メジャーリーグサッカーとは?

メジャーリーグサッカー(MLS)は、アメリカ合衆国とカナダのクラブが参加するプロサッカーリーグです。
1994年のFIFAワールドカップ開催をきっかけに1996年に設立されました。
他リーグにはない独自ルールを採用
メジャーリーグサッカーは、欧州リーグにはない独自のルールを採用しています。
独自ルール例は、以下のとおりです。
- 昇格・降格制度がない
- ドラフト制度
- 特別指定選手制度
- 自前のサッカー専用スタジアムを保有
メジャーリーグサッカーは昇降格制度を採用しておらず、下部リーグからの参加は既存クラブを母体に新設されたエクスパンションチームとして加盟する形となります。
また、メジャーリーグサッカーは、ビジネス面でも非常に洗練されたリーグです。
マーケティング戦略やスタジアム運営などにおいて、他の北米スポーツリーグに引けを取らない体制を整えているのです。
伸びしろがあるプロサッカーリーグ
メジャーリーグサッカーは、世界中のサッカーファンから注目を集める“成長中のリーグ”です。
アメリカは長らく「サッカー不毛の地」と呼ばれ、アメリカンフットボールや野球などと比較するとサッカー人気は伸び悩んでいました。
しかし、近年メジャーリーグサッカーは地位を急速に高めています。
FIFAワールドカップ2026がアメリカ・カナダ・メキシコの共催で開催されることも追い風となっており、国内でのサッカー熱はますます高まると予想されます。
2023年にはリオネル・メッシ選手がメジャーリーグサッカーに加入し、大きな話題を集めました。
一方で欧州5大リーグと比較すると、リーグ全体のレベルや国際大会での実績は限定的です。
しかし、それこそが「伸びしろ」であり、今後メジャーリーグサッカーが世界トップクラスのリーグになる可能性は十分にあります。
メジャーリーグサッカーでプレーする日本人選手【2024-2025】

現在メジャーリーグサッカーでは複数の日本人選手が活躍しており、それぞれのクラブで異なる役割を担っています。
ここでは、2024-2025シーズンにMLSでプレーする日本人選手を紹介します。
吉田麻也|LAギャラクシー
吉田麻也選手はLAギャラクシー所属のディフェンダー。FIFAワールドカップ日本代表メンバーに3度選出され、2022年のカタールW杯ではキャプテンを務めています。
名古屋グランパスを経て長年ヨーロッパでプレーしてきた吉田選手は、2023年8月にLAギャラクシーへ加入しました。
初年度から公式戦12試合1得点1アシストの活躍を見せ、大きな注目を集めました。
2024シーズンからはキャプテンを務めており、守備の要として活躍中。
なお、吉田選手は2022年6月より日本プロサッカー選手会の会長も務めています。
高丘陽平|バンクーバー・ホワイトキャップス
高丘陽平選手はバンクーバー・ホワイトキャップス所属のゴールキーパー。横浜FCの下部組織から2014年にトップチームへと昇格し、横浜FCや横浜F・マリノスで活躍しました。
2023年2月にバンクーバー・ホワイトキャップスに完全移籍し、初年度はリーグ戦33試合に出場してます。
2024年もリーグ戦33試合に出場し、バンクーバー・ホワイトキャップスの守護神として活躍中です。
久保裕也|FCシンシナティ
久保裕也選手はFCシンシナティ所属のフォワード、ミッドフィルダー。わずか18歳でA代表に召集された注目のアタッカーです。
京都サンガF.C.の中心選手として活躍後、スイスやドイツで経験を積み、2020年1月にFCシンシナティへ加入しました。
メジャーリーグサッカーで通算100試合に出場しており、チームに欠かせない存在となっています。
山根視来|LAギャラクシー
山根視来選手はLAギャラクシー所属のディフェンダー。川崎フロンターレで一時代を築き、Jリーグベストイレブンに選出された経験もあります。
2022カタールW杯では日本代表に選出されています。
2024年より初の海外挑戦の場として、ロサンゼルス・ギャラクシーを選択しました。
吉田麻也選手とともに日本人ディフェンダーコンビとして注目されています。
木島萌生|D.C. ユナイテッド
木島萌生選手はD.C. ユナイテッド所属のミッドフィルダー。若手のホープとして期待されており、Jリーグへの所属経験がない異色の経歴を持つ選手です。
12歳で渡米後はIMGアカデミーに所属し、2020年にウェイクフォレスト大学に進学しました。
2023年12月にセントルイス・シティに加入。2025シーズンよりD.C. ユナイテッドでプレーしています。
2025年時点で出場機会は限られていますが、今後のブレイクが期待される選手のひとりです。
かつてメジャーリーグサッカーでプレーした日本人選手

