたボクサーは、その時点で敗退になります。

大会によっては数日に分けて行われることも。観戦を検討している場合は、大会全体のスケジュールを確認しておくのがおすすめです。

ボクシングの試合時間に影響する要素

ボクシングの試合が想定より短く終わることは、少なくありません。アマチュアとプロに分けて、試合時間に影響する要素を解説します。

プロボクシングで早期決着がつくケース

プロボクシングで、試合に早期決着がつくケースと長引くケースをまとめました。

状況内容試合時間への影響
KOダウン後10秒以内に立ち上がれない即終了
TKOレフェリーやセコンドが試合続行不可能と判断即終了
失格反則行為による失格即終了
判定最終ラウンドでの勝敗が決しなかった長引く

プロはアマチュアよりKOが多いため、試合時間が短くなる可能性は高くなります。一方で判定にもつれ込んだ場合は、試合結果が決定するまで待たなければいけません。

アマチュアボクシングで早期決着がつくケース

アマチュアボクシングで早期決着がつくケースや試合が長引くケースは、以下の通りです。

状況概要試合への影響
KOダウン後10秒以内に立ち上がれない即終了
RSCレフェリーやドクターが試合続行不可能と判断即終了
棄権本人やセコンドが試合続行不可能と判断即終了
失格反則行為による失格即終了
判定最終ラウンドでの勝敗が決しなかった長引く

アマチュアボクシングでは、ボクサーの安全性と競技の公平性を重視。そのため劣勢の選手が過度な打撃を受けたり圧倒的な差がついたりすると、試合続行不可としてRSC(レフリー・ストップ・コンテスト)になります。

ボクシングの試合時間に関するよくある質問

ボクシング観戦初心者が抱く、よくある質問をまとめました。試合時間に関する疑問を、観戦前に解消しておきましょう。

Q1.ボクシングの試合時間はどうやって決まるの?

試合時間は「ラウンド数×3分+インターバル1分×(ラウンド数−1)」で構成されます。
ラウンド数は試合のレベル(4回戦・10回戦・世界戦など)によって異なります。

Q2.試合は必ず最後まで行われますか?

必ず決まったラウンド数まで試合が続くとはかぎりません。
KO・TKO・RSC(レフェリーストップコンテスト)・失格など、途中で試合が終了するケースも多くあります。

Q3.延長戦はありますか?

原則として延長戦はありません。
規定ラウンドで決着がつかない場合は、ジャッジ3名による採点で勝敗を決めます。

Q4.試合が中断されることはありますか?

出血やバッティングなどによるドクターチェックで、一時的に中断されることがあります。
再開が難しいと判断された場合は、技術判定や無効試合になることも。

Q5.試合時間が長引くことはありますか?

試合そのものの時間は変わりませんが、判定発表までに時間がかかる場合があります。
特に僅差の試合では採点集計に数分かかることもあります。

試合時間の目安を確認しておこう

ボクシングの試合時間は、1ラウンドの時間とラウンド数で決まります。プロボクシングとアマチュアボクシングのラウンド数や1試合あたりの時間の目安を、確認しておきましょう。

試合時間の目安をチェックすれば、観戦当日のスケジュールも立てやすいのではないでしょうか。ただし、さまざまな要素で試合時間は前後するため、余裕をもって入場するのがおすすめです。

そのほか、ENSPORTS fanではボクシング観戦初心者にむけて基本ルール階級を解説した記事も公開中。ぜひそちらも試合観戦前にチェックしてみてください。