バスケットボールにはさまざまな見どころがありますが、最も観客を魅了するのが「シュート」です。 実は、一口にシュートといっても、非常に多くの種類があります。本記事では、バスケットボールにおける代表的なシュートの種類や観戦時の注目ポイントを解説します。バスケットボール観戦をより楽しみたい方はぜひ参考にしてください。

バスケットボールのシュートとは?基本の仕組みとルール

バスケットボールの「シュート」とは、ボールをリングに投げ入れて得点を狙う行為。

試合では、ボールがリングを通過すれば得点が認められ、位置や状況によって1点・2点・3点と得点が変わります。

シュートが重要とされる最大の理由は、得点そのものが試合の勝敗を決める唯一の要素だからです。いくら華麗なパスや堅実なディフェンスを展開しても、最終的にシュートが決まらなければ勝利はありません。

また、シュートには試合の流れを変える力もあります。

特に3ポイントシュートや豪快なダンクは、チームの士気を高め、観客を一気に盛り上げる効果があります。

【点数別】バスケットボールのシュートの種類

バスケットボールのシュートは、打つ位置によっても点数が変わります。ここでは、シュートの種類と位置関係を解説します。

フリースロー|1点

フリースローは、相手チームのファウルによって与えられるシュートで、1本成功すれば1点が入ります。

ゴールから4.225mのラインから放たれ、相手選手の妨害はありません。

フリースローを打つ選手は、審判からボールをもらってから5秒以内にシュートを打つ必要があります。

フリースローは、精神的な集中力が大きく求められるプレーで、観戦時も会場が静まり返る瞬間です。

2ポイントシュート

2ポイントシュートは、バスケットボールの試合で最も多く使われる基本的なシュートです。

スリーポイントラインの内側から放たれ、成功すると2点が入ります。

レイアップやジャンプシュートなど、バスケ観戦でもっとも多く目にするプレーです。インサイドプレーでの接触や駆け引きが多く、身体能力と技術が問われます。

3ポイントシュート

3ポイントシュートは、コート上の3ポイントラインの外側から放つシュートで、成功すれば3点が入ります。

スリーポイントラインとは、リングから6.75m離れた楕円形です。

遠距離からのシュートであるため成功率は低くなりがちですが、試合の流れを一気に変える破壊力を持ちます。

NBAのステフィン・カリーや、日本代表の河村勇輝選手が得意とすることで有名です。

【動作別】バスケットボールの代表的なシュート9選

バスケットボールにはさまざまなシュートがあり、見分けられるとより観戦が楽しめるはずです。ここでは、代表的な9種類のシュートを紹介します。

ジャンプシュート

ジャンプシュートは、ジャンプして最高到達点でボールを放つシュート。試合で多用される「基本中の基本のシュート」といえます。

観戦時には、ジャンプの最高到達点で放っているかに注目しましょう。このときのフォロースルー(手首がきれいに伸びているか)を見ると、得意な選手かわかります。

ジャンプシュートを得意とする選手は、ディフェンスに当たり負けしない、フィジカルの強さとバランス力を兼ね備えていることが多いです。

セットシュート

セットシュートは、ジャンプせずに両足を地面につけた状態で放つシュートです。

観戦時は、ジャンプせず落ち着いて打つため、フリーの場面で選手が狙っているかを見るといいでしょう。

余裕があるシーンや確実に得点を決めたいシーンでよく見られ、こちらもジャンプシュートに並んで基本中の基本のシュートといえます。

レイアップシュート

レイアップシュートは、ゴール下でステップを踏みながら放つシュートです。

「ランニングシュート」ともいわれ、初心者からプロまで必須の基本技術。ゴールへ走り込むスピードと、ステップのリズムを観ると美しさが際立ちます。

リングにボールを置くイメージで、やさしく放つことが成功のポイント。成功率が高く、初心者でも得点の瞬間を予想しやすいシュートです。

バックシュート(レイバック)

