4年に一度、世界中のサッカーファンが熱狂する祭典、それがFIFAワールドカップです。FIFAワールドカップは単なるスポーツイベントにとどまらず、国境や言語の壁を越えて人々をつなぐ世界規模のイベントとして知られています。本記事では、FIFAワールドカップの基本情報や見どころを解説します。

FIFAワールドカップとは

FIFAワールドカップは、国際サッカー連盟(FIFA)が主催する男子サッカーの世界選手権大会です。

1930年の初開催以来、原則として4年に1回、西暦の単偶数年に開催されています。

各国代表が頂点を目指して競い合うFIFAワールドカップは、オリンピックを上回る注目度を誇り、全世界のテレビ視聴者数は通算で310億人に達するほどの人気です。

ちなみに、日本がFIFAワールドカップに初出場したのは、1998年のフランス大会。2025年5月時点で、日本はフランス大会から7大会連続出場を果たしています。

FIFAワールドカップの基本情報

FIFAワールドカップの概要がわかったところで、続いては歴史や開催方式についてくわしく解説します。

歴史

第1回大会は1930年、ウルグアイで開催されました。

第2次世界大戦の影響で1942年と1946年大会は中止されましたが、それ以外は4年ごとに開催されています。

初期の大会名称は「ワールドカップ」で、限られた国々が参加する規模の小さな大会でした。

ワールドカップの創設者ジュール・リメ氏が優勝トロフィーを寄贈したことから、次第に「ジュール・リメ杯」と呼ばれるようになり、1946年に正式名称が「ジュール・リメ杯世界選手権大会」に変更されました。

現行の「FIFAワールドカップ」が正式名称となったのは1974年の西ドイツ大会以降。名称が変わった理由としては、1970年のメキシコ大会においてブラジルが3度目の優勝を果たし、ジュール・リメ杯を永久に保有することとなったためです。

ジュール・リメ杯に代わって新しいトロフィーを作成するとともに、大会名を「FIFAワールドカップ」に改めて現在に至ります。

出場資格

FIFAワールドカップに参加できるのは国またはそれに準ずる地域であり、厳密にはFIFAに加盟したサッカー協会を単位とします。

本大会に出場できるのは、予選を突破した48チームです。

2026年大会より、本大会参加国数が2022年大会までの32チームから48チームに拡大されています。

予選はホスト国をシードし、各地区ごとに1〜2年間かけて行われます。

2026年大会の出場枠は次のとおりです。

  • アフリカ(CAF):直接出場9枠+プレーオフ1枠
  • 欧州(UEFA):直接出場16枠
  • 南米(CONMEBOL):直接出場6枠+プレーオフ1枠
  • 北中米カリブ海(CONCACAF):直接出場6枠+プレーオフ2枠
  • アジア(AFC):直接出場8枠+プレーオフ1枠
  • オセアニア(OFC):直接出場1枠+プレーオフ1枠

開催方式

FIFAワールドカップの予選は、世界を6地区に分けホーム・アンド・アウェー方式で実施されます。

各地区の出場枠は前項で解説したとおりです。

本大会は組み合わせ抽選を行い、出場48チームを12のグループに分けて1次ラウンドを実施します。

全試合終了時に各グループで勝ち点の多い上位2チームが決勝トーナメントに進出。3位となったチームも成績上位8チームに入ると決勝トーナメントに進出できます。

歴代優勝国

ワールドカップを制したことがある国は限られており、ブラジル(5回)、ドイツ(4回)、イタリア(4回)などが歴代最多優勝国として名を連ねています。

歴代優勝国は次のとおりです。

開催年優勝国
1930年ウルグアイ
1934年イタリア
1938年イタリア
1950年ウルグアイ
1954年西ドイツ
1958年ブラジル
1962年ブラジル
1966年イングランド
1970年ブラジル
1974年西ドイツ
1978年アルゼンチン
1982年イタリア
1986年アルゼンチン
1990年西ドイツ
1994年ブラジル
1998年フランス
2002年ブラジル
2006年イタリア
2010年スペイン
2014年ドイツ
2018年フランス
2022年アルゼンチン

