野球の背番号10が持つ意味とは?

野球を観戦するときに、選手を見分けるために使用される背番号。背番号には選手を見分けるためだけでなく、さまざまな意味が込められていることをご存知でしょうか。

ここでは、背番号10が持つ意味を各リーグに分けて解説していきます。

プロ野球における背番号10の意味

プロ野球における背番号10は、自由な背番号といえるでしょう。

プロ野球では、1桁の背番号を野手が背負ったり、10番台の背番号を投手が着用したりといった傾向があります。しかし背番号10を着用している選手を見てみると、投手や捕手、内野手とポジションはさまざま。

また、背番号10を永久欠番にしている球団が多くみられるのも特徴的。東北楽天ゴールデンイーグルスの背番号10は、日本球界初となるファンの番号ということでも有名ですね。

なおメジャーリーグにおいては、背番号に規則性はありません。自身や家族の誕生日、尊敬する選手と同じ番号など、自由に背番号を決めているようです。

高校野球における背番号10の意味

高校野球ではレギュラー選手に1桁の背番号が与えられるため、基本的に2桁の背番号は控え選手が着用します。そのため背番号10は、控えのピッチャーが背負うケースが多いようです。

近年の高校野球では、エースピッチャーを酷使しないために、投手を何人も使いながら勝ち上がるチームが増えています。したがって2番手投手とされる背番号10を背負った選手は、チームの総合力を高めるための重要な存在と言えるでしょう。

今後の高校野球では、控え投手の出場機会が増えることが考えられますので、背番号10にも注目してみてください。

少年野球における背番号10の意味

少年野球では、キャプテンが背番号10を着用するという規則があります。そのため少年野球における背番号10は、ポジションとは関係ありません。

少年野球のキャプテンの決め方は、監督指名や指導者投票、選手間投票など、チームによってさまざま。キャプテンはチームを引っ張る存在ですので、どこのチームも決め方にはこだわりがあるように思えます。

能力が高い選手がキャプテンに選ばれることが多いため、背番号10の選手のプレーに注目してみてください。

背番号10を背負う人気の野球選手を紹介

ここでは背番号10を背負う人気のプロ野球やメジャーリーグの選手、漫画のキャラクターを紹介していきます。

日本 中田翔

2021年のシーズン途中で移籍した読売ジャイアンツで、背番号10を背負っている中田翔選手。高校野球の名門である大阪桐蔭高校の出身で、高校時代から並外れたパワーでホームランを量産する選手として注目されていました。

ホームランバッターといえるほど長打力のある選手ですが、ホームランよりも打点にこだわりを持っており、チームへの貢献度が高いのが特徴です。これまでのキャリアで、3度の打点王に輝いているのはそのためでしょう。

大きな体と球界トップクラスのパワーから見落としがちですが、守備が非常に上手い選手でもあります。守備時の柔らかいハンドリングや正確なスローイングに定評があり、ゴールデングラブ賞を4度獲得しています。

日本 森友哉

森友哉選手は打撃の優れた捕手として、2014年から埼玉西武ライオンズで活躍している選手です。

通常キャッチャーは守備面の役割が大きいため、打撃成績は振るわない傾向にあります。しかし森選手は、高校時代から天才と称されるほどのミート力を武器に、プロ入り1年目から打撃面でも活躍。

2019年には、キャッチャーとして135試合に出場しながら、打率.329を記録し、首位打者のタイトルまで獲得しています。

負けん気が強い性格でも有名で、先輩にも臆せず意見する姿には頼もしさを感じます。2020年に24歳という若さで選手会長に就任したこともあり、これからもチームを引っ張る存在であることでしょう。

メジャーリーグ ジャスティン・アップトン

メジャーリーグのロサンゼルスエンゼルスで、背番号10を背負っているジャスティン・アップトン選手。大谷翔平選手と同じチームに在籍しているため、日本の野球ファンからも多く認知されている選手です。

高校時代から俊足巧打の遊撃手として高い評価を受け、最もMLBに近い選手として注目されていました。その期待の高さは、プロ入りの契約金が当時の史上最高額であったことからも伺えますね。

プロ入り後は長打力を武器に、2度のシーズン100打点達成や3度のシルバースラッガー賞の獲得など、主に打撃面での活躍が目立ちます。大谷選手が出場している試合では、アップトン選手が4番を担っている場面が多々ありますよね。

メジャーリーグ J.T.リアルミュート

メジャーリーグのフィラデルフィアフィリーズで背番号10を背負い、現役最高捕手との呼び声も高いJ.T.リアルミュート選手。

守備に特化するキャッチャーが多い中、リアルミュート選手は走攻守において活躍している、非常にレベルの高いプレイヤーです。

守備面については捕球から二塁到達までのタイムが非常に速く、2017年から3年連続で両リーグ最速を記録しました。打撃面も好調で、毎シーズン2桁以上の本塁打と2割後半の打率を残しており、過去にはシルバースラッガー賞を2度獲得しています。

2020年オフには、捕手史上最高額でフィリーズと再契約したことで話題になりました。今後もリアルミュート選手の活躍に注目してみてください。

漫画 阿久津

漫画「MAJOR」の主人公である茂野五郎が高校時代、最後の夏の大会で敗れた相手が海堂高校。その海堂高校で背番号10を背負い、控え投手として活躍したのが阿久津です。

阿久津は常に笑っているようなむき出しの歯が特徴で、他人を見下す発言が多い癖のある選手。この癖の強い性格は、プレーにも表れています。

投手としての魅力は、非常に珍しいナックルボールを投げられる点。回転をかけないようにボールを投げることで、不規則な曲がり方をするナックルボールを投げられる選手は、現実のプロ野球やメジャーリーグでも数えるほどしかいません。

阿久津はこのナックルボールを武器に、主に中継ぎ投手として高校野球やプロ野球で活躍しました。

野球の背番号10はさまざまな意味を持つ背番号である

少年野球や高校野球など、リーグによってさまざまな意味を持つ背番号10。これほど多くの意味を持つ背番号は珍しいといえます。

選手の背番号が決まった背景を考えてみると、より一層野球観戦を楽しめますので、この機会にぜひ他の番号についてもチェックしてみてください。