野球の背番号1が持つ意味とは?

野球観戦の際に、選手を見分けるために使用される背番号。

背番号には選手を見分けるためだけでなく、さまざまな意味が込められていることをご存知でしょうか。

ここでは、背番号1が持つ意味を各リーグに分けて解説していきます。

プロ野球における背番号1の意味

プロ野球において背番号1は、チームの中心選手に与えられる傾向にあります。

高校野球では投手の印象が強い背番号1ですが、プロ野球では野手が多くつけているのも特徴です。

歴代の背番号1の選手を見てみると、読売ジャイアンツの王貞治や西武ライオンズの秋山幸二、広島東洋カープの前田智徳など、大打者が並んでいます。チームの中心バッターが背番号1をつけるのが、プロ野球の伝統のようですね。

なおメジャーリーグにおいては、背番号に規則性はありません。自身や家族の誕生日、尊敬する選手と同じ番号など、自由に背番号を決めているようです。

高校野球における背番号1の意味

高校野球では、レギュラー選手のポジションに合わせて背番号が与えられます。

規定はありませんが、暗黙のうちに背番号1はエースの証とされており、「最も優れたピッチャーがつける背番号」というのが一般的な認識です。

ピッチャーは最も目立つポジションで競争率が高く、背番号1は一番人気の背番号といっても過言ではありません。

高校野球では大会ごとに背番号が変わるため、背番号の推移を見れば選手の成長や努力を感じられます。高校野球をより楽しく観戦するためにも、選手の背番号に注目してみてください。

少年野球における背番号1の意味

高校野球と同様に、少年野球でも背番号1はエースナンバーとされており、チームで最も優秀な投手がつけます。

しかし実際は、エースピッチャーが背番号1をつけるケースは多くありません。なぜなら少年野球には、キャプテンが背番号10をつけるという規定があり、エースピッチャーがキャプテンを務めているケースも多いからです。

そのため控えピッチャーが背番号1をつけることが多く、高校野球のように背番号だけでエースピッチャーかどうかを判断しづらい傾向にあります。

背番号1を背負う人気の野球選手を紹介

続いては、背番号1を背負う人気のプロ野球選手や漫画のキャラクターを紹介していきます。

日本 山田哲人

2016年から東京ヤクルトスワローズの背番号1を背負う山田哲人選手は、日本のプロ野球界で最も活躍している選手のひとりです。

日本代表にも選出されており、東京オリンピック2020ではMVPに選出されました。

山田選手は俊足巧打でバランス型の選手でありながら、ホームランを打てる長打力も兼ね備えています。2015年には、プロ野球史上初めてホームラン王と盗塁王のタイトルを同時に獲得しました。

また打率3割、ホームラン30本、30盗塁のトリプルスリーを3度も達成していることでも有名です。

通常、長打力に優れた選手はスピードに欠け、その逆も然りなのですが、山田選手はパワーとスピードをあわせもった稀有な選手だといえます。

日本 鈴木誠也

2019年から広島東洋カープの背番号1を背負っているのが、鈴木誠也選手。

鈴木選手を表す「神ってる」という言葉が、2016年に流行語大賞を受賞したことで話題になりました。

鈴木選手は走・攻・守の3拍子揃った選手で、6年連続打率3割、25本塁打の記録を達成しています。ライトでの高い守備能力と鋭い送球は、メジャーリーグで活躍したイチロー選手と姿を重ねる方も多いのではないでしょうか。

鈴木選手の素晴らしい成績はもちろんのこと、普段の振る舞いがユニークなことでファンから愛される存在です。開幕戦のスタメン発表時には、球場のモニターで変顔を披露してファンを楽しませるのが恒例になっていますよね。

野球のプレー以外でも楽しませてくれる鈴木選手。今度の活躍にも注目です。

日本 松井裕樹

東北楽天ゴールデンイーグルスで、2014年から背番号1をつけているのが松井裕樹選手。現在のプロ野球では唯一、投手で背番号1をつけている選手です。

松井選手は高校時代、甲子園で1試合22奪三振の日本記録を達成。一般的にはピッチャーには三振を多くとるタイプと、打たせてとるタイプの2種類にわかれますが、松井選手は前者といえますね。その証拠にプロの選手の中でも、松井選手の奪三振率はとても優れています。

まだまだ若い選手ですが、日本代表に選ばれた経験もあり、これからの活躍に期待です。プロ野球界で唯一の背番号1の投手として、松井選手の活躍に注目してみてください。

日本 栗山巧

2008年から埼玉西武ライオンズの背番号1は、栗山巧選手が着用しています。

栗山選手は2001年のドラフト4巡目で西武ライオンズに指名されて以来、20年以上ライオンズ一筋でプレーをしています。体が丈夫なことでも有名で、2007年から15年連続でシーズン100試合以上に出場しました。

プレーに派手なイメージはありませんが、自分の役割をしっかりと実行する選手で、チームには欠かせない存在といえます。他の選手からの信頼も厚く、人柄や野球に対する姿勢が尊敬されているようです。

2021年には、プロ野球史上54人目の2,000本安打という大記録を達成しました。これから何本まで安打を積み重ねていくのか、栗山選手の活躍に注目してみてください。

漫画 沢村栄純

漫画「ダイヤのA」の主人公で、青道高校の背番号1をつけているのが沢村栄純。

沢村選手は、わかりやすい単純な思考回路の持ち主で、負けず嫌いなサウスポー投手です。チームメイトからのいじられキャラでもあり、ムードメーカー的存在でもあります。

沢村選手は人並み外れた肩関節や手首の柔らかさを持っており、上下左右に動くムービング・ファストボールを無意識に投げられるのが武器。その後青道高校のキャッチャー、御幸一也とともに、ムービング・ファストボールを進化させた「ナンバーズ」という12種類の変化球を開発しています。

ちなみにナンバーズは、作中ですべての種類は登場しておりません。まだ明らかになっていないナンバーズと、これからの沢村栄純の活躍に注目してみてください。

野球の背番号1はチームの中心選手がつける番号である

プロ野球と高校野球や少年野球では、背番号1の意味は異なります。

しかしどのリーグにおいても、チームの中心選手がつける番号なのは間違いありません。

今後野球をみる際は、背番号1の選手がどのようにチームに貢献しているのか、その動き方に注目してみてください。