FIFAワールドカップ2026の見どころ

FIFAワールドカップ2026は、2026年6月11日から7月19日にかけて行われます。

ここでは、FIFAワールドカップ2026の見どころを3つのポイントに絞って解説します。

史上初の3ヶ国共催

2026年大会は、アメリカ・カナダ・メキシコの3ヶ国が共同開催する史上初の大会です。

FIFAワールドカップの共同開催というと、2002年の日韓大会を思い出す方も多いかもしれません。なお、2030年大会もモロッコ・ スペイン・ポルトガルの共同開催が決定しています。

2026年大会の開催都市は、アメリカの11都市、メキシコの3都市、カナダの2都市の、計16都市。

ニューヨークやロサンゼルスといった大都市での開催が予定されているアメリカ、トロントやバンクーバーといった自然豊かで落ち着いた雰囲気の環境で観戦できるカナダ、メキシコシティやグアダラハラといった熱狂的なサッカーファンが多く盛り上がることが予想されるメキシコなど、どの土地もそれぞれワールドカップを開催する準備を着々と進めています。

全試合の開催日程は2024年2月4日にすでに発表されており、開幕戦はメキシコシティのアステカ、決勝戦はニューヨークのニュージャージーが舞台として選ばれました。

特にアメリカでの開催は1994年大会以来となり、巨大市場でのサッカー熱の高まりにも注目が集まっています。

出場国が48ヶ国に拡大

FIFAワールドカップ2026の最大の特徴は、出場国が従来の32チームから48チームに拡大された点です。

これまで出場機会に恵まれなかったアジアやアフリカの国々にもチャンスが広がり、世界中のサッカーファンが自国を応援できる機会が増えると予想されます。

これまでにない最大規模のFIFAワールドカップとなることで、サッカーファン以外が試合を観る機会も増えるはず。

また、出場国の拡大によりフォーマットも若干変更されています。

史上最長の開催期間

出場国と試合数の増加に伴い、大会全体のスケジュールも拡大されます。

FIFAワールドカップ2026の開催期間は、2026年6月11日(木)から7月19日(日)です。

これまでの約1ヶ月間から約8日ほど延長され、観戦や視聴の時間が増加することになります。

サッカーファンにとっては、これまでのFIFAワールドカップ以上に充実した期間になるでしょう。

FIFAワールドカップ2026の観戦・視聴方法

FIFAワールドカップ2026は、日本のホーム戦であれば地上波放送、TVerでのリアルタイム配信での視聴が可能です。ですが、それ以外の予選や最終戦は、DAZNの独占配信となることが発表されています。

予選から決勝戦まで通しで視聴したい場合は、DAZNへの登録を検討しましょう。

現地観戦を希望するのであれば、FIFA公式サイトからチケットを買うほか、各旅行会社の観戦ツアーに申し込む方法もあります。

確実に現地で観戦したい場合は、早めの計画と予約がカギ。公式サイトではチケット購入に向けた予備登録を受け付けているので、今から登録しておきましょう。

FIFAワールドカップはサッカー界における世界最高峰の大会

FIFAワールドカップは、スポーツの枠を超えた地球規模の祭典です。2026年大会は、アメリカ・カナダ・メキシコの3ヶ国が共同開催する史上初の大会であり、次世代のワールドカップとして期待が高まりつつあります。

選手たちは自国の誇りをかけてプレーし、サッカーファンはそのドラマに一喜一憂するはず。さらに、それぞれの開催国の文化や歴史が色濃く反映されることで、多くの学びや感動をもたらしてくれます。

2026年のFIFAワールドカップに向けて、世界一を目指す選手たちの戦いを目撃してください。