この記事では、バスケ観戦初心者にむけて、オーバータイムの意味・ルール・観戦の見どころをわかりやすく解説します。オーバータイムは通常のクォーターとは異なる緊張感と戦術が詰まった特別な時間。劇的な試合展開が多数生まれています。バスケ観戦に足を運ぶ前に見どころやルールをチェックしておきましょう。

バスケットボールのオーバータイムとは

BリーグとFIBAの試合時間

バスケットボールにおけるオーバータイムとは、試合終了時点で両チームの得点が同点だった場合に実施される延長戦のこと。英語では「OVER TIME(OT)」と表記することが多いです。

オーバータイムは、通常のクォーターでは勝敗がつかない場合に実施され、ルール上は第4Qの延長として扱われます。

オーバータイムのわずかな点差が命運を分けることが多く、この5分間は、通常の試合よりも高い緊張感の中でまさに“死闘”と呼ぶにふさわしい場面が展開されるのです。

オーバータイムの基本ルール

バスケットボールのオーバータイムは通常のクォーターと似ていながらも、通常の試合にない独自のルールが存在します。

1回5分、インターバル2分

内容
オーバータイム1回5分間
インターバル2分間
回数勝敗が決まるまで繰り返す

オーバータイムの長さは5分間。これはNBABリーグ、高校バスケ、大学バスケなどほぼ全てのカテゴリで共通です。

通常のクォーターよりも短いものの、勝敗が決まる最終局面ということで、非常に密度の高いプレーが展開されます。

なお、オーバータイムが始まる前とオーバータイム間のインターバルは、2分です。

開始方法とルールの引き継ぎ

オーバータイムには、通常のクォーターとは異なるルールがいくつか存在します。

  • ジャンプボールで開始(試合開始と同じ)
  • 第4Qの延長扱いのため、ファウル数は引き継ぎ
  • タイムアウトは1回のみ(リーグにより異なる)

オーバータイムの開始時は。試合冒頭と同様にジャンプボールで始まります。

オーバータイムは新たなクォーターではなく「第4Qの延長」としてカウントされるため、ファウル数やチームファウルは引き継がれます。

タイムアウトのタイミングは勝敗に直結するため、監督の判断が非常に重要です。

オーバータイムと「時間超過」の混同に注意

バスケットボールのオーバータイムとは、通常は「延長戦」を指します。しかし、まれに◯秒ルール超過(◯秒バイオレーション)を「◯秒オーバータイム」と呼ぶ人もいます。

しかしこれは正式な用語ではなく、延長戦とは別物です。

  • オーバータイム=延長戦
  • ◯秒オーバー → ◯秒バイオレーション(ルール違反)

延長戦と時間超過はまったくの別物ですが、両方とも時間に関することであるため混同されやすいのかもしれません。

オーバータイムの見どころ

オーバータイムは、試合のクライマックス。観戦の魅力が詰まった時間です。

バスケットボールの試合の試合をより楽しむために、オーバータイムの見どころを解説します。

一気に高まる緊張感

バスケットボールのオーバータイムは、試合の勝敗を決める重要な局面です。

わずか5分間で試合が決まるため、選手・観客ともに集中力は最高潮。1点の重みが普段のクォーターとは比べ物になりません。

戦術のかけ引き

バスケットボールでは、オーバータイム1回につきタイムアウトは1回しかありません。ですので、監督による指示のタイミングが第4Qまでの試合展開よりも重要になってきます。

また、リスクを承知で3Pシュートを打つ、あえて速攻を狙うなど、ギャンブル的なプレーも飛び出しやすいのがオーバータイムの醍醐味。監督や選手の判断力が試される時間なのです。

劇的な試合展開

オーバータイムの魅力は、なんといってもドラマチックな展開です。

終了直前のブザービーター、ダブルやトリプルオーバータイムの激戦など、まるで映画のような瞬間を目撃する可能性だってあります。

観客もおもわず立ち上がってしまうような、歴史に残る名勝負の多くは、このオーバータイムによって生まれていると言っても過言ではありません。

歴史に残るオーバータイム例

NBAでのオーバータイム最長記録はは、1950-51シーズンのインディアナ・ペイサーズ対ロチェスター・ロイヤルズです。6回のオーバータイムが行われ、試合時間は計78分間にも及びました。

Bリーグの史上最長試合は、2008年3月30日の高松ファイブアローズ対大阪エヴェッサのトリプルオーバータイムです。

世界選手権では、2006年大会のアンゴラ対ドイツ戦。大会史上初のトリブルオーバータイムとなりました。

両リーグともここまでオーバータイムが重なる試合は非常に珍しく、今でも語り継がれる名勝負となっています。

オーバータイムに関するよくある質問

最後に、オーバータイムに関するよくある質問に回答します。

Q1. オーバータイムが選手や観客に与える影響は?

オーバータイムに突入すると試合時間が延びるため、選手の疲労がより深刻になります。

さらに、ファウルがかさんで退場者が出ることも珍しくありません。

特にスター選手がファウルアウトするなど、予想外の展開になるケースもあります。

観客にとっては予定外の延長となり、帰宅時間の調整が必要になることがあります。

Q2. ダブルオーバータイムやトリプルオーバータイムとは?

A.延長戦が2回、3回と続いた場合の呼称です。

1回目のオーバータイムでも同点だった場合、さらに延長戦が加えられます。これが「ダブルオーバータイム」です。

3回目なら「トリプルオーバータイム」、4回目なら「クアドラプルオーバータイム」というように呼称が続いていきます。

ダブルオーバータイムやトリプルオーバータイムは非常に珍しく、試合が記憶にも記録にも残る激戦となるのが特徴です。

オーバータイムの意味を正しく理解しよう

バスケットボールにおけるオーバータイムとは、延長戦のことを指します。

延長戦ではプレーヤーの技術のみでなく、精神力や指導者の戦術力などがすべて試されます。

わずか5分とは思えないほどの熱量と緊張感が詰まった時間を、ぜひ一度ライブで体感してみてください。

きっとバスケットボールというスポーツの奥深さをより深く知ることができるはずです。

ENSPORTS fanでは、バスケをアリーナに見に行った際の観戦時間の目安基本的なルールも、初心者にわかりやすくまとめてご紹介しています。ぜひそちらもチェックしてみてください。