4年に一度、ヨーロッパ中が熱狂するサッカー欧州選手権(EURO)。 サッカー欧州選手権は、ヨーロッパ各国の代表チームがナショナルプライドをかけて戦う、まさに“欧州サッカーの祭典”です。 本記事では、サッカー欧州選手権の歴史や大会形式、今後の開催予定などをくわしく解説します。

サッカー欧州選手権とは?

サッカー欧州選手権とは、欧州サッカー連盟(UEFA)が主催する、ナショナルチームによる大陸選手権大会。

正式名称は「サッカー欧州選手権(UEFA European Football Championship)」で、通称は「EURO」です。

ヨーロッパではFIFAワールドカップに次ぐ規模と注目度を誇り、世界中のサッカーファンが熱狂する一大イベントとなっています。

ヨーロッパはサッカー強国がひしめく激戦区。その王者を決定するサッカー欧州選手権は、技術・戦術ともにハイレベルな試合が続くため、世界中のサッカーファンが注目を集める大会です。

開催は4年に1度、FIFAワールドカップの中間年。次回は2028年6月9日〜7月9日にイギリスとアイルランドで行われます。

サッカー欧州選手権の基本情報

サッカー欧州選手権の概要がわかったところで、ここからはより知識を深めていきましょう。

サッカー欧州選手権の歴史、大会形式、歴代優勝国ついて解説します。

歴史

サッカー欧州選手権のはじまりは1960年。第1回大会「ヨーロッパネイションズカップ」としてフランスで開催されました。

この第一回大会は、欧州サッカー連盟(UEFA)の初代事務局長アンリ・ドロネーの働きかけで開催が実現しており、この功績は、優勝トロフィーの名前「アンリ・ドロネー杯」の由来にもなっています。

現在の「サッカー欧州選手権」という呼称が用いられるようになったのは、1968年大会から。

しばらくは参加国数が少ない大会でしたが、時代とともにUEFAの加盟国数が増加し、サッカー欧州選手権の規模も拡大していきました。

1996年大会からは8ヶ国から16ヶ国制、2016年からは24ヶ国制となり、アジア杯やコパ・アメリカを凌ぐ規模を誇ります。 

大会形式

サッカー欧州選手権の予選は、FIFAワールドカップ終了後から約1年2〜3ヶ月程度かけて開催されます。

グループ内総当り戦によるホーム&アウェイ形式のリーグ戦を行い、各グループの上位2チーム(計20チーム)が本大会出場権を獲得。

開催国を除く他のチームはプレーオフを行い、計3チームが本大会に出場します。

本大会の1次ラウンドは参加24チームを6組に分け、1回総当りのリーグ戦を行い、計16チームが決勝トーナメントへ進出します。

歴代優勝国

サッカー欧州選手権の歴代優勝国、準優勝国は次のとおりです。

年度優勝国準優勝国
1960年ソビエト連邦ユーゴスラビア
1964年スペインソビエト連邦
1968年イタリアユーゴスラビア
1972年西ドイツソビエト連邦
1976年チェコスロバキア西ドイツ
1980年西ドイツベルギー
1984年フランススペイン
1988年オランダソビエト連邦
1992年デンマークドイツ
1996年ドイツチェコ
2000年フランスイタリア
2004年ギリシャポルトガル
2008年スペインドイツ
2012年スペインイタリア
2016年ポルトガルフランス
2021年イタリアイングランド
2024年スペインイングランド

最多優勝はスペインの4回で、以降ドイツ(3回)、イタリア(2回)、フランス(2回)と続きます。

ネーションズリーグやワールドカップとの違い

欧州選手権とネーションズリーグ、ワールドカップの開催サイクル図
欧州選手権とネーションズリーグ、ワールドカップの開催サイクル図

サッカー欧州選手権と混同しやすいサッカー選手権大会に、UEFAネーションズリーグFIFAワールドカップがあります。

3つのサッカー選手権を権威順に並べると、FIFAワールドカップ>サッカー欧州選手権>UEFAネーションズリーグです。

しかし、この3つのサッカー選手権は上表のように予選や開催時期が重なっているため、スポーツニュースなどで同時に話題にあがることも珍しくありません。

そこでこの章では、サッカーに詳しくない人に向けて、欧州選手権とネーションズリーグ、ワールドカップの違いを解説します。

サッカー欧州選手権とネーションズリーグの違い

欧州選手権(EURO)ネーションズリーグ
主催欧州サッカー連盟(UEFA)欧州サッカー連盟(UEFA)
開催スケジュール4年に1回
W杯の中間年6月〜7月
2年に1回
奇数年に決勝
目的ヨーロッパ最強国の決定各国代表の強化

