バスケットボールの試合は基本的に40分のはず。ですが、観戦していると、タイムアウトやバイオレーションが生じたり、延長戦があったりで「意外と長いな」と感じる方も多いでしょう。また、リーグや年齢によっても試合時間は異なるようです。本記事ではバスケットボールの試合時間に関する基本ルールを解説します。

バスケの基本的な試合時間

バスケットボールの試合時間
Bリーグの試合の流れと所要時間

一般的なバスケットボールの試合時間は、2時間程度です。

バスケットボールではクォーター制を採用しており、クォーターごとに時間配分が決まっています。

ここでは、バスケットボールの基本的な試合時間について解説します。

試合時間|10分✕4セット合計40分

Bリーグのプレイタイムは「10分間x4セット」です。

バスケットでは1試合を4分割して行っており、この試合方式をクォーター(Q)制と呼びます。

日本バスケットボール界では、2000年までバスケットボールの試合は前半20分+後半20分のハーフ制でした。

しかし、2001年から競技性の向上と観客への配慮などを理由に、現在の4クォーター制に変更されています。

インターバル|2分✕2回合計4分

第1Qと第2Qの間、第3Qと第4Qの間には、それぞれ2分間のインターバル(休憩)があります。

インターバルの目的は、選手の回復や戦術の確認。たった2分と思われるかもしれませんが、試合の流れをリセットする重要な時間帯なのです。

また、インターバルごとに観客に向けた応援のレクチャーや特殊演出があるケースも。インターバルは選手にとっても観客にとっても試合のテンポを作る重要な時間といえるでしょう。

ハーフタイム|15分or20分

第2Q終了時と第3Q開始時の間には、ハーフタイムが設けられています。

ハーフタイムはBリーグや大学リーグでは基本的に15分間で設定されていますが、大会によっては20分となっている場合もあります。

先述のとおり、バスケットボールではクォーター制が採用されていますが、テレビの実況などではハーフタイムを境として第1Qから第2Qまでを前半、第3Qから第4Qを後半と表現するケースも。

ハーフタイムは単なる休憩時間ではありません。選手やコーチが第2Qまでのプレーを分析しつつ修正し、後半の戦略を立て直す重要な時間です。

また、観客に向けてゲームやイベント、音楽ライブなどがイベント行われます。後半戦に向けて試合会場の雰囲気を盛り上げる時間帯でもあるのです。

延長戦(オーバータイム)|5分✕決着がつくまで

第4Qが終了した時点で同点の場合は、延長戦(オーバータイム)に突入します。

延長戦は1回5分間のプレーで構成され、同点が続く限り「2分休憩→5分延長」の再延長戦を繰り返します。

再延長戦は勝敗がつくまで繰り返されるため、試合時間が伸びる最大の要因といえるでしょう。

またサッカーなどの延長戦は、トーナメント戦など勝敗を決めなくてはならない場合のみ適用されますが、バスケットボールでは基本的にすべての公式試合でおこなわれます。

延長戦は観客側にとっても1秒たりとも目が離せない時間帯。バスケットボールは得点の出入りが激しいスポーツであり、終了間際の劇的な展開も多いため、延長戦は特に盛り上がります。

タイムアウト|1回60秒を最大5回

タイムアウトとは、1回60秒の作戦タイムのこと。

第1Qと第2Qに2回、第3Qと第4Qに残り3回、1試合で合計5回まで使用可能。延長戦が適用されると各チームに1回ずつ追加されます。

試合中に流れを変えたいときやゲーム終盤の勝負をかけたい場面、選手を休ませたいときなどに使われることが多いようです。

とくにゲーム終盤の接戦状態でタイムアウトが頻繁に使われる傾向にあり、タイムアウトとファウルをあわせて5分以上かかることも珍しくありません。

バスケットボールを観戦していて「終盤が長く感じる」という方も少なくないでしょう。沿う感じる主な理由はこの状態にあると言われています。

BリーグとNBAでは試合時間が違う

FIBA(国際ルール)BリーグNBA
クォーター数444
1Qの時間10分10分12分
インターバル120秒(2分)120秒(2分)130秒(2分10秒)
ハーフタイム15分15分15分
延長戦の時間5分5分5分
タイムアウトの回数60秒5回
(うち後半に3回)
FIBAルールに準拠通常75秒最大7回
(独自ルールあり)
試合時間の目安1時間30分〜2時間1時間30分〜2時間2時間10分〜2時間30分