バックシュートは、リングに背を向けたまま打つシュート。リングに背を向けて打つので、「えっ、入るの?」という意外性が楽しいプレーです。

レイアップシュートの流れのままリング下を通過し、ゴールを背にした状態でボールを放ちます。

別名「レイバック」とも呼ばれており、観戦時はディフェンスをかわす工夫として観ると理解しやすいでしょう。

バンクシュート

バンクシュートは、バックボードにボールを当てて得点を狙うシュートです。角度を利用することで成功率が上がります。

ボールの勢いを調整しやすく成功率が高いことから「銀行に預金するのと同じくらい確実」という意味合いでバンクシュートと名付けられたそうです。

観戦では、ボードに斜めの角度で当てて入るのが決まる瞬間が見どころ。シュートが「きれいにゴールのバックボードに当たったか」に注目しましょう。

ターンシュート

ターンシュートは、体を回転させながら放つシュートです。

リングを背にした状態から、リングに正対した状態になるようにターンしてシュートを放ちます。

リングに背を向けた状態から体を回転して打つ流れが観戦ポイント。

ポストプレー(ゴール下の1対1)でよく出るので、体格差をどう活かしているか観ると面白いでしょう。

フェイドアウェイシュート

フェイドアウェイシュートは、後方へジャンプしながら放つシュートです。

別名「フェイダウェイシュート」とも呼ばれています。

後方に身体を反らしてジャンプすることで、ディフェンスとの距離を作れるため、ブロックされやすい点が特徴です。

後ろに下がりながら打つため、ディフェンスとの距離の取り方に注目しましょう。

難易度が高いため、ゴールが決まったときは会場の歓声もひときわ大きくなります。

フックシュート

フックシュートは、片手を大きく振り上げるように放つシュートです。

リングに対して身体を横に構え、片手でボールをリリースします。

難易度は高いものの、物理的にディフェンスとの距離が開くためブロックにかかりにくくなる点が魅力です。

片手を大きく振り上げて放つ、独特なフォームに注目しましょう。

ディフェンスの手が届かない高さで打つため「ブロックされない不思議さ」が観戦のポイントです。

ダンクシュート

ダンクシュートは、リングへ直接叩き込むシュート。観客を沸かせる華やかな技であり、確実に得点を決められる魅力があります。

豪快にリングへ叩き込む瞬間が最大の見どころ。

会場全体が一気に盛り上がるので、初心者でも試合のハイライトを直感的に楽しめプレーです。

バスケ観戦で注目したいシュートフォームの基本

バスケットボールのシュートは、単に「ボールを投げる」だけではなく、全身を使った複雑な動作です。

観戦初心者でもフォームの基本を少し知っておくと「この選手はシュートが上手いな」と感じ取れるようになります。

注目したいシュートフォームのポイントは、次の3つです。

  1. 肘の向き:リングにまっすぐ向いていると安定しやすい
  2. 目線:常にリングを見ているかどうか(迷いのない視線は成功率の高さにつながる)
  3. フォロースルー:シュート後に手首がリングに向かって伸びているか(きれいに止まっていれば上手い証拠)

これらを意識して観ると、プロ選手のフォームの美しさや安定感に気づきやすくなります。

逆に、崩れたフォームで無理に打ったシュートは外れやすいので「決まるかどうか」のドキドキも味わえるでしょう。

シュートに関する観戦時の注目ポイント

シュートが決まった瞬間は、観客のテンションも最高潮に達する場面です。

ここでは、シュートに関する観戦時の注目ポイントを3つ解説します。

選手ごとの得意シュートを見極める

1つ目の注目ポイントは、選手ごとの得意シュートです。

解説したようにシュートにはさまざまな種類があり、選手によって得意なシュートは異なります。

3ポイントを武器にする選手、ゴール下で強い選手など、それぞれの個性を知ると観戦がより面白くなります。

シュートを放つ前の動きに注目

2つ目の注目ポイントは、シュートを放つ前の動きです。

ピック・アンド・ロールやフェイントなど、シュートを放つ前の準備動作に注目してみましょう。

シュートを放つ前の動きは、試合の駆け引きの重要な部分です。

どのような駆け引きをしているかを観察することで、シュートが決まったときにより盛り上がるでしょう。

成功率や試合の流れを観察する

3つ目の注目ポイントは、成功率や試合の流れです。

同じシュートでも成功率が高ければ戦術的に有効です。

逆にシュートが外れ続けると、試合の流れが悪くなるため、チーム全体の戦略に直結します。

シュートの多様性を知ると観戦をより楽しめる

バスケットボールにおけるシュートは、単なる得点手段ではなく、試合の流れや選手の個性を映し出す最も重要なプレーです。

観戦時にシュートの種類や選手ごとの特徴を理解しておくと、試合の面白さは格段に増します。

遠距離からの3ポイントや豪快なダンクはもちろん、さりげないジャンプシュートやテクニカルなフックシュートにもぜひ注目してみてください。

ENSPORTS fanでは、バスケットボール観戦をたくさんの方々に楽しんでいただくために、バスケの観戦マナーや観戦初心者のためのルール解説記事なども公開中。そちらぜひチェックしてみてください。