親善試合の代替
出場国数予選55か国→本大会24か国55か国(4リーグ体制)

EUROとUEFAネーションズリーグの違いを比較してみましょう。

どちらの大会も欧州サッカー連盟(UEFA)の主催で行われていますが、開催周期や意義に大きな違いがあります。

欧州選手権が開催されるのは、4年に一度。ワールドカップの中間年です。一方ネーションズリーグは、2年に一度の奇数年に開催されています。

実施目的も、サッカー欧州選手権はヨーロッパ最強国を決める大会である一方で、UEFAネーションズリーグは主に各国の代表強化が目的。

主催が一緒であること、欧州選手権の一部出場枠がネーションズリーグ経由で決定するなどのシステムでしばしば混同されがちですが、開催意義も明確に異なります。

サッカー欧州選手権とワールドカップの違い

欧州選手権ワールドカップ
主催欧州サッカー連盟(UEFA)国際サッカー連盟(FIFA)
開催スケジュールW杯の中間年6月〜7月4年に1度
目的ヨーロッパ最強国の決定世界最強国の決定
出場国数本大会24か国本大会48か国(2026年〜)

FIFAワールドカップは、4年に一度開催されるナショナルチームによるサッカー選手権大会です。

サッカー欧州選手権とFIFAワールドカップの大きな違いは、主催者と参加地域の2つです。

サッカー欧州選手権の主催は欧州サッカー連盟(UEFA)ですが、FIFAワールドカップはFIFA(国際サッカー連盟)が主催します。

そして、欧州選手権はヨーロッパ地域限定の大会ですが、FIFAワールドカップは世界中の国々が参加する大会である点も大きな違いです。

予選がフォーム&アウェイ方式であることなど大会フォーマットは似ています。予選の年度は重なっているものの、厳密なスケジュールではそれぞれの予選時期が重なることはありません。

また、欧州選手権上位国が優先的にワールドカップに出場できるなど、それぞれの結果が大会に影響することもありません。

サッカー欧州選手権の見どころ

ユーロの見どころは、何といっても「観てるだけでワクワクする要素」がぎゅっと詰まっている点にあります。

この章では、サッカー観戦初心者に注目してもらいたい、EUROの見どころを3つご紹介。これらに注目することで「サッカーってこんなに面白いんだ!」と感じてもらえるはずです。

各国の意地と宿命のぶつかり合い

EUROはヨーロッパ最強の国を決める大会。しかも、世界的にみても強豪ぞろいのヨーロッパの国同士がたたかうため、全試合がハイレベルです。

たとえば、イングランドvsフランス、ドイツvsイタリアといった「歴史ある宿命対決」が1次リーグから見られることもあります。

若手スターの誕生とベテランのラストプレー

EUROは「新しいスターが生まれる大会」とも言われています。

過去にはクリスティアーノ・ロナウドが10代で衝撃デビューを果たし、のちに世界的な選手になりました。

一方、ベテラン選手にとっては「代表としてのラストマッチ」になることも多い大会としても知られています。

観戦すると、思わぬ感動シーンを目撃できるかもしれません。

開催地・スタジアムの熱狂的な雰囲気

EUROの魅力は試合だけじゃありません。開催期間中にはヨーロッパ各国からファンが集まり、スタジアムも街中もお祭り騒ぎとなります。

各国の応援スタイルや国歌斉唱、顔ペイントなど、観るだけで楽しいサッカーカルチャーが味わえるでしょう。

サッカー欧州選手権は日本でも視聴可能

EURO2028の予選は日本からも以下の配信サービスで視聴可能です。

  • DAZN Japan

次回EURO2028の配信サービスは未定ですが、前回のEURO2024が視聴できたサービスは以下のとおり。

  • ABEMA
  • WOWOW

残念ながら地上波での放送予定はありませんでした。

まずは現在行われている予選からチェックしてみるのもいいかもしれません。

サッカー欧州選手権はヨーロッパサッカー最大の祭典

サッカー欧州選手権は、長い歴史と高い競技レベルを誇るヨーロッパ最大のサッカー選手権大会です。

世界中のファンが注目するサッカー欧州選手権は、これまで数々の名勝負や伝説を生み出してきました。

FIFAワールドカップとはまた違った魅力があり、UEFAネーションズリーグとも一線を画す格式と価値を持っています。

4年に一度という特別な周期だからこそ一試合一試合が重みを持ち、サッカーファンにとっては見逃せない大会のひとつです。

次回のサッカー欧州選手権を心待ちにしながら、過去の名場面を振り返り、欧州サッカーの奥深さをより味わってみてください。