陸上のフィールド陸上競技とは?

陸上競技とは「走る・跳ぶ・投げる・歩く」といった、人間の基本的な動きをベースにしたスポーツの総称。大きく3つに分けられます。
- トラック競技
- フィールド競技
- ロード競技
「フィールド競技」は、競技場の内側や外側で行う、投げる・跳ぶ種目。走高跳・砲丸投・走幅跳などが該当します。1人の選手が複数のトラック種目とフィールド種目を行う「混成競技」もあります。
陸上競技の国際大会では、世界陸上やオリンピックが有名。国内では、国体(国民体育大会)や日本選手権などがおこなわれています。
いずれの陸上競技も「速さ・高さ・遠さ」を競うシンプルな競技なので、初心者でも勝負の瞬間の分かりやすさも魅力です。
陸上フィールド競技の種類と特徴
フィールド競技は、トラックの内側や外側で行われる跳躍と投擲競技のこと。トラック競技のように複数が同時スタートするのではなく、1人ずつ試技・計測をおこなって順位を決定します。
跳躍(走高跳、走幅跳、棒高跳、三段跳)

【跳躍の基本ルール】
- 助走して跳ぶ
- 踏切位置が決まってる
- 跳べる回数は3回まで
- 最終順位は「一番良かった記録」で決まる
跳躍競技は、トラックの内側または外側でおこないます。成功の瞬間が一目でわかるのが魅力で、観客の拍手に合わせた助走のリズムも楽しい種目です。
走高跳

走高跳は、助走をつけて片足で踏み切り、バーを飛び越える種目。その洗練された美しいジャンプに引き込まれます。男子のトップ選手ともなると、女子バレーボールのネットの高さ(2m24cm)以上のバーを跳びます。
棒高跳

棒高跳は、助走で勢いをつけることで長いポールを曲げ、その反発を利用してバーを越える種目。選手たちの跳躍には、ポールを扱う技術や空中動作など、多くの技術が詰まっています。
走幅跳

走幅跳は、助走の勢いでどれだけ遠くに跳べるかを競う種目。全員の選手が3回試技をするうち、上位8名の選手が再度3回試技ができます。魅力は、なんといっても踏み切りから着地までの迫力。選手一人ひとり跳び方が異なるので、そこに注目するのもいいでしょう。
三段跳

三段跳は、助走をつけ、ホップ・ステップ・ジャンプの3回で踏み切る種目。踏み切りで地面を噛む音、砂を巻き上げるような激しい着地が見どころです。オリンピックの歴史で日本人初の金メダルはこの三段跳だったりします。
投擲(砲丸投、円盤投、ハンマー投、やり投)

【投擲の基本ルール】
- 決められた方法で投げる
- 決められたエリアから投げる
- 試技は基本6回まで
投擲競技は、重い物体をより遠くまで投げ、その飛距離を競います。
砲丸投

砲丸投は、金属製の砲丸を投げる種目。身体の捻りを使ったグライド投法、回転して遠心力を使って投げる回転投法があります。選手のフォームの違いにも注目すると面白いでしょう。
円盤投

円盤投げは、円盤を遠心力を使って遠くに投げる種目。単純な筋力だけでなく高さや角度、強度など細かい技術も必要とされます。円盤を砲丸投げと同じフォームで投げると失格になります。
ハンマー投

ハンマー投げは、サークルの中で3〜4回転した遠心力で、重いハンマーを投げる種目。ハンマーを投げるための筋力、飛ばす際の手元の繊細な技術などが必要で、迫力のなかにも繊細さと美しさも垣間見れるでしょう。
やり投

やり投げは、助走をつけて槍をより遠くに投げる種目。上半身の筋力と踏み込みに耐える下半身の筋力、助走のテクニックとやりを理想の角度で放つ技術も求められます。手元を離れてから芝生に刺さるまでの軌道の美しさが魅力です。
陸上のフィールド競技5つの観戦ポイント

