AFCアジアカップとは?

AFCアジアカップは、アジアサッカー連盟(AFC)が主催する男子サッカーのナショナルチームによる大陸選手権大会です。
1956年に第1回大会が開催されて以来、4年ごとに開催されており、アジアの「王者」を決める戦いとして世界中のサッカーファンからも注目されています。
AFCアジアカップは、アジア各国のサッカーの発展に大きく寄与してきました。また、FIFAワールドカップに向けた実力の測定の場としても重要な意味を持っています。
近年では中東や東南アジアなどの台頭も見られ、地域間の競争が一層激しくなっている大会の一つです。
AFCアジアカップの基本情報

AFCアジアカップの概要がわかったところで、つづいては歴史や開催方式などをくわしく解説します。
歴史
1954年にアジアサッカー連盟(AFC)が設立され、2年後の1956年、香港でAFCアジアカップ第1回大会が開催されました。
当初AFCアジアカップは4〜5チームによる全チーム総当り戦が採用されていましたが、その後大会規模は徐々に拡大。2027年大会には、47チームが出場する予定です。
2006年1月にはオーストラリアサッカー連盟がアジアサッカー連盟(AFC)に加盟したことで、オーストラリア代表もAFCアジアカップに出場するようになりました。
日本国内でAFCアジアカップが認知されたのは、広島で開催された1992年大会以降です。
決勝戦でサウジアラビアを1-0で破り初優勝した日本は、ここからアジアの強豪国へと駆け上がります。
出場資格
AFCアジアカップの出場資格は、国際サッカー連盟(FIFA)とアジアサッカー連盟(AFC)の両方に加盟している国と地域であることです。
1次予選、2次予選、3次予選を勝ち抜いた合計24チームが本大会へと出場します。
主催国は無条件にアジアカップ本大会に出場できますが、2次予選まではAFCアジアカップ予選がFIFAワールドカップ予選も兼ねているため、2次予選までは出場するルールになっています。
開催方式
本大会は24チームを6グループ(各4チーム)に分けたグループステージから始まり、各グループ上位2チームと、3位のうち成績上位4チームが決勝トーナメントへと進出します。
以降はノックアウト方式で優勝を争います。
開催実績
AFCアジアカップの開催地は、アジアサッカー連盟(AFC)に加盟している国と地域です。
過去の開催実績を紹介します。
開催年 | 開催国 |
1956年 | イギリス領香港 |
1960年 | 韓国 |
1964年 | イスラエル |
1968年 | イラン |
1972年 | タイ |
1976年 | イラン |
1980年 | クウェート |
1984年 | シンガポール |
1988年 | カタール |
1992年 | 日本 |
1996年 | アラブ首長国連邦 |
2000年 | レバノン |
2004年 | 中国 |
2007年 | インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナム |
2011年 | カタール |
2015年 | オーストラリア |
2019年 | アラブ首長国連邦 |
2023年 | カタール |
AFCアジアカップの開催地は、アジアサッカー連盟(AFC)総会で決定されます。
原則として立候補を受け付け、複数手が上がった場合はその中からアジアサッカー連盟(AFC)が先行します。
大会結果
歴代の優勝国は次のとおりです。
国名 | 優勝回数 | 最終優勝年 |
日本 | 4回 | 2011年 |
サウジアラビア | 3回 | 1996年 |
イラン | 3回 | 1976年 |
韓国 | 2回 | 1960年 |
カタール | 2回 | 2023年 |
オーストラリア | 1回 | 2015年 |
イラク | 1回 | 2007年 |
クウェート | 1回 | 1980年 |
イスラエル | 1回 | 1964年 |
AFCアジアカップ2027の日程

次回開催のAFCアジアカップ2027について、開催地と日程を紹介します。
サウジアラビアで開催
AFCアジアカップ2027は、3回の優勝経験があるサウジアラビアで開催されます。
同国がAFCアジアカップを主催するのは今回が初。近年スポーツ投資を強化してきたサウジアラビアにとって、サッカーを軸とした国際的アピールの重要な機会と言えます。
1月7日から2月5日にかけて開催
大会期間は、2027年1月7日から2月5日までの約1ヶ月間です。
欧州では1月〜2月はリーグ戦が山場に差し掛かる時期のため、一部の選手にとってはコンディションや移動の調整が課題です。それでも各国は、ベストメンバーの参戦が期待されています。
AFCアジアカップの見どころ

「AFCアジアカップをどのように楽しめばよいのか」「どこに注目すべきかのか」と疑問に思っている方もいるはずです。
ここでは、AFCアジアカップの見どころを3つのポイントに絞って解説します。
日本は11大会連続11回目の出場
日本代表は4度の優勝を誇るアジアの強豪国であり、2027年大会も11大会連続での出場が決定しています。
2027年大会で5度目の優勝を果たせば、「アジア最強」の座を盤石のものにすることができるでしょう。
また、AFCアジアカップでの成功はFIFAワールドカップでの飛躍にも直結します。AFCアジアカップでのパフォーマンスは、世界への実力証明にもなり得るのです。
アジアの因縁カード
アジアカップは、各国の代表チームが国の誇りをかけて戦う舞台です。なかでも日韓戦や日本対イランは「アジアの因縁カード」として注目されている試合。
これらのカードではサポーターの応援も熱を帯び、スタジアムの盛り上がりは最高潮になることが予想されます。サッカー観戦初心者でも「何かが起きそう」と感じられるような、緊張感あふれる試合展開が期待できるかも知れません。
アジア勢の戦術進化
近年のアジアサッカーは目覚ましい進化を遂げています。
韓国は、ホン・ミョンボ氏が2024年7月に新しく監督として就任。韓国のプロサッカークラブ蔚山現代を率いている時にも見せたビルドアップを重視する戦術は、「アジアカップにも通用する」と大韓サッカー協会に期待されての抜擢です。
イランは伝統的な堅守速攻に加え、現代的な可変システムを取り入れ始めています。
さらに、サウジアラビア、カタール、UAEなど、個人技を武器に番狂わせを狙っているチームがひしめいており、いわゆる強豪と呼ばれるチームでも隙のない戦いをしなければならないのが近年のアジアカップです。
AFCアジアカップ2027の観戦・視聴方法

AFCアジアカップ2027は、DAZNが独占放映権を保有しています。特に日本代表の試合は、インターネットでの盛り上がりが期待されています。
地上波での放送が予定されている試合もありますが、アジアカップ2023では日本戦4試合のみ地上波放送だったため、アジアカップ2027も日本戦しか見られない可能性が高くなっています。全ての試合を見たい場合は、DAZNの登録を検討しましょう。
現地での観戦を希望する場合は、JAFから案内されている観戦チケットサイトから購入可能です。ただし、サウジアラビアはビザ取得や宗教文化への配慮が必要な国でもあるため、観戦を検討している方は早めの情報収集を心がけてください。
アジアの頂点を決めるAFCアジアカップ
AFCアジアカップは、アジアサッカーの発展に大きな役割を果たしてきました。
日本を含む各国が「アジア最強」の座をかけて激突するこの大会は、選手にとってもファンにとっても特別な存在。サウジアラビアで開催される2027年大会も、見どころ満載の大会になることは間違いありません。
アジアサッカーの未来を担う戦いを、ぜひその目で見届けてください。