バレーボールとは

バレーボールは1チーム6人が力を合わせてボールをつなぐスポーツ。2チームに分かれて戦い、相手コートへとボールを打ち込んで得点していきます。
サーブからレシーブ、トス、スパイクまでが一瞬で展開するスピード感。攻撃する際に繰り出される「スパイク」は、球速100kmとも言われています。
強烈なスパイクが決まる瞬間や、必死のレシーブでラリーが続くシーンは会場全体を大きく盛り上げます。
バレーボールの基本ルール

試合形式と得点方法
試合は 5セットマッチ制。先に3セットを取ったチームが勝利です。
各セットは25点先取で、最終の第5セットだけは15点先取となっています。2点差がつくまでセットが続行されるのは、1〜5セット共通です。
またバレーボールの試合は、1ラリーごとに得点が入る「ラリーポイント制」で進行するのが基本。かつてはサーブ権を持つチームだけが得点可能なルールでしたが、現在はどちらのチームも得点可能となっています。
チーム人数とポジション

各チームはコートに6人出場し、1セットにつき6人まで交代可能。しかしリベロだけは、無制限に交代が可能です。
バレーボールのおもなポジションは以下のとおりとなっています。
OH|アウトサイドヒッターOH
主に前衛と後衛の左側に配置され、強力なスパイクで得点を狙うこともあれば、積極的に守備にも参加する、オールラウンダーです。
MB|ミドルブロッカー
主に前衛の中央に配置され、相手のスパイクをブロックする守備の要です。
OP|オポジット
主に前衛と後衛の左側に配置され、基本的には守備をせず、味方のトスからスパイクを決めて得点を狙う攻撃の要です。
S|セッター
前衛や後衛の決められた範囲がなく、チームの司令塔としてトスを上げる役割です。
L|リベロ
後衛全域に配置され、相手のサーブとスパイクをレシーブをして、攻撃へ繋げるプレーに特化した守備職人です。
バレーボールの得点の流れとラリーのルール
- サーブで試合開始
- 相手チームがレシーブ
- セッターがトス
- スパイカーがスパイク
- 相手がレシーブし、再び攻撃
この「サーブ→レシーブ→トス→スパイク」の流れが、バレーボールの基本形。これをラリーといいます。
単に「サーブ→レシーブ→トス→スパイク」だけではなく「1チームで何回触れるのか」「同じ選手が続けて触っていいのか」「ブロックはカウントされるのか」などに注目してみると、試合の流れもわかりやすくなるでしょう。
ボールタッチは1チーム「3回まで」
バレーボールでは、1チーム最大3回のボールタッチで相手コートに返さなければなりません。
レシーブ(1回目)→ セッターがトス(2回目)→ スパイカーがスパイク(3回目)
この「3回以内に返す」というルールを知っているだけで、プレーの意図が理解しやすくなるでしょう。
同じ選手が2回連続で触ってはいけない
バレーボールのラリー中、同じ選手が2回連続でボールを触ってはいけません。
これは「ダブルコンタクト」という反則に該当します。
たとえば、自分がブロックに跳んでボールに触った後、落ちてきたボールをそのままレシーブできるのです。
ブロックは「1回」にカウントされない
先述のとおり、バレーボールでは同じ選手が2回連続でボールに触ってはいけないルール。
しかし例外があり、ブロック直後は同じ選手がもう一度触ってもOKです。
すなわち、相手のスパイクをブロックで触っても「チームの1回」にはカウントされないのです。ブロック後にさらに3回ボールに触れます。
このルールを知っておくと「まだ続くの?」とは思わず、白熱したラリー合戦に注目できるでしょう。
ネットを越えてライン内にボール落とすと得点
バレーボールでは、ボールはネットの上を通って相手コートに返さなければなりません。また、ネットの横や下を通してもいけません。
ただし、サイドラインやエンドライン上に落ちた場合は「イン」。ラインに少しでも触れれば得点になります。
バレーボールにおける反則

