サッカーの背番号3がもつ意味とは?

背番号3番はディフェンダー(DF)の選手が付けることが多い番号です。特に左サイドバックの選手が付ける傾向があり、走力に優れたタイプの選手が多いというイメージもあるでしょう。

背番号3番にはDFとして相手の攻撃を阻止することはもちろん、タイミングよくオーバーラップを仕掛けて攻撃にも参加する必要があります。また近年では、サイドからのセンタリングによる得点が増加しており、サイドバックの選手にも得点を演出する役割が求められるようになってきました。

このように背番号3番を背負う選手には、DFとしてゴールを守る役割に加えて、果敢に攻撃参加を行いチャンスメイクする役割も求められているのです。

背番号3を背負うディフェンダー(DF)に求められる能力

背番号3番を背負う選手は、攻守両面でプレーに関わり続ける必要があります。

そのため基本的には、90分間ハードワークできる選手に適性があると言えます。

そのうえで得点につながるセンタリングなど、何らかの武器を持っていれば重宝される可能性も高まります。

ここでは背番号3番を背負うサイドバックに求められるプレーに必要な能力について、細かく解説していきます。

スプリント能力

ここでいうスプリント能力とは、単純に走るスピードが速いことに加えて、ダッシュを何度も繰り返せる能力まで含みます。

攻守においてハードワークし、90分間を通して上下動を繰り返すサイドバックの選手には、スプリント能力が必要不可欠。

スプリント能力に優れた選手がいることで、サイドで数的有利を作り出せるため、厚みのある攻撃を展開できるようになります。また守備時にも、スピードを武器とする相手フォワードの長所を消し、失点のリスクを軽減できるのです。

守備時の状況判断力

ボールを奪いにいくべきか、無理に奪いに行かず味方の帰陣を待つべきかといった「守備時の状況判断力」も重要な能力です。

サッカーは基本的に攻撃側が有利なゲームであるため、守備側がボールを奪いに行くタイミングを見誤れば、簡単に抜かれて一気にピンチを招いてしまいます。

状況判断に優れたDFがいれば、カウンターの際にも冷静に対応でき、数的不利な状況でも失点を防げるようになります。また、フォワードやミッドフィルダーの選手が必要以上にカウンターのリスクを考えなくてもよくなり、思い切って攻撃参加できるのも大きなメリットです。

センタリングの上手さ

背番号3番の選手はサイドバックで起用されることが多く、センタリングの上手さも求められます。具体的にいうと、低くて速い球種やカーブをかけた球種、対空時間の長い球種などを状況に応じて蹴り分ける能力が必要になるのです。

センタリングへの対応は、ボールとマークする選手を同時に視野に入れる必要があるため、サッカーで最も難しい守備対応と言われています。

そのためサイドを駆け上がるサイドバックは、センタリングをあげる機会も多く、得点を演出するうえで重要な存在となるのです。

背番号3を背負う人気サッカー選手を紹介

背番号に対するイメージは、それまで活躍してきた選手のイメージと重なることも多いでしょう。

ここでは、背番号3番を背負って活躍した有名選手を紹介していきます。

日本 秋田豊

鹿島アントラーズでJリーグ優勝4回、天皇杯優勝2回、国内カップ優勝3回と数々の国内タイトルを手にした秋田豊。

日本を代表するディフェンダーとして活躍し、現在は監督としてJリーグを戦っている秋田は、現役時代背番号3番を愛用していました。

彼の最大の特徴は、圧倒的な空中戦の強さ。プレースタイル上、相手キーマンをマンマークする役割を担うことが多かった彼は、バティストゥータやエムボマといった、強靭なフィジカルを持つワールドクラスのストライカーとも互角に渡りあいました。

打点の高いヘディングを活かして、セットプレーの得点源としても活躍したことから、「秋田といえばヘディング」というイメージが浸透していました。

日本 駒野友一

長友、内田と共に日本のサイドバックを象徴する存在として活躍した駒野友一。出場した2度のW杯では、背番号3番を背負って闘いました。

攻守において安定感があり、サイドバックとしての総合力が高い選手。両足を遜色なく使えることから、両サイドバックどちらでもプレー可能であり、多くの監督から重宝されました。

90分間落ちないスタミナを活かしたオーバーラップが大きな魅力で、両足から繰り出される正確なセンタリングから、チャンスを演出できるのも特徴です。

長友や内田のような華やかさはありませんが、彼も日本サッカーを牽引してきた選手の一人であることは間違いありません。

海外 ロベルト・カルロス

「悪魔の左足」の愛称を持ち、超攻撃的なプレースタイルでサイドバックの概念を変えたロベルト・カルロス。全盛期には銀河系軍団レアルマドリードの一員として、3回のUEFAチャンピオンズリーグ優勝を成し遂げました。

超人的なキック力とスピードを武器とする超攻撃的サイドバック。単純なキック力の高さはもちろん、アウトサイドを使ってボールを擦り上げる独特のカーブキックを得意としており、フリーキックやロングシュートからゴールを量産しました。

走力も申し分なく、圧倒的なスピードで何度もサイドを駆け上がるプレースタイルは、相手にとって大きな脅威となっていました。歴代を探しても、彼ほど攻撃性能に優れたサイドバックはそうそう見つけられません。

海外 パオロ・マルディーニ

現役時代にセリエA最多出場試合数、W杯フル出場試合数、W杯最多出場時間という3つの偉業を成し遂げたパオロ・マルディーニ。

25年間にわたってプレーした名門ACミランでは、5度のUEFAチャンピオンズリーグ優勝、7度の国内リーグ優勝を達成しました。彼が長きにわたって背負った背番号3番は、ミランの永久欠番となっています。

マルディーニの魅力は、対人プレーの強さ。サイドバックだけでなくセンターバックまでこなし、1対1の勝負では圧倒的な強さを誇りました。高い攻撃力も兼ね備えており、積極的なオーバーラップと左右両足からの正確なキックを武器に活躍した選手です。

歴代最高の左サイドバックとの呼び声も高く、イタリアサッカー界のレジェンド的な存在となっています。

漫画 臼井雄太

漫画「DAYS」にて、聖蹟高校サッカー部の副キャプテンとして登場し、作中では背番号3番を背負ってプレーした臼井雄太。

強豪の聖蹟高校でも1年生の時からレギュラーを掴み、高校卒業後にはプロに進む道を選んだ逸材です。

彼は戦術眼とリーダーシップを武器とするディフェンダー。超攻撃的なサッカーを持ち味とするチームの中で守備の要として活躍し、身長175センチと小柄な体格ながらも状況判断力を活かしてチームの危機を何度も救ってきました。

また、後輩から鬼軍曹と呼ばれるほどの威厳を持っており、アメとムチを使い分けて味方のモチベーションを高めることも得意としています。プレーだけでなく人間的にも信頼されている彼は、聖蹟高校で最も代えの利かない選手と言えるでしょう。

サッカーの背番号3はハードワークを求められる番号である

背番号3番は攻守両面で90分間ハードワークしながら、敵の攻撃の芽を摘むことはもちろん、センタリングから得点を演出する役割まで求められる番号です。

今回の記事をきっかけに、ぜひ他の番号についても意味を調べてみてください。