バスケットボールは、リーグによって試合時間が異なる場合があります。

北アメリカの男子バスケのプロリーグ「NBA」は、1クォーター12分。日本のBリーグやFIBAの国際ルールと比較すると、1Qあたり2分間、1試合につき8分長いです。

インターバルのタイミングと回数は共通ですが、NBAでは2分10秒と少し長めに設けられているのも特徴です。

そのうえNBAの試合はタイムアウトの回数も多いため、試合全体の所要時間は約2時間30分と考えておくといいでしょう。

FIBA(国際バスケットボール連盟)が主催する国際大会の試合時間は、日本のBリーグと同様。BリーグのルールはFIBAに準ずる形で決められているため、ほぼ同じなのです。

FIBA主催の試合ではスピーディーな進行が好まれるためテンポが速く、多くの試合が1時間45分ほどで終わります。

年代別のバスケットボールの試合時間

バスケットボールの試合時間は1Q10分✕4回の40分が基本ですが、試合時間は年代によっても異なります。

この章は年代別に試合時間の基本のルールをまとめました。ぜひ応援に足を運ぶ際の参考になさってください。

大学・高校・中学バスケ|10分×4セット=計40分

日本の大学・高校バスケはFIBAのルールに準拠しており、10分間×4Q=計40分で行われます。

インターバルやハーフタイムも概ね国際規定に近いものとなっており、全体の試合時間は約2時間です。

中学バスケでは、8分間×4Q=計32分のやや短めのプレータイムを採用しています。

これは中学生年代の体力や競技習熟度を考慮した構成です。

インターバルは2分間、ハーフタイムは10分間で、全体の試合時間は約1時間30分となります。

小学生バスケ(ミニバス)|6分×4セット=計24分

小学生向けのバスケットボール「ミニバスケットボール(ミニバス)では、1Qは6分と短め。

プレータイムは6分間×4Qで合計24分、インターバルは2分間、ハーフタイムは5分間です。

全体の試合時間は約1時間程度で、子どもたちが集中して試合に取り組めるように配慮されています。

ミニバスケットボールのルールは小学生がプレイしやすいように柔軟に工夫されており、バスケ競技のスタートを切るのに最適です。

バスケットボールの試合時間に関するよくある質問

最後に、バスケットボールの試合時間に関するよくある質問に回答します。 

Q1.なんで試合時間が40分より長くなりがちなの?

A.ゲームクロックが頻繁にストップするからです。

バスケットボールの試合は、タイムアウト、フリースロー、ファウル発生時などの場面でゲームクロックが頻繁に停止します。

試合の流れは止まったとしても、観戦している側の時間は進むので、たとえ公式のプレータイムが「40分」であっても、実際は1.5倍〜2倍程度の時間がかかるのです。

特にNBAや一部の国際試合では、テレビ放送のCM確保を目的とした「メディアタイムアウト」も入るため、長丁場になる傾向があります。

Q2.サッカーのようにロスタイムがない理由は?

A.バスケットボールは時計を正確に停止するルールがあるため、ロスタイムは導入されていません。

一方サッカーは時計を止めない競技であるため、後からロスタイムを設けて「失われた時間」を補います。

バスケットボールは、その場その場で正確に試合時間が管理されている点を覚えておきましょう。

Q3.インターバルやハーフタイム中、選手は何をしているの?

A.休憩のほか戦術確認をするなど、次のクォーターにむけた準備をしています。

インターバルでは、水分補給や軽いストレッチ、プレー修正の戦術確認などが中心です。

一方、ハーフタイムでは、選手たちは一旦ロッカールームに引き上げ、しっかり休息を取ります。

さらに、コーチからの映像分析や後半戦への指示など、より本格的な準備が行われます。

ハーフタイムのチアリーダーなどのパフォーマンスを楽しんでいる裏で、コーチからの指示に加え、集中力を高め直す時間にあてられているのです。

バスケ観戦は試合時間を知ることでもっと楽しめる

バスケットボールの試合時間は、競技団体やカテゴリで大きく異なります。

Bリーグの場合、プレイタイムは「10分間x4セット」で、全体の試合時間は約2時間です。

競技団体やカテゴリによって試合のテンポや休憩の入れ方も違うため、観戦の楽しみ方や集中の仕方も変わってきます。

バスケットボールの試合を生観戦する際は、事前にルールブックや大会要項を確認することをおすすめします。

ENSPORTS fanでは、試合時間に関するもの以外のバスケットボールの基本的なルールも、初心者にわかりやすくまとめてご紹介しています。ぜひそちらもチェックしてみてください。