陸上競技のスタジアム観戦は、テレビでは味わえない「空気」と「迫力」が魅力。
しかし、ルールがシンプルであるがゆえに、現地での見方に少しコツが要るのも事実です。
ここでは、現地観戦をもっと楽しく・もっとわかりやすくするポイントを紹介します。
1.複数の競技が同時に進行する
テレビ中継では1種目ずつしか映りませんが、現地のスタジアムでは何種目も同時に進行しています。
たとえば、トラックで400mが始まったと思ったら、フィールドでは円盤投げや高跳びが進行しているといった感じ。
とくにフィールド競技は、フィールド内で複数の種目が同時進行で行なわれるため、なおさら「どの競技に注目したらいいの?」と思うかもしれません。
ですが、ここはシンプルに、そのとき気になった競技をみましょう。ほかの観客の歓声で、その瞬間のクライマックスが把握しやすいはずです。
2.座席の位置で見える競技が変わる
陸上競技は、座席の位置が観戦体験に直結するといっても過言ではありません。
席の場所 | 見やすい競技 |
---|---|
ゴール前(ホームストレート) | 短距離走(100mゴール)・リレーのラスト |
バックストレート | スタートの瞬間(100m・200mなど) |
フィールド側(コーナー寄り) | 跳躍・投てき種目(走幅跳・やり投など) |
中央付近の高い位置 | 全体を俯瞰できる(複数競技を同時に観たい人向け) |
何種目も同時進行で行なわれ、それぞれの競技のスタート位置や競技スペースがあらかじめ決まっています。
フィールド競技をじっくり見たいのであれば、コーナー寄りのフィールド側がおすすめです。
事前に競技スケジュールと座席図を確認しておきましょう。
3.競技所の掲示板に注目する
競技場での現地観戦では、テレビ中継のような実況や解説はありません。
そのかわり、競技場に設置された大型ビジョンや電光掲示板に注目すると、必要な情報が得られるようになっています。
- 種目名
- レーン番号
- 選手名
- 記録
- 「○○選手、自己ベスト更新!」などの速報
- 世界記録・大会記録との差(高順位の場合)
掲示板の表示のほか、日本選手権や国体ではFMラジオ解説やスマホで解説が聴けるサービスがあることも。そちらもあわせてチェックすると、観戦体験がより豊かになるでしょう。
4.「勝負の分かれ目」を意識する
陸上は、一瞬で勝敗が決まる競技が多いです。
「今が勝負の瞬間だな」と思ったら、しっかり集中して観戦しましょう。わかりやすい目安は以下3つです。
フィールド競技は、最終試技もしくは、リードしている選手の投擲や跳躍に注目が集まりがち。
この「ピークの瞬間」を見逃さなければ、陸上観戦の満足度も一気にあがります。
5. なにより「雰囲気」を楽しむ
競技に詳しくなくても、「一生懸命な選手を応援する」「声援や拍手の一体感を味わう」だけでも十分楽しめます。
陸上の会場は声援が飛び交い、試技ごとに拍手やどよめきが起こり、記録更新の瞬間には大歓声がおこるものです。
「知らない選手でも、いい記録が出ると拍手したくなる。」その感覚があれば、陸上競技観戦を楽しめるでしょう。
陸上競技を観戦するには?

陸上競技を観戦する方法は、おもに2つの方法があります。
テレビや配信を視聴観戦する
オリンピックや世界陸上など大きな大会は、テレビの生中継や配信を楽しむのもいいでしょう。
リプレイで勝負の分かれ目を確認することもできますし、解説があることで見どころが理解しやすいです。
とくにフィールド競技の場合は、踏み切りから着地までの様子が見やすく、競技場では確認できない部分まで観ることができます。
TVerやNHKプラスなどの配信は、スマホやタブレットからでも気軽に観戦できるのもポイントです。
スタジアムで観戦する
現地観戦では“選手の気迫”や“スタート前の緊張感”を肌で感じられます。
トラック全体が見える席(バックスタンドやゴール前)がいいでしょう。スタジアムは広いため、オペラグラスや双眼鏡を持っていくと観戦しやすいかもしれません。
スタジアムには屋根がありません。観戦中はずっと屋外にいることになるので、日除けグッズや飲み物は、必ず準備しておきましょう。
フィールド競技は観戦ポイントを理解しているともっと楽しい
陸上競技の観戦は「知らないことがあるのが普通」です。
はじめからすべて理解しようとせず「気になった競技だけでも楽しく観る」ぐらいでも大丈夫。観戦に慣れてきたら、ルールや記録の意味も自然と分かってきます。
まずは、目の前で繰り広げられる“人間の極限バトル”を、五感で味わってください。