メジャーリーグサッカーは、過去にも多くの日本人選手がプレーしてきた舞台です。
つづいては、かつてメジャーリーグサッカーでプレーした代表的な日本人選手を紹介します。
木村光佑
木村光佑氏は、メジャーリーグサッカーにおける日本人の先駆者となった選手です。
川崎フロンターレのユースに所属していた木村氏は、怪我でトップ昇格を断念しました。
その後渡米し、ウェスタンイリノイ大学を経て、2007年にコロラド・ラピッズへ加入します。
2010シーズンには、週間ベストイレブンに5度選出されるなど活躍し、MLSカップを制して全米の頂点に立ちました。
その後も複数のクラブでプレーし、アメリカのサッカーファンに愛された存在です。
ディビッドソン 純マーカス
ディビッドソン 純マーカス氏は父親がアメリカ人、母親が日本人のハーフで、東京ガス(後のFC東京)の下部組織出身です。
Jリーグでは大宮アルディージャやアルビレックス新潟でプレーし、2012年3月にバンクーバー・ホワイトキャップスへ加入しました。
2年間で50試合に出場し、一定の結果を残しました。
田中輝和
ガンバ大阪の下部組織出身の田中輝和氏は、2006年にU-21日本代表に選出されるなど期待のルーキーでした。
Jリーグでは大宮アルディージャやサガン鳥栖などでプレーし、2012年にメジャーリーグサッカー・レアル・ソルトレイクへ移籍しました。
しかし、4試合の出場に止まり、同年9月にリリースされています。
山田晃平
第84回全国高等学校サッカー選手権大会で全国優勝を経験した山田晃平氏は、2010年にザスパ草津に入団しました。
2012年にJPFAトライアウトを経て、コロラド・ラピッズからドラフト3巡目指名され、木村氏とチームメイトとなりました。
しかし、トップチームでの出場機会は得られず、同年6月にコロラド・ラピッズを退団しています。
小林大悟
清水商高時代から注目選手だった小林大悟氏は、卒業後に東京ヴェルディ1969へ入団しました。
チームの主軸として活躍するものの、2006年1月に大宮アルディージャへ移籍しました。
その後は国内外のクラブを渡り歩き、2013年1月にバンクーバー・ホワイトキャップスへ完全移籍。
翌年からはニューイングランド・レヴォリューションでプレーし、メジャーリーグサッカーに爪痕を残しました。
加地亮
加地亮氏は、メジャーリーグサッカーに挑戦した日本人選手の中で最も実績を持つ選手です。
JリーグではFC東京やガンバ大阪などでプレーし、2006年FIFAワールドカップにも出場しています。
2014年のシーズン途中にチーヴァス・USAチヴァスからオファーを受け、34歳にして海外移籍を果たしました。
初出場以降はリーグ戦全試合にフル出場したものの、同年10月にクラブは解散してしまいます。
メジャーリーグサッカーで活躍する日本人選手を応援しよう
2025年現在、メジャーリーグサッカーでは吉田麻也選手や高丘陽平選手など、多くの日本人選手たちがプレーしています。
文化やプレースタイルが異なる中で、結果を残すことは容易ではありません。
しかし、彼らは異国の地で存在感を示しています。
メジャーリーグサッカーで奮闘する選手たちの活躍を見守り、日本サッカーの裾野がさらに広がることを期待しましょう。