試合中に反則を犯した場合は、ペナルティが課されます。
内容はおもに相手チームへの得点が加算されるペナルティなのですが、観戦の際には「プレーが止まった時に審判が笛を吹いた=反則」と理解しておけば大丈夫です。
オーバーネット
オーバーネットとなるケース
- プレーヤーがネット上を越えて、相手コート内のボールに触れる
- ブロック以外のスパイクやトスなどで相手コートのボールに触れる
スパイクやトスをする際に、相手のコート側でボールに触れてしまう反則をオーバーネットといいます。
ネットタッチ
ネットタッチとなるケース
- プレー動作中、両アンテナ間のネットやサイドバンド、アンテナの上部に触れる
- ネットを支えにするなどして、相手より有利なプレーをしようとした場合
- ネットに触れることで相手のプレーを妨害した場合
プレー中に手や体がネットに触れてしまう行為を、ネットタッチといいます。
しかし点数が確定した後に触れた場合や、事前にネットが揺れているために触ってしまった場合は該当しません。
ダブルコンタクト
ダブルコンタクトとなるケース
- セッターが左右の手で2回触ったと判断された場合
- レシーブやディグの際に、意図的に連続してボールに触れたと判断された場合
- ブロック以外のプレーで、連続してボールに触れたと判断された場合
1人の選手が連続してボールに触れる行為は反則。
しかし、ブロック後の最初のタッチは、連続して触れることが許可されています。
2025年のルール変更によって、自コートにとどまっているボールに対するダブルコンタクトは、厳密には反則とみなされなくなりました。
フォアヒット
フォアヒットとなるケース
- 同じチームが、ブロック以外で4回以上ボールに触れた場合
1チームが連続してボールを4回以上触れる行為は反則です。
たとえば、シーブ→トス→アタック の3回で相手コートにボールを返せば問題ありません。
しかし、レシーブ→トス→トス→アタック のように4回触れると、フォアヒットになります。
ローテーションフォルト
ローテーションフォルトとなるケース
- 後衛の選手が、前衛の選手より前に出てしまう
- 右サイドの選手が、中央の選手より左に出てしまう
- サーブを打つ選手が、サーブトスを上げた瞬間に他の選手が正しい位置から動いてしまう
ローテーションフォルトとは、サーブ時に選手が正しいローテーションの位置にいない場合は反則です。
これを取られてしまうと、相手チームに得点が与えられ、サーブ権も相手に移ってしまいます。
2025年のルールを変更によって、サーブを受ける側のチーム限定でサーブを打つ選手がトスを上げた瞬間から選手が自由に動くことが認められるようになりました。
ただし、引き続きサーブが打たれる瞬間の位置関係が崩れていればローテーションフォルトは適用されます。
バレーボール観戦の楽しみ方

バレーボールは単に「点が入った」「勝った負けた」だけでなく、戦術の駆け引きや選手の感情、会場の雰囲気まで楽しめるスポーツです。
初心者の方でも少し意識を変えるだけで、ぐっと観戦体験が豊かになります。
ここでは特に注目したい3つのポイントをご紹介します。
ポイントごとに変わる戦術
サーブ権が移るごとに選手はローテーションを行い、ポジションが順番に変わります。これによって同じチームでも攻撃パターンががらりと変化するのがバレーボールの奥深いところです。
たとえば、前衛に強力なスパイカーが揃った時は一気に攻撃力が増し、逆に後衛に下がると守備中心の戦い方にシフトします。
また、相手チームもローテーションに合わせてブロックの布陣を変えるため、得点ごとに「どんな攻撃が来るのか」「どこを狙うのか」という駆け引きが展開されます。
観戦中に「今のローテーションは攻撃的か守備的か」を意識するだけで、試合の戦略性が一段と分かりやすくなります。
選手の表情や仲間との声掛け
バレーボールは“声”でつながるスポーツとも言われます。プレー中も「ナイス!」「もう一回!」と常に声を掛け合い、ミスをしても「ドンマイ!」と励まし合う姿が印象的です。
さらに、点を決めた後の笑顔や、相手に止められた時の悔しい表情など、選手の感情が表に出やすいのもバレーの魅力。観客席からでもその雰囲気がしっかり伝わってきます。
バレーボールの観戦初心者は、ボールの行方だけでなく「選手同士のコミュニケーション」にも注目すると、スポーツの枠を超えた“人間ドラマ”を味わえるはず。
試合後半に向けて表情や声掛けがどう変化するかを見ると、チームの勢いや流れをより深く感じられるでしょう。
会場の一体感
Vリーグや日本代表戦の会場に足を運ぶと、テレビ中継では味わえない熱気に包まれます。
得点が入るたびに響く大きな拍手や応援コールは、まるで音楽フェスやライブ会場のよう。特に代表戦では、観客全員が国旗やタオルを振り、声を合わせて応援する光景が広がり、選手の背中を力強く押しています。
初心者だからと気負う必要はありません。自然に拍手をしたり、周囲のコールを真似したりするだけで、会場の一体感に溶け込めます。
こうした“観客も試合の一部になる感覚”こそが、バレーボール観戦の最大の魅力のひとつです。
美しさと豪快さがバレーボールの醍醐味
今回はバレーボールのルールと試合の流れについて紹介しました。
バレーボールのルールは一見難しそうに見えますが、初心者は次の3つだけ覚えておけばOKです。
- 25点先取のセット制(最終セットは15点)
- サーブから始まり、ボールを相手コートに落とせば得点
- ポジションごとに役割がある
この基本を押さえておけば、観戦を存分に楽しむことができます。
テレビ中継だけでなく、ぜひ会場で「バレーボールのルールと見どころ」を実感しながら観戦デビューしてみてください。
ENSPORTS fanでは、バレーボールのルール以外にも観戦マナーや服装に関する記事も公開中。こちらも試合会場に足を運ぶ前にぜひチェックしてみてください。